情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
[自分に何か力でもあれば、彼を殺さずに済んだかも知れない。しかし、そんな仮定は無意味だ。自らの気持ちの慰めであり、言い訳に過ぎない。
そう思えばこそ、落ちる言葉は謝罪だけ。
血で汚れたナイフを見つめるも、眉はやはり顰めたまま緩められることはない。]
……君は、ウルスラを傷つける言葉を吐くレイヨを見て、何とも思わなかったか?
君は、ウルスラと親しいはずだ。なのに何故、……彼を止めることもせず見ていられた?
[>>0 イェンニの制止に対し、ニルスが返すのは疑っていることを隠しもしない言葉。
どうしても荒む気持ちのままに発せられたそれは、常よりも低い声で響いた。]
……すまないな。
[>>2 気落ちしたかのようなユノラフに向ける謝罪と共に、僅かばかりの笑みを向けた。
しかし、彼の言葉が正しいとするなら、ニルスが手に掛けたのは人狼ではない。人だ。それはどうしても、ニルスの肩に重みとして圧し掛かる。]
しかし、男に「横にずっと居る」と言われても、あまり嬉しくないな。
……今日は私にベッドを使わせろよ。
[常と同様を装う口調で冗談を残し、ニルスは血まみれのナイフと服のまま居間の扉へ向かった。
>>5 そこに、ユノラフから掛かる声。手に持つ首飾りと、その表情から言いたいことは察せられた。つまり、「当たり」であるのだと。]
そうか……しかしね、イェンニ。
より親しい者を信じたくなるのが……情に絆されるものこそが人間ではないかと、私は思うよ。
[それは言外に遠回しに、彼女が人ではないのだと示す言葉。ニルスはクレストとウルスラの様子を窺うように、順に視線を向けた。
そうして今度こそ居間を後にする。とにかく今は少しでも休みたかった。
それに、ユノラフに話すべきこともある。ちらりとユノラフに視線を向け、同行を促した。**]
[クレストとウルスラを居間に置いてきたのは、彼らにも考える時間が必要だと思ったからだ。
ニルスは彼らを信じると言った。しかしそれは彼らがニルスを信じるということとは必ずしもイコールではない。
色んなことがありすぎた。故に、一度冷静になって考える時間が必要だと、ニルスは考えていた。
勿論、それは彼らだけではない。自分達にとっても同様だ。
>>35 自らはユノラフのように床に崩れることはなかったものの、ベッドに座り込んで身を清めるように勧められるまでナイフすらも握ったままでいた。
言われた通りに身を清め、シャツを着替えて戻ってきたユノラフを出迎える。
そうしてベッドに腰を下ろしたまま、椅子に座るユノラフに視線を向けて、ニルスは口を開いた。]
……私はさっき言った通り、ウルスラとクレストを信じようと思っている。
彼らは人狼ではないと思う。
しかし、明確な根拠があるわけじゃない。
私が信じたいと思う。ただそれだけなんだ。
だから、君にそれを強制することはない。
君が誰を信じるかは君の自由だからな。
ただ……出来るなら、私を信じて欲しい。
明日はイェンニに投票する。
もし人狼が一人ではなく、イェンニに投票しても誰かが死ぬようなら……私は、次はヴァルテリ殿に投票する。
いや、もし必要であれば…………
[自ら手を、と告げようとした言葉は途中で途切れた。
一つ息を吐き、首を緩く横に振って。]
少し、疲れたな。
[ニルスはごそりとベッドの中へと潜り込み、ユノラフに背を向けた。
約束を求められれば背を向けたまま、短く了承の返事を返して、眠りについた。]
[朝。
先に目覚めたユノラフが立てる物音で目を覚まし、昨日と変わらない手順で身支度を整えて廊下に出た。
漂う血の匂いは、すぐに鼻を突く。この数日で、随分と慣れてしまった。
その血の匂いが誰のものであるかを確認するより早く、>>38 ヴァルテリから声が掛かった。
つられるように、視線をウルスラの部屋へと向ける。
その言葉の内容も、ウルスラが死んだことを思わせるもので。]
……あなたは、もう見に行ったんですか?
[自分よりも随分と年嵩のヴァルテリに対し、慣れない敬語を使いながら問う。
>>37 今しがた部屋から出てきたばかりであるように見えたのに、死者がウルスラであると悟っているかのような物言いに僅かばかりの違和感を覚えながら。]
[イェンニからの返答を待つ間、居間に人が増える足音が聞こえて視線を向けた。
>>53 現れたクレストの手には黒板があり、その文字をニルスは読む。
その直後、僅かに表情は陰った。]
……困ったな。
それには、上手く答えられる気がしない。
ただ、気持ちの良いものでないことは確かだね。
[穏便でない問い掛けの裏には、何かしらの思惑があるのだろうとニルスは推測する。
しかし、それに口を出すことはしない。
自ら何かを選ぶというのなら、それは口を挟んではならないことだと思うからだ。]
私は、私がしたことを間違いだとは思わない。
しかし、……人の命を奪ったことは、一生付き纏う。
……随分と、重たい荷物を背負ったような気分だよ。
君こそ、意地悪だな。
……私がそんな糾弾をしたいわけがないだろう。
私はただ、知りたいだけなんだ。
君が何を思い、何を考え……彼女たちを、殺めたのか。
[自らが人狼であることを否定しようとしないイェンニの様子に、ニルスは小さく溜息をこぼす。
分かってはいても、信じ難い事実を突きつけられているという現実は、ニルスの気を重くさせるのに十分だった]
女性に、そんな酷い真似はしないさ。
……そもそも、人狼に性別の概念があるのかは分からないがね。
[数日前まで人だったというのは裏を返せば、今は人では無いということだ。
やはりユノラフの能力は正しいのだと、頷きを一つ。]
もし悲しみや苦しみがあったとしたなら……殺めるのを、止めることは出来なかったのかな?
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了