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─ 駅前広場 ─
……遅い。
[その呟きは、これで何度目だったか。
最早自分でも、覚えていない]
……今、何時だと思ってんだよ、ったぁく……。
[イライラしながら呟いて、ポケットから携帯を引っ張り出し。
かけよう、と思うよりちょっとだけ早く、着信音が鳴り響いた]
お、ま、え。
人呼び出しといて、今、何時だと……!
ああ、寝坊したあ?
……てめ、これでキャンセルまた後日、とか言うなよ、絶対言うなよ?
こっちは休み、思うように取れねーんだからな!?
[低い声で言い放ち、ぷつり、電話を切る。
携帯はポケットに戻して、代わりに煙草を引っ張り出して火を点けた。**]
……っとにもう、あんにゃろは。
─ 自宅 ─
[けたたましく目覚まし時計のアラームが鳴る。掛け布団の中から手を伸ばし、ストップボタンを押しながら時計を掴みあげて傍へと引き寄せた]
───……や、べ。
[時計は予定の時間を大きく過ぎている。昨夜夜更かしをして、一度目のアラームを止めて二度寝した結果だった。
ゆっくりとした動作で布団から起き上がり、雨戸から零れ届く陽の光に視線を遣る]
……怒ってんだろうなぁ。
怒ってないはずがないよなぁ…。
[気まずげに言って、座卓の上に置いてあった携帯を手に取ると、アドレスを呼び出して通話ボタンを押した]
─ →駅前広場 ─
祐樹。
[向かった先に居た目的の人物は、傍目からも苛ついているようだった。拙いなぁと思いつつ、相手の名を呼ぶ]
悪い、待たせた。
侘びと言ってはなんだが…。
[そう言って、持って来た紙袋を差し出す。中にあるのは、この時期だけ店でも出している手作りの柏餅*だった*]
―自宅―
もしもし、みーちゃん。ゴールデンウィークなのだけど、一日だけでも帰ってこられない?
お母さん、何日間かお店をお休みすることにしたのだけど…
お父さんも、ひろ君も、あなたに会うのを楽しみにしているわよ。
[受話器の向こう、しかし、返ってくるのは、申し訳なさそうな否定の返事。]
…そう。そういえば、教育実習なんてあったわね。
[子どもたちがどれだけ可愛いか。毎日の生活がどれだけ大変で、充実しているか。
生き生きと話す声に、それ以上帰郷を促すのはわがままである気がしてくる。]
…そうね。がんばって。あなたなら、きっといい先生になれるわ。
ふう…
[アルバイト、サークル、レポート、そして、教育実習。
電話の向こうの話に嘘はないと思うのだが、果たして彼女が最後にまともに帰ってきたのはいつだろうか。
受話器を置いて、そんなことを考える。]
どうしちゃったのかなー…
[自分が会いに行けば、とてもうれしそうに迎えてくれて、甘えてくれる。だから、疎まれているわけでも、嫌われているわけでもない。そう信じたいけど、]
あ。はーい。
[子どもの声が自分を呼ぶ。]
ごめんね。おかあさん、話しこんじゃって…
[ばたばたと、お弁当と、水筒、おしぼり、プラスチック製のラケットと、スポンジのボール、それから、貴重品やハンカチなどの入ったかばんを持って、帽子をかぶって、玄関に。]
そう、みーちゃん。せんせーになるために、頑張っているんだって。
おーえんしてあげなくちゃ、ね。
[ひざを折り、息子と視線を合わせて、]
うん。じゃあ、いきましょーね。
わすれものは、ないかなー?
[手をつないで向かうのは駅前公園**]
……お、今年もやってんだ。
[差し出された袋、受け取った感触から中身は察しがついた。
ほんの少しだけ表情が和らぐのは、甘い物好きだから。
その辺りは、付き合いの長さから良く知られた事ではあるが]
……釣られる訳じゃねーけど、いつまでも言っててもアレだし、遅刻の件はチャラにしとく。
で? わざわざ呼び出すとか、なんかあったんかよ?
[首を傾げながら問いかけたのは、呼び出しの理由。**]
―駅前広場―
いいおてんきねー。
[適当なベンチに座り、二人で、市販のふりかけを混ぜ込んだ色とりどりのおにぎりと、ミートボール、タコサンウィンナー、それから、母直伝の、しらす干しとネギのはいった塩辛い卵焼きというお弁当を食べて、]
ぽーんぽんしよっかー。
[持ってきたラケットとスポンジボールを取り出した。]
ん? ああ、呼び出した理由、か…。
いや、その、な。
こんなことで呼び出すのもどうかとは思ったんだが…やっぱ直接話した方が良いかな、っつーか何で俺がこれを切り出さなきゃならんのだ、って気もあるんだが俺も無関係ではなくてだな……。
[歯切れ悪く言葉を紡ぎ、視線は上下左右と彷徨う。それだけで切り出しにくい話と言うのは見て取れるだろう。もしかしたら嫌な予感も与えたかもしれない]
だから、だな。
その。
お前に俺の妹との見合い話が出てんだが、どうする?
[時間をとって決意したか、はたまた先を促されて口にしたか。どちらにせよ、爆弾発言のような内容の言葉が紡がれた]
近所の見合いババアがさ、良い歳なんだからきちんと相手見つけて所帯持てって俺達の年代の独身連中にばら撒いてんだよ。
それでお前のところには俺の妹に白羽の矢が立ったっつーか。
勿論俺にも見合い写真来てる…。
[事情を説明して少しどころではない遠い目をする。妹とは2つしか歳が離れておらず、祐樹も全く知らない相手ではないため、見合いも何もあったもんじゃないのだが]
ああ、断るならバシッと断っても良いぞ。
俺の方から言っとく。
[こんな呼び出し理由に相手はどんな顔をしていたか。話をする間、自分も盛大に呆れた表情をしていた*はずだ*]
あー……ひまぁ。
[欠伸のしすぎで溜まった涙を袖口で拭った。
暇と言いながら他にすることもないのか、ポケットから携帯音楽プレイヤーを引っ張り出し]
?
[掛かった声に瞬いた]
[声の方を見る。
先程まで子どもと遊んでいた筈の母親がこちらへ向かって来ていた]
んー、なんか謝られるよーなコトしたっけ……?
[寝惚けた頭に疑問符を浮かべ、足元に目を落とせば小さなボールが一つ]
あ、そゆコト。
[それで合点がいった]
[取り出しかけたプレイヤーをしまい、空いた手でボールを拾って]
ほい、と。
[姿勢を正した時、相手との距離はどれくらいだったか。
軽く投げるか、直接手渡しか、とにかく渡そうとした**]
―― 数日前・自宅 ――
えーっ?
おばあちゃんが?
大丈夫なの?
[仕事から帰って告げられたのは少しばかり離れた場所に居を構える祖母が足の骨を折ったとの知らせ。]
それならよかったけど……。
また元気なつもりで無茶したんでしょ。
[命に別状はなく、本人もかくしゃくとしたものだという母親の言葉を聞き、ほっと息をつく。
明日にでも病院を訪れようかと算段していると、どこか浮かない母親の顔]
どうしたの?
……あー、風音荘か。
[祖母は自宅から通うのが難しい学生のために昔ながらの下宿を営んでいた。]
[案の定、母親の懸念はそれだったようで。]
食事の準備とかいろいろあるものね。
[仕事はあるもののそこは小さな店のこと、事情を話せば融通はきかせてくれるだろう。]
お母さんも仕事そうそう休めないでしょう。
交代でするしかないわね。
[祖母は何度一緒に暮らそういってもあの海辺を離れようとはしなかった。
入院中も気にせずにはいられないだろうから。]
すみません、ありがとうございます。
[職場へとかけた電話は快く受け入れられ、むしろ心配をかけてしまったよう。
電話を置くと、忙しくなりそうだと、ふぅと息を吐いた**]
ったく、あのばーさんも、俺の仕事なんだと思ってんだか……。
[遠い目しながら呟いて、それから]
……そういうお前はどーすんだよ、貢?
[ふと浮かんだ疑問を投げかけてみた]
― 海辺の道 ―
……そうそう、そこでストップ。
大人しくしててよ。
動かないでよ ね。
[カメラを構え、そうっと忍び足。
ほんの僅かでも音でも立てれば逃げてしまうとでもいうかのように。
今の所被写体は沈黙を保っている。
―――今のうち。今のうちだ。]
…………あ。
[カシャッ。]
[シャッター音とほぼ時を同じくして、ひゅうと風が駆け抜けた。レンズの先を睨んでいた瞳がぱち、と見開かれる。]
ああ、 ぁ。
[掻き乱された癖っ毛を整えもせず、溜息吐いて肩を落とした。緊張の糸だってもう、切れた。
爽やかな葉擦れの音色や新緑の香りすら、今は少し恨めしい。]
も、毎回毎回。
こんなに言う事聞かない子は、キミが始めてだよ。
[被写体は、何食わぬ顔で風に戦いでいる。
責任を問うべきは風であり、被写体に文句を言うのはお門違いであるのだが。
それよりも何よりも、海辺に続く道の一角で、何の変哲も無い一本の木に話しかけ、指差して怒る自分の方が余程奇異だなどとは未だ思い至らぬのだった。*]
─ 学校 ─
…は?
ねぇ、それって本気で言ってる?
[スマホから聞こえる声に眉を寄せ、不機嫌に問う。
学内での携帯使用は禁止されている為声量を抑えなければならないのだが。]
ちょっと、待ってよ父さ、
って切るな!こら待て親父!!!!
[暖簾のようにのらくら言いたいことだけ一方的に言われた挙句きられた通話に、思わず声を荒らげてしまった。]
─ 学校 ─
まじで切りやがった…
[耳につく不通音に舌を打ち、即座にこちらからかけた相手は電源を切っていた。]
言いたいだけ言ってこっちの言い分ガン無視ってことかよ!
あんっのくっそ親父、しんじらん…コホン?
[多機能携帯を握る手と声を怒りに震わせ毒づく。
早い話怒りに我を忘れているのだが、背後からの咳払いによって現実に引き戻された。
ぎぎぎ、と音が出そうな程ぎこちなく振り返るとそこには風紀指導の教師が良い笑顔で立っていた。]
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