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-ファーストフード店-
マジでヤバいってば。
…え、違う違う。数そんなにないもん。
[携帯を耳に当て大きな声で会話をする学生]
あぁ。ユリカは無理。
カレシがうるせーって愚痴ってたし。
[けらけらと口を開けて笑い]
なぁにソレ。ありえなくね?
ていうか、マジ無いんですけど。
[時折、気付いた様に飲み物やポテトを口に運ぶ]
そうだよ。見たいっていうから譲ったのに。
バっカじゃねーの。それなら返せって言うし。
[頷いたり、笑ったり、怒ったり]
[くるりくるりと表情を替え乱暴な言葉を紡ぐ]
マジ、ああいう所が好きになれない。
アンタ何様?…とか思わない?
思うっしょ? ね、そうだよね?
[ね?ね?と、電話の向こう側へ同意を求め]
[土曜日も夕に入ろうかという頃合。
仲間同士わいわいと食事をする同級位の男子達、
何処か疲れたように珈琲を啜る中年男性、
あまり雰囲気の良くないカップルや、
子供の口を面倒そうに拭いている母親、など。
いつもと大差の無い日常が店内に流れている。]
とにかくもう…ぜぇぇぇったいに、
アイツに譲ってやったりしない。
[ど、っと握った拳で軽くテーブルを叩き]
アタシだって、めっちゃ行きたかったのにー!
[ゆるゆると首を左右に振り]
しかもあのイベ、レコ発なんだよ?
……マジ、死んじゃえよぉぉ…
[悲哀をありありと浮かべ]
[テーブルの上へ前のめりに突っ伏した]
[ゆっくりと上体をテーブルから起こし]
話してたらどんどんイライラしてきた…
[吐き捨てる様に呟いた]
―――、今、暇?
……てゆうか、暇でしょ?
[怒りをそのまま向ける様な問い掛け]
カラオケ。
[ぽつり目的を零し]
カラオケ行こうよ。
[トレーを持って席から立ち上がる]
[ゴミを分け捨てて、トレーを台の上部へ]
ヤダ。ダメ。行こう。
[その間も携帯は頭と肩で挟む様にして会話続行]
やーだー。いーこーうーよー。
イマリ、寂しいと死んじゃう。
いきたい、いきたい、いきたいー!
[手に携帯を持ち替え、駄々を捏ねた]
…ひっ、酷っ。
死ね、とか簡単に言うもんじゃない!
あんた、親からそう言われなかったのか!
[色々と棚にあげ、怒った振り]
でもアタシ知ってる。
トモコは優しい子。
[至極、真顔で電話の向こうへ]
そんな事言いながらも来てくれる。
駅前のいつものトコ。
[何処かカタコトめいた言葉を紡ぎ]
アタシいつまでも貴女の事待ってるの。
ちょーーー待ってる。
[てこてこと足は店外へ]
……え、マジで来れないの?
[相手の返答に、本気と心配気な表情]
[矢張り、通話は*続行したままで*]
-自宅-
ただいまー
[玄関の扉を開け、声をあげる]
[灯りは一つも点いておらず人の気配も無い]
つっ、かれたぁ
[靴を脱ぎ、そのまま居間へ。灯りを点け]
ふぅ
[鞄を側に置き、ソファに座った]
あー
[ソファの上にあったクッションを腹部辺りに抱え込み]
――。
[テーブルの上のリモコンに手を伸ばす]
[テレビの電源を入れ、画面を見つめながら]
[髪留めを外し、ふるふると首を振った]
[テレビの中ではコメディアンが楽しげな会話を展開中]
――。
[それをぼんやりと見つめては]
あははは
[その流れに笑い声を上げたり]
うっわ、キモっ
[言葉を投げかけたりして]
――。
[テレビを堪能している様子]
[しかし突然、ソファから立ち上がり]
お風呂入ろ
[すたすたと自室へ]
あーしたーはやーすみー♪
[妙な歌を歌いながらも着替え等を用意すれば]
…どうしよっかな
[其れを手に*お風呂へと*]
-自室-
……っ
[開かれた瞳は何処か不機嫌で]
…ぅ
[寝癖でぼさぼさの頭を撫でながら]
……!!!
[がばり、と起き上がり頭上の携帯に手を伸ばす]
…あぁ、休みだ…
[そうだった、と零しながらのそのそと]
[再度、倒れ込みもそもそと布団に丸まり込む]
[デジタル表示は15時も30分を過ぎようとしていた]
――。
[もう、愛おしい日曜日も8時間と30分程度である]
ぁー
[ごろごろと左右に小さく転がり]
日曜がぁー
[どうにも損をした気がして零してしまう]
[受信メールが2件、マーク点滅で自己主張している]
…誰だろ
[かちかち操作][送信者の名を見れば]
トモコと……アカネ。
[ちっ、と舌打ちした]
バカ女…。
[毒を吐きながらも矢張り気になるのか]
[アカネ、と示された方のメールから開く]
[かちち、と文面をスクロールさせ]
…は?
[思わず首を傾げた]
…へ?
…何か、トモコが言ってたのと話違くね?
[「?」が頭上に複数浮かんでいる]
………。
[不機嫌に唇をとんがらせて考え込み]
[とりあえず、とトモコのメールを開く]
……あぃス。
[メールを見て、妙な相槌を打ってしまった]
[詰まる所、文面を要約すれば"昨日はお疲れ!"だ。]
……。
[かちこちと返信メール作成]
…愛も込めちゃうか。
[昨日のカラオケのお礼と]
[文面の最後に絵文字のハートをたっぷりつける]
はっはっは
[棒読みな笑い声と共に愛情送信]
[そして再度、アカネのメールを開く]
なんじゃ、パパンが急病って。
胡散臭せー。
[言い訳の内容に矢張り苦い顔は隠せず]
カレシのライブに行ったんだろー
[一人、文面に対しツッコミを入れる]
絶対嘘だ、こんなの
[嘘だ、と思うものの]
………。
[もしも事実だったら、と思う部分も有り。]
[文面と睨めっこしていると]
[唐突に携帯がピピピと音を立てる]
…お
[どうやらメールを受信した様で]
[一度メニューまで戻り、最新メールを開く]
…はっ
[送信者は"トモコ"と記され]
…テレ屋だなぁ
["キモい"の文と絵文字のみ]
[その返信内容に、にたにたと笑う]
───────────
to:トモコ
sub:へいゆー!
───────────
H/K、聞いて欲しい!
アカネから連絡きた。
パパンが急病だったとか
トモコ様のお話と違う!
純粋なイマリには
どれが本当でどれが嘘か
全然わかりません
どうなの、トモコ!
───────────
[矢張り文面はゴテゴテに、絵文字交じりで]
[返信を待つまでの間に、布団から起き上がり]
[ばたばたと布団を畳めばタンスから着替えを出し]
っ、と
[いそいそ着替えを済ませてしまう]
…どこだっけ
[きょろきょろと髪留めを探し]
あった
[見つければ髪を大雑把に結って]
[携帯片手に自室を出て、居間まで歩いて行く]
-居間-
おっ
[居間へ入るのと同じ位のタイミング]
はいはいはーい
[ぶるぶると震える携帯]
なんじゃろな
[ぱかりと開き、受信メールの確認]
───────────
from:トモコ
sub:Re:へいゆー!
───────────
有り得ない
アカネのお父さん見た!
昨夜だよ?
滅茶苦茶元気だったよ
家の前で素振りしてた
私、挨拶までしたもん
ていうか、嘘つくな。
純粋とかどの口が言うか
───────────
[かちこちとスクロールさせ、真顔で覗き込み]
───────────
to:トモコ
sub:ゆーゆーゆー!
───────────
このクチ!
アヒルちゃんの様であり
ぷりちーでカワユイ!
…ごめん、言い過ぎた。
パパン見たのね。
情報ありがと。
アカネめ!
このイマリ様を騙せると
思うてか!許せないね。
ていうか、何度目?(笑
───────────
[打ち込みながらも苦笑い]
[本当に何度目のしようもない嘘か、と]
―夜の川辺―
……ダメね、来ないわ…。
いい加減寒くなってきたし…最悪。
[いつもの川辺。
そこに夜の闇がいつものよう影を落としている。
川に映り込む街灯の明かりは風が吹くと、水面と同じく揺れた。]
無料の掲示板とか…。
そんなのに期待する方がダメよね。
いらない好奇心だったわ。
[友人に進められた出会い系の掲示板。
無料です、と掲げられた陳腐なそれに騙されたという思いが強い。]
せっかく…同じ趣味を持ってる人と友達になれると思ったのにな…。
うちの学校、つまんないもん。
レベル低すぎ。
[1人で呟くも夜の水に吸い込まれていく。
答えなど返るはずもない沈黙に空を見上げた。]
塾サボちゃった。
………塾もレベル低いし、別に…いっか…。
帰って勉強しよう。
[立ち上がり、夜道を家へと向かって歩いていく。]
-藍住中央公園-
そうそう。
[ベンチに座り、こくこくと頷いた。
レストランの帰りに此処に寄り、座ってから。
もう1時間以上も経過している。]
だからさー、アキトくんのせいでもあるわけ。
はっきりしないんだから。
其処はアタシからびしばし突っ込もうか?
[にたにたとからかう様に笑い、話を続ける]
…無理?
なぁに、純情ぶっちゃってさー!
[びしぃ、とベンチを叩き手には変わらず形態電話]
アタシ、こう見えてもキューピッドだよ。
恋愛成就率90%!!
凄くない?
…凄いっしょ?
[携帯を握り見えぬ相手に身振り手振り]
だーから、任せときなって。
アタシからびしーっ!と煽ってあげる。
まず、あの手のタイプの男はプライドを
ちょこちょこーっと擽ってだね。
少しでも態度が崩れたら。
一旦、引いた位置から弱い言葉を投げて、
相手の揺れを監視。少しでも揺れたら…
今度は逆のことでもしてやろうかしら。
男でも呼び出して、待ち合わせ場所が見えるカフェででも時間潰して。
その男で遊んでやろうかしら。
[携帯をいじりながら笑う。]
くすくす…、馬鹿で遊ぶのも楽しいかもしれないわね。
[公園の中を通り抜けようとした時、大きな声が聞こえて眉をひそめた。]
………バッカじゃないの?
そんな大きな声出して。
[その声の主を探すと同じ制服を着た姿があったか。]
[しかし唐突に突っ込まれ狼狽する]
…へ?
あ、あぁー…
うん、あの、ね…失敗もあったんだ
[90%ということは即ちそういう事なのだ]
んまぁ、詳しくは言えないんだけど
でも、ああいうケースは稀だと思うよ
[知った様な台詞をしたり顔で言い]
[90%等と言うのも、もちろん嘘であるが]
だから、大丈夫。
イケるって自信持って、信じて行こ。
[あくまでも強気に言葉を紡ぎ続け]
??
[通話中、"馬鹿"という声が聞こえた気がした]
[反射的に反応してしまうも]
―― … は?
[巡らせた視線の先、声の主は此方を見ているらしく]
[睨むような形で相手を見据えた]
…何か、言った?
[制服から同じ学校の生徒、だろうか]
[暗がりで顔はきちんと確認できず]
………。
[相手に明らかに不機嫌そうな顔を見せる。]
(誰…だったかしら…。
同じ制服だし、もちろんうちの生徒なんだろうけど。
見覚えがあるっていうことは同じ学年なんでしょうね…。
あそこ通らないと帰れないし弱ったわ。)
[少しの間、その場所を見た後。
何もないかのよう通り過ぎようと歩き出す。]
[通り過ぎた時、声をかけらて戸惑う。]
別に。
電話で大声で話すなんて、みっともない、って思っただけよ。
[立ち止まって相手を見る。]
あー…思い出した。
勉強しなくていいの?上原さん?
[笑って問いかける。]
げ。
[通り過ぎようとした相手が此方に向き、
笑顔と共に嫌味な台詞を携える主の顔がはっきりする]
井上……
[思わず、げ、等と零してしまった]
ごめん、ちょっと後で掛けなおすから
[電話の相手に言い、電話を切ると]
……人生のお勉強中だから。全然おっけー。
そういうあんたこそ、何してんの?
[椅子から立ち上がり、小首傾げ]
………人生のお勉強ね。
参考になるかもしれないから聞かせてもらえないかしら?
[笑顔を崩さずなおのこと笑う。]
私は塾の帰りよ。
センターは年明けてすぐだもの。
どこかの誰かさんみたいに遊んでる暇ないわ。
[さらりと嘘を重ねてみる。]
["センター"の単語に言葉が詰まる]
う……
[それでも悔しいのか]
別にアタシは受験しないし。
服飾の専門いくから関係ないしー。
[曖昧な進路を強がって主張]
塾の帰りねぇ…。
こぉんな遅くまで、お疲れ様!
[天敵とも呼べるタイプの人間に精一杯の笑いを向け]
ただの恋愛相談だよ。
くっつきそうな二人が居るから、
アタシがキューピッドになってあげようって話。
イマリちゃん、素敵すぎるから。
あんたのも、誰か居るならくっつけてあげよっか?
[微笑みは崩さぬまま問いかける]
………ふーん。
[服飾の専門学校にいく、という言葉を聞いて興味がないと言わんばかりの返答を漏らす。
時間が気になるのか携帯を取り出した。
携帯がブルブルと震えると電源ボタンを押して、そのまま片付ける。]
キューピットね。
無理にくっつけたって意味ないと思うけど。
くっつきそうなら、自然に任せるべきだと思うけど。
[笑った顔は既に崩している。
無表情でそう相手に告げた。]
[相手が携帯を操作するのを何と無しに見る]
わかってないなぁ。
くっつきそうでも、一押しが必要なの。
必要でないならそもそも!
[び、と人差し指立て]
イマリちゃんの所に相談に来たりしない!
[ち、ち、と左右に振った]
まぁ、半分位は話を聞くだけで
本人の中で答えが出てたりもして、
ふんぎりついたりするんだけどね。
[手を振り振り]
[もう一度背広のポケットを確かめるが、やはり携帯電話は出てこない。
溜息混じりに額を押さえて、ベンチの下とかを覗き込む。]
…ここじゃないなら、何処だ?全く…
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