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303号室
[孝治は窓をみつめていた。景色ではなく、窓を。
そして徐に視線を戻し、一人呟く]
…あと、何日だろうな。
[自分にとっては普通のことだと思っていた。
ただ、…はもう。
自分は駄目なのだろうな、となんとなく思っていた。]
…歌、だな。
[階下の方から、歌が聞こえる。
今日もか、なんとも思うのだけれど、
その声は澄んでいて。]
俺は、ここで…か。
[記憶を思い返してみても、思い出すのは学校よりも病院の記憶。
なんせ1年を連続して学校に行けた試しがない。
小児科の人にはお世話になった。
今もこうやって、お世話になっているし
。]
まあいいや…どっか行くか。
[特に当てもないけど、と呟きつつベットから起き上がる。]
3階・廊下
[部屋を出て、特に意図もなくただ歩く。
部屋の外出は一応許可されていたので、それが…の日課になっていた。]
とは言ってもなぁ…話す相手が居るわけでもないんだし。
[そう呟いてから、窓の方を向いた長椅子に腰掛けて。
部屋から持って来た本を読み始める。
小説も好きなのだけど、もう読みきってしまったし。
日本のこれからの発電として有力なのは地熱発電でしょう。現在推定されている資源量は2054万キロワットとなっており、世界3位となっています…
]
…こんなこと知っていてもな。
[今までなら読み続けていたのだろうけど。今の…にとってはもう、どうでもいいことだった。
直ぐに本を閉じ、空を窓から仰ぎ見る。**]
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