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箱入り娘 プレーチェは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
なぁカナメ、お前は俺の歳を知っているか?
[ぽつり、虚空に問う。答えは、やはり返らないけれど。ガラス張りの天井をもう一度見上げれば、そこには輝く太陽と、大空を舞う渡り鳥の姿があった。失人は問う。]
なぁカナメ、あれはなんだ?
なんで空を飛んでいるんだ?
なんで落ちて来ないんだ?
[記憶を失う。それにも程度があるらしい。眠っていた時間の差か、あるいは環境の差か、はたまた個人の資質なのか。むしろ最初から、記憶などないのかもしれないが。とにかく、失人には、世界の全てが新鮮だった。見るもの全てが、新しい発見だった。世界は、失人を強烈に惹き付けていた。]
[此方へ伸ばされる白い手>>122を不思議そうに眺めた。
プレーチェが男の黒髪へ触れたか触れなかったか――
僅かにも感触があったのならばそれは彼女のもの。
空気を震わせるプレーチェの声は、ささやかにも届いて]
…有難う。
すこし、眠れそうな気がしてきました…
[ゆるゆると穏やかに吐く息は、何も揺らさないけれど]
…浮気者かどうかは、さて…解りかねます。
[上目使いで見上げてくるペケレ>>123の視線を受けて、
ひとつふたつ思案げな瞬きを落とし…緩く顎を引く。]
「御目にかかりたい」…
そんな他愛無い気紛れは、"用件"に入りますかね?
[やがて墓碑が並ぶ傍、草地へ横になって寝入るペケレの
様子に、Knockerは空気を震わせぬ声を耳触りよく落とす。]
おやすみのキスなど捧げてはいけませんね?
[天真爛漫な眠り姫に相応しいのは、目覚めの――――。
そして今は心地よい眠りをと、上着を脱いでふわり掛け]
こんなに愉しそうな寝顔をなさるのですから――
[ペケレが目覚める頃には跡形もなく消えてしまう其れ。
Knockerは立ち去る。齎す暖かさばかりは*残るといい*]
[ こつ こつ こつ 石畳を歩みゆく靴音。]
[ こつ こつ こつ 草地を踏む筈の靴音。]
[其の存在は空気を震わせず――然し聴こえて]
…もう1度眠ったら、
もう1度忘れられるのでしょうか?
[握りこむ鍵は白く、跨ぎ越す時ほどに軽い。]
[一歩後ずさり、寝そべるペケレの全身を一度に視界に入れる。
もう一歩下がり、かけられる上着の動きを瞬きもせず見つめる]
おやすみ。
[先ほどと同じ言葉は、右手の指先をあたためるかのように零された。
二人から視線を逸らし、震える指先で赤い唇をなぞる]
[墓碑の見える方へ視線を戻すと、そこにはもうKnockerはいなかった]
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