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[さあさあと、世界を煙らせ雨が降る。
予定されていた雨だ。今日は雨と決められていた。
人々は、管理された世界で緩やかに衰え始めている。
コンピューター・システムが、
世界と人々を制御するようになって久しい。
管理の証に、人は右手首に端末を嵌められていた。
リストバントのような形をしている。
ごつい腕時計のようにも見える。
それらに全ての情報を詰め込んで、
全ての情報のやり取りも、これでまかなう。
個人の端末は、メインコンピュータに繋がれている。]
[穏やかで退屈な、汚された世界。
そんな世界にヨシアキは暮らしていた。
不満はさして大きくはない。
ずっとこうした世界であったから、このようなものだ。
家族もいれば友人もいる。
日常は大過なく過ぎていく。それだけだ。
緩やかに滅び行く世界。
けれども滅びの時は未だ至らず、
人々の時間は緩慢に延ばされているはずだった。
───その、はずだったのに。]
[突然の音に、人々は頭上を振り仰いだ。
空がゆっくりと落ちてくる…いや、違う。
頭上から何かが、燃え盛る隕石が降り注いでくる。
轟々と音を立て、死を齎すものが落ちてくる。
これは───…、”予定外”だ。]
[ヴィジョン]
[灼熱の岩石の塊が、人々の頭上に死を齎した。
いや、ここだけではない。
そこに、かしこに、惑星の上に、───否。
世界で星が、星々が衝突をしては砕け散る。
驚愕に見開いた目に、禍々しいほどの炎が映る。
せめて防ごうと、人が儚い防御の形に腕を振り翳す。
ひどく唐突に、理不尽に狂った物理法則が、
人々と世界を滅ぼそうとしていた…*]
─ 水流れる柱 ─
…っ、今の……
[突然、前触れもなしに視界が変わった。
呆然と辺りを見渡す。ゆっくりと腕が降りる。
思いついて腕を見てみた。火傷を負った様子はない。
あたかも全ては幻であったとでもいうように、
炎の痕跡も、煙の痕跡も何もない。
見えるのは炎の対極にある、水の流れそれだけだ。
頭上に広がるのは青い空の色。
見たこともない風景に、声を失う。]
世界が…壊れる。
世界を…壊す……?
[意識せぬまま呆然と、言葉を口の中に繰り返した。
脳裏に響く声が途切れたと思うや否や、
右の手首の端末が、メッセージの着信を知らせてくる。
驚いて袖を捲り、表示を確認する。
フィルム・スクリーンに、Game Startの文字が瞬く。
ヨシアキは目を大きく見開いて、その文字を見つめる。
暫くの間凝然として、それを見ていた───**]
― とある一つの世界 ―
[その日もいつもと変わらない一日だった。
朝起きて、ご飯を食べる。メモを取る。
着替えて学校にいって、休み時間の合間におやつを齧ってメモを取る。
昼休みに、学食にいってご飯食べてメモを取る。
学校からかえってギルドにいって、おやつをもらってメモを取る。
ギルドで一仕事すましたあと、何時ものお店にいってご飯を食べる。メモを取る。
家に帰ってお風呂にはいったあと、お茶をのんでメモを取る。
布団にねころがって、そして一日が終る]
[みんな当たり前のように学校にいったり仕事したり、ギルドで依頼受けたり。
世界にいる魔獣たちがなんだか強くなっているとか。森の乱獲がすすんで今迄採取できていたものが出来なくなったりだとか。
どこかの国が戦争したがっているだとか。
そんな話はギルドの噂や、宿の商人たち、学校での話できいているけれど。
すくなくとも、マシロが過ごす周辺はそこまで物騒ではない。
まあ、あたまのおかしい人たちは増えてるらしいから、事件や事故やら自殺やらいっぱいあるけれど。
いつもとかわらないといえるだけの日常を送っている。
だから、マシロにとって、世界が壊れようとしているなんて、思いもよらなこと]
えー……どういう、こと?
世界が壊れる?
そんなに、ひどくなってたっけ……?
ていうか、神?
世界を壊す……?
[よくわからない。
ただ、なにかゲームをさせようと言うのだけは理解して。
ここに来る前のことを思い出そうとした]
えー、いつものよーに起きて、ご飯食べて……ああ、メモがきれたんだった。
それで学校いってー、ギルドにいく途中であたらしいメモ帳買おうとしてー……
[選んだのは深い赤に染められた手帳。
それが、ここに来るためのキーアイテムだとは思いもせず。
今手にしているのはその手帳と、ギルドに行くために持っていたナイフとか手袋とか。
あとは何時もの生成りのシャツに皮の胸当てと、青に染めたスカート]
あ、お金払ってないのに、もって来ちゃった。
[ぱらり、手帳を開く**]
― 私の世界 ―
[硬球を投げる。受け取るキャッチャーミットの音が、ぱしん、と響く。
いつもと何も変わらない、穏やかな日。
来年卒業、つまり今受験生の私は、前の夏の大会で部活を引退した。
でも、正直いきなり受験なんて言われてもよく分かんないし、……何より、部活以上に好きなことなんてなかったから。
だから、私はまだ、後輩たちに混じって野球を続けている。
昔は、「女子が野球なんて……」と言われていたみたいだけど、今はそんなのナンセンス。
男女の平等化が徹底された今では、男の子のスポーツ、なんて言われてたものを、女子も平気でしてる。
おばあちゃんには、まだ信じられないらしいけど。]
─ 彼の世界 ─
[特に何も変わった事も無い日常。
人々が同じ事を繰り返す波の中で生きているだけ。
僕もその小さい波の一部分でしかないんだよね。]
[小さく溜息をつきながら、出版社の玄関を後にする。
本を読む事が好きなんだ。そして創作活動も。]
僕も人を感動させれる作品が作れたらなって頑張ってきたけれど…何社も断られてるようじゃ駄目かな。
[強い陽射しに、顔を向けながら呟けば、一層陽射しは眩しく顔を照らし、一瞬その光に目が眩む。
閉じた目をゆっくりと開ければ、
そこはいつもの見慣れた日常の景色では無く**]
―存在する世界のひとつ―
[よその国からは
「麗しの国」「希望の国」などと称される
あるひとつの国家。
戦うことをやめたこの国は発展を遂げ
小さな子供が飢えることも病で死ぬこともなく
物も金も溢れている幸せの国だと、人は言う。
しかしその実態は、弱者が救われることはなく
善という美徳を持つ者が
報われることのない場所だった]
もう信じられない!毎日毎日!!
なんであんなことが平気でできるのか
ほんっとーーーに理解できない!
[道を歩きながら憤るコハル。
怒りの対象は、親友に毎日嫌がらせを続ける
級友たちだった。
親友はそれに黙って耐え、
コハルにも迷惑がかからないように
表で接触しないようにとさえ言ったのだ。
助けられない自分にも
怒りを感じずにはいられなかった]
[突然、手の中にあった携帯電話が鳴る]
もしもし……えっ!?
[電話の主は親友だった。
自分から表で接触しないように言っていたのに
どうしたのかと驚く]
『私、もう無理かもしれない』
[か細い声が機械を通して聞こえた。
その瞬間、電話が切れる]
ちょっと、何言ってんの!ねえ!
世界の終りですか。
それは気が付きませんでした。
常日頃、ひどく狭く、しかし、研ぎ澄まされた世界にいたもので…。
[首を傾け、袖を振る。
いつもそこに仕込んでいる音楽端末の重みは変わらない。そんなことにややほっとしたようなしぐさを見せてから。]
とかく、世を知るのは難しい。
[その世界では、棋界の魔王と呼ばれた男は、幾度が緩く瞬きをしたあと、正座を崩さず、そのまま佇む。]
[練習が終わって、濡れたタオルで汗を拭いて、服を着替える。
色んなものが機械化したけど、こういう単純作業はまだ全部、自分でやらなきゃいけない。
おばあちゃんが若いころの近未来予想図は車が空を飛んだりしてたらしいけど、そういうのはもうちょっと先の話みたい。
試験運用はしてるけど、実際に走ったりはまだしてない。
革の鞄にタオルと、ボールと、簡単な怪我の手当ての道具一式。
あとはノートに使ってる少し大きめの液晶端末と、個人認証データとか学生証とか、その他諸々が詰まってる手のひらサイズの液晶端末。
それから、おばあちゃんに持たされてる飴がいっぱい。
いつも通りの荷物が入ってるのを確認してから、端末の画面を付ける。
表示された時間を確認して、端末の鞄に放りこんで顔を上げたら……そこはもう、何だかよく分かんない場所だった。]
はい、皆さんお疲れ様でした。
明日の本番はしっかりね。
[古びて、けれど大劇場といわれる舞台でドレスリハーサル、
あたしの髪飾りが言葉と一緒にチリンと揺れる。
オペラグラス、ひらめく扇、紳士淑女達のさざめく声、拍手の音。
明日ここにひしめく筈のそれらはあたしにはいつものこと
あたしは舞台を降りても女優の仮面は取らないの。
けれど、今日だけはどうしてもそれを剥がさざるを得ない出来事
一瞬、舞台の奈落に落ちたのかとも思えたその時]
……えっ、ちょっと待って何の話?
ていうか、ここ……どこ?
[声が何処から響いてきてるのかとか、なんでこんなとこにいきなり居るのかとか、わけ分かんない事が多すぎる。
それを全部口にしてたらキリがないし、とりあえず何か重要そうな声に耳を傾けてみることにする。
世界を救うだとか、壊すだとか、死ぬとか生きるとか、……なんかどれもこれも、私には縁遠い言葉ばっかり、って感じ。]
世界を統べる者って……進路になるのかなぁ。
[だとしたら、ちょっと有難い気も、しないでもないけど。
結局、意味が分かるような、分かんないような。
そもそも、こんな現実味のないところでいきなりあれこれ言われたって、正直ぴんとこない。]
…え?
[舞台衣装のまま、気がつけば外は見慣れたそこではなくて。
あたしはきょとんとしてしまう。こんな顔、絶対人には見せないのに。
そして、人の気配に眉をしかめてしまう。
嫌なこと。眉間にシワがついてしまう]
なぁに、ここ…
[素の「あたし」が出てしまっても仕方ない。だって、何かご大層な、それこそ舞台セリフのような声が聞こえてくるんだもの*]
―――パァン
[銃声と共に跳躍する黒い影、
その黒くしなやかな肢体を弾丸が掠めた。
弾ける血色が、夜の闇の中に溶ける。
軽い音と共に草を踏みしめた四足、
後足をわずか引きずりながら獣は密林を駆けて行く。
湿った熱気にむせ返るような土の匂い。
南国の鳥のけたたましい鳴き声と羽ばたきに、
足音の行方は紛れるが、血痕までは消せはしない]
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