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[引っ張られた体は窓枠を越え、落ちて、落ちて――]
……?
[いつまで経っても、地面に、つかない。てっきりこのまま死ぬのだと思っていたのだけれど]
[永遠とも思えるくらい落ち続けたあと、漸くふわりと地面に着地した]
ここ、は……どこ?
学校……だよね……
[見上げると、自分が開けたと思しき窓が見える。あそこから落ちてきたにしては、随分長い滞空時間だった]
なんで……私生きてるの?
[ここが元いた学校と少し次元のずれた場所だと知るのは、少し*先の話*]
なぁ…紅…
今日からは俺たちは連れ去らなくてもいいであろう?
[ヨシアキの背にくっつく紅に尋ねる]
無駄に連れていくのは俺の趣味ではないのだ。
ん…――――
私も、今日はいいと思うよ
あんまり減らしても、つまらないもの
七不思議巡りは、続けてもらうけれど
[趣味ではない、と語る仁]
なんで、趣味じゃないの?
それは、生きている頃の俺か?
それともこっちに来てからか?
[楽しそうに笑う紅に、変なことを聞くと言わんばかりに不審な顔を向ける]
勿論、生きている頃の話
[がたがたと、揺れる背中
面白くて、にっこり笑っている]
そっか、仁は神隠しにあった方なんだ
[消え入りそうな声に、小さく反応して]
3つ目だったか…理科室の模型というやつだな。
あの連れ去られる時の気持ち悪さは忘れられぬ。
だからこいつには…その思いをさせたくない。
[器にはせめてあの気持ち悪さを体験させたくない…そんな思いで乗っ取ったのだった。]
へぇ…――――
仁、どうしてその器にしたの?
そんなに、その器の彼、気にいった?
[他の子達だって、同じようなものだろうに
私は、単純にミスしたのだけれど]
私の器・・・?
さぁ、どうだろう
真っすぐな子、だから
俺も2年で連れ去られた。
最初はお前の器にしようと思ったがの、、
お前が入り込むのを見て、こやつにしたまでよ。
[ニヤリと笑う]
なんだ、自分の歳で選んだんだ
そっかそっか
私は、連れ去られ組ではないから
そういうの、わかんないけど
[息を切らす器の上で、上下しながら
仁の方を見ながら、笑っている]
さて、窓が開かないとな?
[がっしり抑えて笑う霊が見える]
どこか別の七不思議スポットに誘導するほうがいいのかもしれぬが?
ん…―――
窓があいちゃうと、逃げられるもの
何処のスポットに、誘導しようか?
[くるくる、指をまわして
朧な髪を、弄んでいる]
何が感慨深いか…
[紅を一瞬睨む]
できれば近づきたくない。
しかし、こやつが詳しいことになっておる。
入らないわけにはいかぬだろうな…
[複雑な表情を見せた]
[睨まれて、首をかしげるけれど
ふわり、仁の方に飛んでみる]
無理は、しなくてもいいんだよ?
嫌なら嫌で、いいんだからね
[肩の上に、腰をおろして]
校舎内の検証が終われば、
校庭と焼却炉に行けるのであろう?
…まずは…中の探索をおわらせねば、
外に出るのは許されまいな。
[窓をがっしり抑える仲間はそう告げている]
次は…ナオが連れて行かれるのかな?
それとも、俺が向こうに行くのかな?
どちらでも…構わないがな。
人間は…愚かだ。
[ナオを見て呆れたように]
最期の情け…こんなつもりで乗っ取っていたが…。
自分の最後も認識できぬまま死ぬのも…虚しいものかの?
[もし器が向こうに行ったら聞いてみようかとぼんやり考える]
―あ?
[何か暖かいものがまとわりついている感触に目が覚めた。]
ああお前か。
起こしてくれたんだな―って、何で居俺は寝ていたんだ。
[くっついていた犬を頭をわしゃわしゃしながら、周囲を見回す。]
つか、誰もいねーっぽいんだが?
お前わかるか?
いや、それよりここどこだよ。
教室のようだと思ったら、あーあー。
3-2だ。間違いない。3年2組だ。
どういうことだよ。
[状況が理解できずに混乱を始めた。]
えっとー。あー。そっか。
いきなり真後ろから押さえつけられたんだっけ。そう。何かに。
!!
[状況を思い出せば、同じ状況下、振り向いて。]
…いねな。
ったく、何だったんだ。
[不安交じりなったせいか、犬の構い方がやや乱暴になった。犬は特に気にしていないようだ。]
お前も一緒にもってかれたってことか。
しかし、もってかれた…、その表現は正しいかどうだろう。連れ去られたように引っ張られた感触は確かにあった。
だがしかしここは教室だ。おまけに誰も居ない。まさか置いて行かれたってのか、あほな。
[おいてかれた。
そんな言葉が微妙に何かひっかかった。]
もしかして―後ろから誰かがこうやって眠らせて、皆で居なくなるような悪戯なんじゃないか?大方あの妙な雰囲気のセイジ先輩が後ろから狙ったとか。
[皆がいなくなって不安にさせる悪戯はテレビの類でもあったことを思い出した。]
いやしかしセイジ先輩はおかしかったな。喧嘩の仲裁までした先輩がなぜあんな挑発的な態度を取っていたんだろう。そこまでやるんか?
[犬とともに首をひねった。]
そういえば窓をみんなで見ていたんだっけ。んで部長が覗こう見たいな感じだったはず。
[部長の一部始終については、記憶の混乱で状況を覚えていない。]
悪戯であれば皆が窓を開ける様ですっかりだまされた訳だ。さて…。
[おもむろに窓を覗き込んだ]**
/*
展開的にセイジ→誰か→最後って感じか。たぶん意図的襲撃ミスが続くだろうし。
むしろもう1人は表に出なくてラストまで?させるのも面白いかもしれないね。
っていうか
残りメンバー
女性:マシロ ナオ
幽霊:セイジ
男性:ヨシアキ タカハル
3人の男性のうち敵側:セイジ
残った貴重な男性だが役に立たない:タカハル
ヨシアキがすごいハッスルするなこれは。
守ってもらう側だぼく。
…――――
心を折るのが、幽霊の仕事みたいなもの
怖がらせて、恐怖で折るか
優しくして、温もりで折るか
その程度の、違いしかないのに
[ふわり、器の背中に戻ったけれど]
つらかったら、無理しなくていいからね
今日は、私か仁、どちらかが行った方がいい
向こうの彼らに、説明は必要だし
それに…――――
七不思議検証、終わっちゃうものね
あんまり、人がいなくなると
まだ…いいのではないか。
辛くはないぞ。
ただ、見ていて虚しいだけだ。
―――…紅が残ってこの先誘導できるか?
器に入り切らないままで、
その器と、他の人間を操れるか?
[相方に問うてみる]
契約には、交換条件が必要だよ
だから、ただ確かめるというだけでは
宣言であって、契約ではないかもね
[走ってばかりの、器だ
面白いけれど、目が回りそう]
さぁ、どうだろう
私は、何かを操るつもりなんて、ないもの
ただ、私の所にたどり着いて欲しいだけ
でも、今回は無理かもしれないね
[人数を、数えてみる
残りは、器も含めて5人
七不思議は、あと6つ
7つ目にたどり着くことは、きっと不可能で]
俺は器を乗っ取った。
だからここにいる奴らに警告もできる。
挑発して誘導だってな。
奴らがどうせ聞かないことだって、分かっている。
何度同じ事をしてきたと思っている。
虚しいが……同時に愚かしさを哂ってもいるのだ。
[ニヤリと笑ってみせた]
私は、乗っ取ったりしないよ
誘導する気も、特にないの
私はただ、誘うだけ
闇の中から、甘美な香りを漂わせて
[嗤う仁を、じっと見ている
彼は、よくも悪くも人間なのだろう]
仁、君はまだ、人間なのだね
器の心配をしたり、人に警告をしたり
仁の方が、きっと私よりも優しいね
…優しいか…
それはどうかの。
[肩をすくめる]
未練があるのは確かだがの。
最近は……いや、今回の事で
人の愚かしさを確認した。
[さらに嗤う]
俺は向こうに行っても説明するかどうか分からぬな。
所詮、聞く耳持たないであろうて。
[それ以前に器から出てゆくかもしれない]
優しいよ、十二分に
未練、ね…―――
だから今、仁はここにいるんだね
[ふわり、宙を舞って
器の背中に、くっついたまま]
仁が行きたくないなら、私が行くだけだよ
今日は、どちらかが行かないといけないもの
この器は、すぐに危険に飛び込んでくれる
だからきっと、大丈夫だけれど
仁がどうしたいかに、任せるよ
襲われる前に、俺は器を出る。
器には悪いが、俺と同じ思いをしてもらうかの。
こやつは科学部だ、理科室で死ねるなら本望ではないか?
[くつくつと嗤う]
今日行かないと、人が残り2人になっちゃう
そうしたら、もう終わっちゃうものね
[仁が、自分が行くと言うから
それならそれでよいと、頷いて]
寂しく、ない?
[器の肩越しに、仁を見る]
そう、出るんだ?
向こう側には、行かないんだね
[ならば、この辺りを漂うのだろうか
それもまた、寂しい気がするけれど]
寂しいのは…お前じゃないのか?
[ニヤリと笑う]
俺は別に、寂しくはない。
[人のぬくもりを求めて中に入ったわけではないから]
うん、私は寂しいよ
寂しいから、人に憑き
寂しいから、人を誘うの
闇の中は、孤独でいっぱい
だから、つかの間の温もりを欲するの
[真顔で、恥ずかしげもなく答えつつ]
…あぁ…
[...も相好を崩す]
短い間だったが…
―――…楽しかった………ぞ。
[普通の笑顔になっている。その顔は少し照れている]
…―――
顔、崩れてる
[照れている顔を、指差してみて
くすくす、笑う]
私も、楽しかったよ
お別れ、って話じゃないしね
私達は魂、存在は永劫に近い闇
だから、いつでも会えるし
[理科室に入ろうとする、仁の器
それを見届けて、ふわりと舞い上がり
仁の隣に、浮かんでいる]
[器を出て、ドアのところに貼り付く]
さぁ、愚かな人間。
俺と同じ恐怖を味わうがいいぞ
[高笑いするでもなく、哀れむ様子もなく、ただ、淡々と告げた]
照れてる時は、可愛いのに
無表情な仁は、台詞が怖い
[ドアを塞いでいる、仁を見つつ
霊もくすぐったいのだろうかと、脇腹をつつく
つんつん、つんつん]
だって、笑ってる時のほうが、可愛いもの
[真顔で、そう言うのだけれど
呆れたように笑う様子に]
ほら、そっちのが可愛い
[くすぐったかったのかと、勘違いをした]
その手の感覚があるわけなかろう?
[試しに紅の脇をこちょこちょする]
…な?
[人間たちの焦りを思うと申し訳ないような和やかな一瞬だった]
可愛い…?
[愕然とした顔で紅を見る。その顔はすこし赤くなっていた]
な、ななな、何を言うか。
[ドアを押さえる力はそのままだが、
明らかに動揺している]
ん…―――
感覚、ないね
やっぱり、器を借りないとだめなのかな
[少し、寂しかった
女の器に入っていれば、少し違ったろうけれど]
波長の合う子、いないかなぁ
[ゆらり、周りを見てみるけれど
憑依できそうな体はなくて]
残念
仁を抱っこしてあげようかと思ったのに
仁、照れてる・・・―――
[明らかに動揺している様子
くすくす、笑いながら]
可愛い人だね、仁は
[赤い顔に、手を伸ばしてみる
無論、意地悪をするためだ、幽霊だもの]
[校舎の外に立っていると、皆が一階の教室の窓を開けられずに戻っていくのが見えた]
あれ……みんな。私が見えないの?
[近付いて窓を開けようとすると、難なく開き]
なんだ……窓開くじゃない。
[窓から校舎内に戻り、窓を閉めて鍵をかけ――背筋を寒気が駆け上った]
鍵。さっき、かかってなかっただけだよね。
[なら何故皆は開けられなかったのか。皆に自分の姿は見えないのか]
もしかしてここ……ちょっと次元がずれてるの?
[オカルト部なだけあって、理解は*早かった*]
何って、悪戯
幽霊だもの、悪戯するのが仕事でしょう?
[手が触れたなら、そのまま顔を寄せて
ふぅ、と息を吹いてみる]
何をしたら照れるのか、実験
実験…って…お前な…
[顔が近づいてビクッとなるが、息を吹いてこられて]
だから感覚はないと言うておろう?
そんなことより、近い近い
[周りで皆が見ている。変に思われないか冷や汗ものだった]
いいいいい厭というよりな、
ま、周りの目がだな…
か、かか、勘違いさせるとだな…
[人間の時の感覚が戻ってきそうで焦り、
しどろもどろになっている。
顔は真っ赤になっていた]
周りの目・・・――――?
[きょろきょろ、周りを見回したけれど
気にするような視線は、感じなかった]
亡者は、そんな事気にしないし
人には、私達、見えないし
勘違いするような人、いないけど
へ?…は、はは…そ、そうだな…
勘違いしていたのは…こちらだったか…
[苦笑いになり、フイッと目を逸らした]
反応がなくて…悪かったな。
[目を伏せた]
なぁに、仁
すねちゃった?
[目を逸らす様子に、首をかしげた
本当に、人間みたいな子だ]
機嫌なおしてよ、ね?
[顔をつついたり、してみるけれど
感触は、やはりなかった]
照れる・・・――――?
[幽霊なのに、照れるのかな
いや、彼は人間に近いんだったか]
なんだ、恥ずかしかったんだ?
[白状した様子に、くすりと笑う]
いいじゃない、恥ずかしがらなくても
長い時間をかけて、出会ったのだから
そっか、まだ無理、か
[ふむり、考えてみたけれど
どうしたらよいのかも、わからずに]
人間同士だと、こういうの、恥ずかしいの?
でも、私の記憶だと
こういう事する、人間もいたよ
た、たしかにこういう事する人間はいたがっ
[真っ赤になって騒ぐ]
俺はこういうことはしたことないんだよっ
[ヤケになっているようだ]
そうなの・・・――――?
初めてだと、恥ずかしいものなんだ?
[自分が人だった頃の記憶を、手繰ってみた
けれど、記憶など永劫の闇の彼方
取り出す事は、出来なかった]
でも、したこと無くて死んじゃったら
寂しいね、きっと
[ヤケになって白状したらなんだか気が楽になった]
それとも…してくれるのか?
[冗談めかしてニヤリと笑い、戯れのように言ってみた]
して欲しいなら、してあげるよ?
[肉体は無いから、本当に減るものでもない
冗談めいた口調に対し、真顔で言ってみた]
霊体にとって、言葉は契約
願いは呪力、思いは糧
言葉に出して願えば、それを叶え
それによって生まれた思いを、糧とする
そういうものだもの
それに、別に厭じゃないしね
そういうものだったか…
言葉は…契約…
[霊になって20年足らずではまだまだ赤子のようなもので、知らないことも多い]
では…「して」、ほしい。
[願いを口に、した。]
ん・・・―――
いいよ、してあげる
[両の手を、仁の頬に添えてみたけれど
やはり、感触はない]
んー・・・――――
感触が、欲しいな
[くるり、指先を回してみる
物理的に干渉するには、結構な力を使うけれど
願いだもの、仕方ないよね]
これで、少しの間、触れるよ
一人は、寒いもの
永劫の夜空に、束の間の黄昏を
[ゆっくりと、体を寄せて
温もりの宿らぬ、この身であるけれど
何かを与える事が、出来るのならば]
少しの間、体が触れ合える、束の間の時
その間は、好きにしていいんだよ?
どうして、欲しい?
うん、いいよ?
好きにして、いいからね
[背中に腕がまわる感覚
久しぶり・・・とすら言えぬ程の昔
そんな時の向こう側で、感じた事のある感覚]
あたたかい、ね
[ゆっくりと、抱き返して
仁に、体を預けた]
[感覚がなくなるまで、抱きしめていた]
…ありがとう。
[ちゃんと目を見て、礼を言った]
もっと早く出会っていたら、いろいろ教えてもらえたであろうに。
[笑みがこぼれる]
今からでも、遅くはないよ
私達の時は、永劫に続くのだから
魂が、常世に至るまで
[感覚が、無くなってきた
もうすぐ、時間がなくなってしまうのだろう]
抱きしめるだけで、よかった?
[首をかしげてみた]
[傾げられた顔を見ていてつい言葉が出てしまった。]
…口づけを…
[してみたかった…と、
…俯いて呟く。そこまで望んではいけないだろうと思いつつ。]
/*
えーっとレート一般だけどこれはOKですか?
ダメならごめんなさいですよ、
言うだけならただですよね。
(中の人焦りまくり)
もう・・・――――
ちゃんと、言えばいいのに
言葉にしないと、駄目なんだからね
今回は、特別
[感覚が、消えてしまうまえに
腕を仁の首に絡めたまま
そっと、瞳を閉じてみた]
/*
えーーーーーーーーーーーーー
いいんですかぁ?
レート一般ってここまでOKだっけ??
んーと…ま、いいか。
あとで怒られたら土下座しまふorz
こういう時、人間は謝るものなの?
[よく、わからない
記憶の海の中には、答えはない
だから、不思議には思ったけれど
不快には、思わないのだからよいとしよう]
ん・・・――――
[唇で、そっと触れた時に
なんとなく、懐かしい暖かさを感じた]
・・・――――
[暖かい、ね]
[そうか、と思い当たる]
俺に、この光景を見せないためだったのか…
[目の前で苦しむセイジを見て]
ありがとう
[素直に礼を言った]
/*
よーしよしよし…
どこに口づけしたとは書いてないぞっと。
あー一人で焦ってしまった…
あとから情けない独り言が公開されるっというわけですね。
笑いたければ笑ってくださいましorz
ようし見てろよ…。
な、こうなったらあいつら見つからずに外に出てびっくりさせてやろうぜ。
[ぽんと犬に手をやると、尻尾を振って人鳴きした。]
いい返事だ。
よし行く―行く…?
[勇み教室の外に出ると、矢張り普通の校内だった。]
なあ…なんかへんな気がするんだけど。お前わかるか。
今は人が居ないから人の気配はしない。だけどこれは人がまるで生活していないみたいな雰囲気じゃないか―。
[しかし、なぞの違和感を覚えた。]
/*
個人視点の補足すると。
少し前に人が殆ど居ない島に行った事があるんですけど、そこの生活感の無さには驚きました。空気がまったく乱れていないのと、生活音が無い感じ。
ある時期夏場だけはリゾート地とされてたらしい分、使われてない家々が余計に印象的でした、。
さて、そろそろ奴も連れて行く時間であろうか
紅、お前の器が動かないなら、ここ、抑えていてくれぬか?
[準備室の扉を抑えてくれるように頼む。もし断られるなら、他の仲間を呼んだだろう。]
[声をかけたのは仁に残った人としての思いやりゆえか。
それとも、自分が体験したことを思い出したゆえの優しさか…―――]
意地を張ってもいいことはない。
もう…お前は…逃げられない…。
[早く連れて行けと言ってくれと
どこかで願っていた]
[なおも語り続ける]
お前にできるのは
連れていってくれと言うことだ。
魂の契約を…結ぶのだ。
[悶え苦しむセイジに淡々と語る姿は
紅の目にどう映っただろうか]
魂にとって言葉は契約…
これは人間どもには分からぬこと。
お前の器に伝えるのは容易かろうが、
他の二人には…どう伝えるつもりだ?
それとも…伝える必要も…ないものかの?
[紅の方を見て、首をかしげる]
なんかこれは嫌だ。
こんな感じを悪戯とかじゃできないだろ。
[先ほどのトイレも、下に降りる途中も、何れも空気は変わらない。]
いいや思い込みだね。
きっと思い込みだね。
そうあるべきなんだ。
[それを払拭するかのように、思い込みに逃げるかのように。]
じゃなきゃ、さ。
[一階の教室から廊下に出たところで、少し悩んだ]
みんなどこにいるのかなぁ……
[困ったように呟き、怪談の内容を思い返す]
一階まで降りてきたみたいだから……そのあとどこに行ったかなぁ……近いのは理科室だけど……いるかなぁ?
[理科室に向けて歩こうとしたところで、足を止めた。行っても自分が見えないのじゃ意味がない]
ん…―――
わかった
[長いようで、短い口づけが終わった後
ドアを抑えるよう、頼まれたから
ドアに背を預けて、様子を見ていた]
言葉は契約、と言う事
教えた方が、いいのかな?
そうだな、ヒントくらい、あげよかな
ねぇ、仁
どんなヒントの出し方が、いいと思う?
どんなヒントの出し方か…
最期の最期に、俺がこいつに乗り移って話すこともできるが…
[それでは功を奏さないだろうという思いがあった]
んー…――――
私には、肉体がないしな
憑依するのも、良いけれど
それだと、この器がなぁ…―――
[色々、考えてはいるけれど]
血文字でも、かこうかしら
言葉は契約、願いは呪力
祈りは糧にして、恐怖は甘味
理を知らぬ者に、亡者の手を
こんなの、どうだろう?
[少し考えて、怖そうな文章を考えた]
こいつを向こうに送ると同時に、
この扉は開かれる。
その時に…
血文字を確認させればいい。
[セイジを冷たく見据え、仁は言い放つ]
紅…
お前と出会えて…よかったぞ。
人としての…“幸せ”を垣間見れた。
[紅の方を見て]
ありがとう…な。
[すぐに目を逸らした]
そっか、良かった
幸せだったなら、それで、きっと
大丈夫、また会えるよ
[すぐ目を逸らしてしまうから
目を見ては、言ってあげられないけれど]
私も、楽しかったよ 仁
寂しいことなど…あるものか。
[仁は薄く嗤う]
また…すぐに紅に会えるであろう?
時は永劫続くのだ。
まだまだ、教えを請わねばならぬ。
それに…
離れる時は束の間……だ。
[先ほどの感触が忘れられず、少々赤面して呟いた]
/*
照れ隠しです。
分かってもらえなくてもいい。
仁君はそんな気持ちで紅に礼を言ってます。
いじらしいやつですね。
こういうキャラ大好きです。中の人は。
いや〜いいですねぇ…ホント。
カワユイです。仁。
こうなったのは紅ちゃんのおかげです。感謝!
誘い受けうますぎです紅ちゃんw
俺も…楽しかった…ぞ。
[なるべく目を逸らさないように、紅を見つめて]
後は…頼む。
向こうから…見守っているぞ。
[紅が好きだと言ってくれた笑顔で]
そうだね、無限に続く輪廻の輪から
離れてしまった、私達は
束の間の闇を潜った後に、また出会う
また出会ったら、色々教えてあげるね
先輩、みたいだし、私
[くすくす、笑っているけれど
扉が開くまで、もうあまり時間がなくて]
仁、束の間の別れだ
こっち、来ない?
[手招き、してみた]
目印…――――
[触れられは、しないけれど
霊には霊の、印も存在する
呪印だのと、言われる物の類であるけれど]
言葉にして、仁
私と、再び出会いたいと
その言葉が、私と貴方を契約で結ぶ
再び出会う事を、義務付ける呪いとして
ん…―――?
二度と、あれれ?
まぁ、いいか
[なんだか、言葉が違った気がするけど
でもまぁ、言葉にした願いなのなら]
貴方の願い、叶えましょう
[ふぅ、と冷たい息を吐く
呪文のような言葉が、細い帯となって舞い
願いの通りに、左手の薬指に呪印を施した]
忘れないで、この呪印を
たとえ魂が巡っても、消えぬ呪いの傷を
次に出会った時に
本当の名前、教えてあげるね
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