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今年も狐雲が出ている
[変わらず夏が来た
変わったのは村人の一人が何処もなく消えた事
神隠しと人は言う
でも青年と犬にとっては変わらず来た夏祭りの日
茶色の毛並みの犬は相変わらず、赤茶色の髪の青年の横に座り、「ワン」と鳴いた]
今年も誰かがいなくなるのかな、ポチ
神隠しの導き手は――
[また変わらず、空を見上げる**]
どうしたポチ
[空を見上げていた青年の横で犬が落ち着きなく、飼い主の手首をペロペロと舐める]
大丈夫だよ
これはいつの間にか出来た痣
去年の神隠しが起きた後から段々濃くなって来た
痛くも痒くもない
[それは握られた後のよう]
これはまるで人引きの印のようだ
神隠しの邪魔をする人引き呪いをする輩は許せない
[遠い何かを見つめて、それは狐雲より遠い何かを――]
さて行くか
今日は本当はダメだが焼き鳥食わしてやるよ
[犬を一撫ですると立ち上がり神社の階段を上がる]
俺も今年もたんと食うぞ
[階段で立ち止まり、振り返る]
……
よぉ、相変わらず正装だな
少し考えていたんだ
神隠しに遭った人間はどんな所に行くのかなとな
ああ、神隠しの担い手が悪い奴じゃないって知っているから悪い場所ではないと分かっているからな
[ニイと笑った]
そりゃいいな
呼ばれたくても行けない奴の代わりに行くのも悪くはない
ああ、でもポチを置いてはいけないな
[犬が「ワン」と吠える
青年はトントンと階段をあがる]
――――さまのいうとおりっと
[ニイともう一つ]
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