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―客間―
……にしてもネギちゃん、お久し振りやわぁ。
全然、変わっとられへんね。
いつ見ても羨ましいんよ、その餅肌。
気ぃ向いたら、ウチの会社でイメージキャラクター、せぇへん?
ネギちゃん可愛えぇから、きっと人気出ると思うん。
[手紙を貰って、久々に訪ねた旧友。
「面白い話があるから」と大学時代の同輩に招かれた洋館、
その客間の一室で紅茶を飲みながら、ニコニコと微笑む。
他には誰が来るのだろう。
――知人がいれば同窓会みたいで面白いのに。
そう思いながら、綺麗に手入れされた庭を眺める。]**
おう、変わんねえなネギっち。
お……ども。
[家の主へ気安く声をかけながら入ってきた男は、先客に気づいて会釈した]
あとで台所借りるぜ。
ネギっちの好物、いいの入ったんだ。
[持参のクーラーボックスをポンと叩いて笑顔を見せる。
一度それをどこかへ置きに行き、戻ってきて空いた椅子に腰をおろした]
俺ね、ネギっちの小学校んときのダチで、ガモンってんです。板前ですよ。
[先客に、そして後から訪れる人々にもそう名乗る**]
ネギヤ先生、ご無沙汰しております。
このたびはお招きくださりありがとうございます。
[男は深々と頭を下げた]
ははっ、そりゃ私ももう新米ではいられませんからね。
一人前になれたのも全てネギヤ先生のご指導の賜物です。
[ 先客達がいる部屋へ通されれば、全員へごあいさつを。]
私、グリタと申します。
○×出版で先生の担当をしていた者です。
[ 希望者に配られた名刺には、名前や会社の情報の他、担当した作品が印刷されていた。ネギヤが手掛けた映画化された作品がその中にはあった]
─客間─
ああ、ネギヤさん。
随分と久しぶりですけれど、元気にしていましたか?
[穏やかな笑みを浮かべて、和服姿の男が客間に通された。
その手に抱えた風呂敷包みを、軽く上げて見せる]
これ、うちのお団子と大福です。
なんだか僕の他にも、沢山のお客さんがいらっしゃるような口振りでしたから。
……皆さんも、懐かしい物とやらの話を聞きながら、お茶と一緒に如何ですか?
[客間の面々を見渡し、促す。
老舗の和菓子屋の若旦那であり、ネギヤの家は代々続くお得意さんである。同じくらいの歳ということもあり、子供の頃からのつきあいであった**]
おネギ! ネギヤあ!
[廊下から家主の名前を連呼する。
手には握りしめた形に皺のよった手紙を持って]
アンタまたあんな思わせぶりな手紙よこして。
まさか昔の写真持ちだそうってわけじゃな――
[ぴたり。
客室に一歩踏み込んだところで凍り付く]
――ば、馬鹿ネギ!
なんで他にも人がいるって言わないの!?
[真っ赤になってしゃがみ込む。
高校大学を共にしたネギヤからのあだ名は「片肌脱ぎ」。学園祭での出し物でやった時代劇で片肌脱いだ、そんな思い出である**]
[ぴんぽーんとチャイムが鳴る]
ネーギーヤーくんっ。
にゅーしんしましょーっ。そーしよう。
[のんびりと声を掛けつつ、遠慮なくドアノブをがちゃり]
おーじゃましまーす。……あれ?
[迷うことなく慣れた様子で客間まで移動し、いつもより多い人数に首を傾げる]
いただきまーす。
[ゼンジに一礼して、大福をもぎゅもぎゅとしながら]
入信しませんか? 今なら洗剤もつけますよ。
[穏やかな笑顔でみんなを勧誘**]
いい香り……金木犀の花ね。
[庭を眺めながら客間へと向かう]
思い出すわぁ。ネギちゃんの小さかった頃を。
幼稚園の中庭に落ちた金木犀の花を小さ拾い集めて、お友だちに自慢していたっけ。
うふふ、お手紙ありがとう。先生嬉しいわ。
幼稚園を辞めてからも、こうして思い出してくれて。
今日は幼稚園に飾ってあったお人形を持ってきたの。ネギちゃん、覚えているかしら。
あ、あら?皆さんもネギちゃんのお知り合い?
わたしはボタンと申します。
[その場にいる人々に自己紹介]
ネギっちすげえなあ。先生かあ。
昔から作文上手かったけど、なあ。
[編集者にもらった名刺をしげしげと眺める。
やがて、和服の男が客間に現れるのへ目を瞠った]
ん、あれ?もしかして……ゼンちゃんか?
覚えてねえかなあ、俺ガモンだよ。ガキの頃、ネギっちと一緒に何回か遊んでもらって。
いやあ、なっつかしいなあ。
あ、俺いま、隣町で板前やってんの。雇われだけど。
[店名と電話番号、地図の書かれた名刺大のカードを皆にも配った**]
─ 客間 ─
あたしみたいなもんがお呼ばれしちまって良かったんですかねぃ。
[客間の隅にてひとりごちる。
数年前まではネギヤに雇われてこの屋敷の庭師を務めていた。
しかし腰を悪くして引退、それからは隣町で隠居していたところに、ネギヤから手紙が届いた。
一介の庭師であった自分をこうしてお呼ばれしてくれたことに感動と、懐かしさを覚えてこうしてやってきたわけだった。]
ソラまで連れてきちまったし、すんまへんなぁ。
悪さはせんで許したってな。
[ソラと名を呼ばれた猫はウミの唯一の家族。
大人しく背を撫でられながらウミの腕に収まっていた。]
ほれ、お前ぇさんも挨拶せな。
[促せば、にゃあお、と集まった者たちにつまらなさそうに挨拶。]
[ネギヤが招いた者は、板前、職人、編集者、同級生、
元保育士と多岐にわたるようだ。
中には、庭仕事中に見かけた面影がある。]
ほっほ。
立派になってまぁ。
[しかし落としたばかりの枝を使ってチャンバラごっこをしていたのは誰だったか、記憶は曖昧だった。]
ああ、これは美味い。
こらこら、ソラ、お前にはやらんよ。
[和菓子職人が手土産に持ってきたという
和菓子を頬張れば、その美味さに舌鼓を打つ。
甘い匂いに誘われた猫がスンと鼻を鳴らした。]
お手紙ありあとございあしたー、ネギさん。
こうやってお邪魔するの、なんか久しぶりっすねー。
[まもなく客間に顔を出した人物は、ネギヤの近所に住まう営業職の男。
童顔がコンプレックス。
ご近所では「とっつぁん坊やのギンちゃん」として親しまれている。]
なんすかぁ? ずいぶん、お客さん来てますね。
あ、やべ。オレ、名刺とか持ってきてねーわ。ウチの鞄の中に置きっぱだわー。
あー…、まあ、会社員やってるギンスイっす。
ネギヤさんちの近所に住んどります。初めての方は初めまして。
お団子いただきますわ。
恥ずかしいなんて可愛い。洗剤も断るなんて乙女な弁護士さんね。
[>>14 ヒナにうふふと笑う。
みんなが自己紹介するのを聞き、受け取った名刺には何やら書き込んでいる]
あたしは、川向こうの商店街に先月開店した「スパゲッティ・モンスター」のオトハよ。
ただいま信者募集中なの。よろしくね。
えーっと……そちらのお姉さんとお兄さんはいらしてくれたことあったわよね?
これ、2回目からは割引券クーポンになるの。
[みんなに自己紹介するとカニのような姿をしたキャラクターの描かれたショップカードを笑顔で配布。
ボタンとグリタには笑顔を大きくし、サインを入れたショップカードを手渡す]
ネギヤくんたら、あたしのためにこんなに人を集めてくれるなんて、嬉しい。
[頬を染めた**]
[ ゼンジが振る舞う団子に舌包みを打ちつつ]
ネギヤ先生はあまりプライベートなことをお話にならないのですが…
なかなかバラエティ豊かな面々ですね。
[ 男性女性に猫、年齢もバラバラなメンバーが集まったものだと感心しきり]
ど、どーもー…。また今度、飯食いにお邪魔します。
[団子を味わう傍ら、オトハ配布のショップカードを微妙な表情で受け取った。]
「淡雪の乙女」の映画はみたっすよ。えらいヒロインが美しくって、カンドーもんでしたわ。
ネギさん、大学時代には、あれの元の脚本を書いてたんすか。
[耳に入った話に、へえぇ?といった感じで]
さてと。
12時になるとボイスパーカッションのリズムに乗せて1から12まで数えるサザエさんのような声が聞こえるのは直ったと思うわ。
[そう言って、客間のソファーに腰掛け部屋を見渡す]
今日は随分大人数ね?
あらあら、まあまあ。
ほんとネギちゃんて、お友達多いんねぇ。
あっちゅう間に賑やかなって、なんや楽しいわぁ。
[有難く大福を手に取り、皆の会話に耳を傾ける。
先に出ていた紅茶を下げて皆に緑茶を淹れ直し、
名刺を渡されれば、思い出したように名を告げる。]
ご挨拶が遅ぅなって御免なさい、饅寿モミジ申します。
しがない美容部員にございますが、皆さん、どうぞよろしゅうに。
あらぁ!ヒナちゃん!
うそやーん久し振りぃ、元気してた?
相変わらず格好えぇなぁ、会えて嬉しいわぁ。
[威勢よく入ってきたヒナの背中に
嬉しそうに抱き付いて、にこにこ、にこにこ。]
淡雪の乙女、懐かしいねぇ。
ウチみたいな葬儀屋んとこの娘がヒロインなんて、
縁起悪いし止めとき言ぅたんやったっけ。
まぁ、お相手役がヒナちゃんやったら出てもえぇよ、
って言うたウチも大概やけども…
おう、そうだったのか。嬉しいねえ。
[>>11店を訪れたことがあると聞けば破顔する]
旨いだろ、うちの店。ぜひまた来てくれな。
おたくの大福も久しぶりだなあ。ありがたく頂くぜ。
そうそう、この味この味。
[もぎゅもぎゅと大福を頬張る]
何かいろいろ思い出すねえ。
前ネギっちと庭で遊んでた時に、庭師のおっちゃんの片付けた梯子、俺が勝手に持ち出して登って。落ちて怪我したんだよな。
[左目の下、今も残る傷跡を指でつつく]
え、おっちゃん来てんの!?
うわー、なっつかしいなあ!
[同じく大福を頬張るネギヤがウミの席を指し示すのを見て、歓声を上げた]
ねぇ、あの映画の女優さん、別嬪さんやったよねぇ。
○×出版さんが作品世に出してくれて、ほんまおおきにやわぁ。
[にこにことギンスイ、グリタに相槌を打つ。]
ウチ、ネギちゃんの書くお話しがほんに好きなんよ。
今度お茶でも飲みながら、ゆっくり喋らへん?
…「スパゲッティ・モンスター」で。可愛ぇお店よ?
[――既に信者であった。]
この屋敷の向日葵は、幼少のネギヤ坊ちゃまが最初に種を撒いたんですよ。
そしたら、毎年欠かさずえろう立派な花を咲かせまして。
[>>14弁護士と名乗る女性はネギヤととても親しげだ。
きっと彼女も、夏の庭に咲く向日葵を見た事があるだろう。]
そういえば、あたしの自己紹介もまだでしたな。
昔庭師を努めておりました、ウミと呼んでくだせぇ。
[名刺や自己紹介が行われる中で、ウミもひっそりと名を告げる。]
ええ、あたしがウミで、こいつがソラ。安直でしょう?
元はこの庭に迷い込んだ猫だったんですがね
餌付けをしてる内に懐かれて今に至るってわけです。
[>>22優しく名を呼ばれたソラは、老婆に顔を向ける。
ふんふんと鼻を鳴らした後に、にゃーお、と鳴いた。]
おっちゃんもまだまだ元気そうだなあ、よかったよかった。
なあに、泣いたこと無いのだけが自慢だぜ。
ネギっちも一緒にやんちゃしてたのに、今じゃ立派な先生だ。
あんな綺麗な弁護士さんたちと知り合いとか、たいしたもんだよなあ。
[再会を喜ぶ女性たちを見遣り、感心しきりに頷いた]
ネギヤ君の書いたのは「シュローデッド・リバース」しか知らないなぁ。
[飛び交うタイトルに首をかしげつつ、1年前のミリオンセラータイトルをぽつり。
そして大福を食べ終えると、ごちそうさまと丁寧にお辞儀をして立ち上がる]
日本茶飲みたくなるな。
ネギヤくん、お勝手かりるねー。
[そうして台所へ**]
[カードをバックにしまいながら]
まあ、スパゲッティとは洒落たお店ね。
普段は和食ばかりなので、たまには洋食もよいかもしれないわ。
え?入信?
[これはよもや町内会の回覧板で連絡のあったなんたら詐欺というやつではなかろうか。]
あの、えーと、あら!時計が直ったようですわね。
[誤魔化すように視線をそらした]
ん?ええと、時計屋さんだっけ?
[>38恨めしげな声に首を傾げる]
綺麗な花には棘がある、ってやつかね。
なになに、誰かひっかかったことあるとか?
あ、そういやネギっち先生、そっちの方はどうなん。
[幼なじみへぶしつけに問い掛けながら、二つ目の大福に手を伸ばす]
みなさんよくご存知で。
[ 「淡雪の乙女」の話題がひとの口に上れば笑顔となり]
ええ、「淡雪の乙女」の投稿された原稿を最初に手にとったのが私でして。
あまりに面白くて仕事のことを忘れ、ついつい夢中に読みふけってしまいました。
ネギヤさん大学時代、身近な人をモデルに映画脚本として執筆したといってらっしゃいましたが…
[ 絹のような肌を持つ女性をうかがい]
そう、役場の3軒隣の時計屋よ。
砂時計から日時計まで、何でも任せて。
おネギさんは、3分クッキングのおねえさんがタイプって言っていたわよね。
[口笛吹いてから、お茶をまた一口]
ネギさんの小説は何作か読みました。ちょっとは語れますよ。
「シュローデッド・リバース」とかより、デビュー時期の作品が好きっす。
発売まで内容秘密の新作の執筆にもとりかかってんでしたっけ? 雑誌掲載のネギさんインタビューで読んだ気が。
いやぁ楽しみっすね。
[ねえ?と家主へ視線を向けてから、モミジやヒナに]
みんなでスパモンで食事がてらだべりますか。
弁護士さんも行きますよね。片肌脱ぎ?の話とかお聞きしたいす。
[スパゲッティ・モンスター、略してすぱもん。信者かどうかは微妙なライン。]
[お湯を沸かしつつ、鼻歌を歌っている]
かわいいかわいいスパゲッティ屋さん♪
商店街のスパゲッティ屋さん
こんちはイカスミいかがでしょ
お店じゃかわいい店主さん
今日はまだまだいりません♪
[スパゲッティ屋さんの音が足りないようで音が駆け足になっていた。
お茶を煎れに来たはずが、デイリーユースの紅茶がカップに置かれていた**]
ウミじいちゃんもお久しぶりですわ…。懐かしいなあ。
オレオレ、ギンっすよ。
ソラ、ソラもおひさー。
[ち、ち、舌を鳴らしてソラへ片手を伸ばす。
ネギヤ宅の庭に迷い込んだ猫を見つけ、構いたがったくせ、
猫の世話のやり方も分からず、いつかの日に庭師に助けを請うた。]
ネギちゃんの作品って映画にもなっていたのねえ。
老眼で本を読むのも辛いのだけど、わたしも読んでみようかな?
あ、本にサインをもらってもいいかしら?
それと色紙にも書いてもらえると嬉しいわ。
[ネギヤに向かって手を合わせてお願いしてみた]
3分クッキングのおねえさん、少し饅寿さんに似てるすよね。
[改めて時計屋の品揃えに、我が社よりもニッチに応じてると思う。お茶を一口]
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