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俺は
[文字はゆっくりと打ち込んでいく。]
鬼を 敵とは思っていない
同じ 世界を背負った 存在だ
[だから、と打ち込んだ文字はそこで止まり
Backspaceで消していった。]
……うん。俺も後悔はしたくない。
俺が守れるのは自分の世界だけで、
でも助けられる世界ならば、きっと他にも……
……って!?
[細い指が伸びてきて、頬を抓られた。
慌ててクルミを見返して、その表情に眉を下げる。
悲しんでるのだか笑ってるのか、分からない表情になった。]
俺、多分、クルミの世界にも壊れて欲しくないよ。
[2階のフロアについた頃、開店前の準備か店員がちらほらと姿を見せ始めている事に気付く。
目的の人物を探す為、タブレットへ視線を落とす。]
「**分後 2F 1stと3rdと会う」
ここにいるのか、
…1st。
[相手にも似た未来が更新されるだろう。
どこにいるのだろうと、フロアの売り場と売り場の間の通路を歩き始める。]
[手帳に浮かび上がる文字を見る。
ネギヤがグリタに伝えた言葉に、なるほどと口の中で呟いた]
じゃあ0thを狙ったのは、とりあえず無力なところからってことかな。
[逃げていた様子を思い返して書き込む。
続く文字にゆるりと瞬き]
同じ、か。
考えはわからないでもない、けど。
生きるか死ぬかの争いなのに変わりはないよ。
[消された文字は浮かび上がることはないから、続きがあるとは思わない]
[マシロからの返事に、ふ、と口許が緩む。]
強いな、マシロは。
[口の中だけで小さく呟いてから]
弱そうな女から狙うなんて卑怯な鬼だな
[たん、と素早く打ち込み、続いた言葉たち。
目を落とした後に、]
4thは 鬼かもしれない
ただの、男の 勘だがな
[鬼ではなく、人を選んでいたような
彼の態度がずっと引っかかっていて。
彼の行動の信念なのかもしれないけれど、
それ以外の何かがあるとするなら ――と。]
…クルミ、ちょっと。
[右手を示してみせる。
袖を捲ってモニターを確認すれば、日記が更新されていた。]
”*分後、2Fフロアで10thと出会う”
10thがこっちに来ているみたいだ。
気をつけて。
[彼女が既に10thと面識あることは知らず、
声を掛けて辺りを見回した。]
[カノウくんが驚いた様子に、私は笑う。
さっき人が死んだばかりなのに、この場に漂う穏やかな空気は、それを忘れようとしてるみたい。
でも、そんなの長く続くわけもない。]
……大丈夫。
簡単には、壊させないよ。
卑怯だけど、確実な手だね。
それに、鬼に弱いのが混じってたら、ごまかしにもなりそう。
[そんな書き込みをして、ちらりとネギヤに視線を向ける。
それからまた文字を書いた]
4th……うーん、開始してからあってないしな。
会う事があったら、気をつける。
[グリタが言うことに理由はあるのだろうけれど。
ゲームが始まってからあっていないからどうか分からず。
日記でその動向をしることもないのだから、尚更で。
だからそんな返事を返した*]
― 屋上 ―
[アンの胸にはナイフが突き刺さっていた]
××××…!!
[意味をなさない叫びを太った男は上げ、彼女の頬を叩く]
[彼女は反応を示さない]
かわらなかった…!
[普段ならば。「お悔やみもうしあげます」の一言で済む。
彼女は不滅だから。
でも、今、彼女の命とともに、彼女の世界もまた失われていった]
[口の中に血の味がにじんだかと思えば乾いていった]
ん……?
[示されるままに見たカノウくんの右手。
そこにあるモニターの文字を確認して、私はちょっとだけ、眉を寄せた。
悪い人だとは思ってない。けど、警戒しちゃうのはやっぱり、ソラさんとの遣り取りのせい。
それと、下ネタも。]
……おじさん。
[私が呟いた声と、カノウくんの視界におじさんが入るのと、どっちが早かっただろう。
私の日記には、『10番さんと1番さんが遭遇したよ!』って、書かれてた。]
ああ。そうだな。
ソラは強いし。
[きっと一緒にいれば大丈夫だろう。
細い指先が頬を離れていく。
ほんの僅かな温もりが、今は何だか随分と大切に思えた。]
[日記は、1日目の供述が変化していた。
あがらなかったはずの風船は上がり、ネギヤはそれを目撃した]
[いなかったはずのマシロもいて、そして]
クルミ……が。
そうか、彼女も、知って、るから
[盗み聞きをしていた内容だから]
[そっと彼女の目を伏せさせ――]
おいらはしばらく、ここにいる。
風船の、出所。
ナイフの存在。
下手人は、いろいろ残していってるから。調べるんだな。
[日記を拾い上げる。こちらもあわせて破壊されていた。
ぎゅうと、自分のオレンジロゴのタブレットを持つ]
[フロア内を見渡すには長身は役立つが、
相手からも見つけやすいだろう。
婦人服売り場へと足を踏み入れてると、]
…逢引中悪いね、ご両人。
クルミは案外、面食いだな。
[ポールを縦に持って肩に掛けるように持つと
左手の指輪にあたり、こつ、と鳴る。
茶のコートと帽子を被った姿で2人を見下し]
俺は、10th。宜しく、1st。
[10thが現れる。
その姿に、クルミと少し離れて立つ。
男の長身に目を眇めて、彼女を庇う位置を占めた。]
逢引中と思うなら、遠慮すれば良かったんじゃないか?10th。
…はじめまして。1stだ。
[名乗らなかったのは何のことはない。
向こうが名乗ってこなかったからだ。]
ここに、用があったとは思わないけど。
[ぐるりと示したのは婦人服売り場。
彼が物を調達しに来たとは思えない。
つまりは、彼はわざわざここに会いに来たのだろう。]
[
2日目。日記の内容は長い。
1500pt分がいきなり放り込まれるから仕方が無い]
[それから、ナイフを引き抜いて、太陽へとかざしてみた。これが現代社会に即したものか確かめるように]
障害があった方が燃えるだろ。
[口髭の奥、口元を緩ませながら1stに言い]
クルミを口説きに、…は 冗談。
話があってきたんだよ、1st。
[一度、眼鏡の奥の瞼を落としてから、
少し息を吐いてから、静かに言う。]
…… 出来たら、2人で話をしたい。
[>>100 逢引でもなければ、私は面食いでもない、けど、いちいち突っ込んでたらキリがない。
自分から名乗るおじさんと、>>101私を庇ってくれるカノウくんとの間に、ぴりぴりした空気はない。
だから、私は大人しくしてた。
けど、>>103 おじさんがカノウくんを誘うのには、少し眉を寄せた。
一人になるのが嫌なんじゃない。ただ、おじさんは武器を持っている。
その気になれば、カノウくんを傷つけることなんて、簡単に出来てしまうだろうから。]
―――……気を、付けて。
[声をひそめて、囁く。カノウくんが行くなら、止めはしない。]
生憎だが、障害じゃなくただのお邪魔虫だ。
[軽口を叩き返して相手の様子を見る。
が、続く言葉には意外とばかり僅かに目を見開いた。]
俺と話が……?
……。…、分かった。
[少し躊躇い頷いたのは、彼の声が静かだったからだ。]
[お邪魔虫と言われれば、く、と笑う。
鞄の内でタブレットが振動し未来が記される。
「**分後 2F 1stと会談」となるのを見るのはまだ後の話だが]
…、…。
[気をつけて、というクルミ。
話を受けてくれる様子の1stを見れば、
浅く頭を下げて]
感謝する。
[ひと言、礼を告げれば頭を上げる。
こっちだ、と足を運びクルミの傍からは離れようと]
いえ、どういたしまして。
[礼と共に頭を下げられれば、反射的に礼を返す。
歩き出す前にクルミを振り返り、安心させるようまた小さく頷いた。
そのまま、10thのあとに従って歩く。
自分より幾分大きく見える背丈に、
体つきはコートのうちに隠れて見えはしない。
けれど、手にしたポールは飾りではないだろう。
そう思わせる、慣れが感じられた。]
…話というのは?
[足が止まれば、距離を保ったまま話を促す。
番号で呼び合うのが滑稽なほど、丁寧な対面になった。]
[男2人が婦人服売り場というのもアレかと思って、向かった先は紳士服売り場。そこまで歩けば、足を止めて間合いを取って向かい合う。]
状況からしてさ、…お前が今
一番有利そうな位置だよな。
[本題には入らず、そんな言葉から切り出す。]
[ひとつフロアを昇れば、
目の前にはたくさんの書物の山があった。
思わずそちらに足を踏み出してしまった]
わ、……すごい。
[文学など発達した世界ではなかったが、8thにとっては本は好ましいものだった。手近な本を手に取る、表紙がカラーの写真の随分大きな本。]
…かも知れないな。
そもそも、0thがどれほど動いていたかも知らないけど。
行動を把握されないという点では有利。
───そのように注目を浴びる点では不利。
ってとこかな。
[返し、何を考えているのかと10thへ目を向ける。]
[店頭のマネキンからコートを2枚、拝借して試着室に入る。
1枚は床に敷いてその上に寝転がって、もう一枚は毛布代わりに自分の身体の上に。狭い試着室の中で、丸まって仮眠を取る体勢。
決して寝心地が良いとは言えないけど、床に直で寝るよりはよっぽどマシだと思うし、ここなら少なくとも多分、男の人に見つかる可能性は、低いはず。
深い眠りは取れないけど、それでも疲れてたみたいで、目を閉じれば眠気が襲ってくる。
私はそのまま、少しだけ眠ることにした。]
[表紙の写真は一面の青、雲が流れているから空の写真かと思ったら、空の色が水面に映った海の景色のようだった]
この世界の風景なのか……、
[海といえば軍港しか知らない、
そして海原は鉄が浮かび砲弾の飛び交う水上の戦地だ。こんな穏やかな海はしらない]
………、
[ページを捲る度に、穏やかで美しい世界の風景が切り取られたそのままに現れる]
ま、そこまで考えて動いてる奴が
どれほどいるかは知らないがな。
[口元を緩めると口髭が揺れる。
視線を斜め下に落してから、]
世界まるっとひとつ背負ってるって状況で
誰かと手を組むって事は、
そいつの世界の分も背負う。
それをお前らは選んだ。
[瞼を眺めに落してから、1stへ視線を戻し]
だから、どんな奴らなんだろうな、って思ってさ。
11thが勝気な女なのは解ってたが
女2人と手を組むなんて、
どんだけ1stはイケメンなのか 興味があってな。
[緩く首を傾げながら、1stの顔色を窺うように見る。]
グリタさんが下に向かいました。
一応ご報告までに。
私との協定は破られたわけでもありませんが、
さて、何を思うかはわかりかねます。
[カノウにつげ]
デンゴくんは、どこにいますか?
― 4F書店コーナー ―
[夜は開けていた。
そこにはワンフロアがすべて書店のようだ。
そのまままた上にあがろうとして、
『八番をみかけ話しかける』
その扇子の記述に立ち止まる。]
――……羽衣の君があそこか。
[みれば、朝焼けの光が指す中、浴衣姿はフォトグラフのコーナーにあった。]
[その本の頁を捲る度に、眉間にしわ寄せ難しい表情になっていく。やがて裏表紙を閉じた時には、口唇さえかみ締めていた。]
……なんで、
[何故、こんなにも、自分の世界と違うのだろう。映る風景は妬ましい、というよりも――もっと、心を落ち込ませるようなものだ]
別に女だからって選んだわけじゃない。
ただの偶然だ。
そういう風じゃないのは、見れば分かるだろ。
[最後、余計なことまで言って肩を竦めた。]
今、10thと2Fで二人で会話している。
今は大丈夫だ。
[ゼンジの報告を受け、囁き返す。
グリタ。と、未だ聞かぬ目前の男の名を頭に刻んだ。
声の調子に、先にクルミと言葉交わした時の名残は今はない。]
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