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[姿勢良く、しかし俯いて焔を見つめたまま、左手で帽子を目深に引く]
……お気の毒様。
[細い声を零した口元は、一瞬だけ薄く笑みを形作っていた。
もう片方の手は長老の衣へ触れ、その裾をゆるく握り締める*]
/*
我ながら、役職希望迷いすぎなのです。
正直、狂信者以外ならなんでもばっちこい。
今回の村は、狂信者自分でやるより愛でていたいのです。
誰か希望してて下さい…!!そして人数集まるといいな。
/*
村建て人さんのお言葉に甘えて発言してみました。
なんであたしこんな緊張してるんですかー。
どどどどどどどどどど。
助けてドラ○えもん!(←よくある間違い)
供儀 ドロテアは、ここまで読んだ。[栞]
[…キィ―――来訪を告げる声に、間を置き響く音。報せを運ぶアルマウェルの言葉に耳を傾け、パチと薪の爆ぜる音に連動する間合いで眼鏡の奥で瞳を瞬かせた。
遊牧の民でありながらいつからか歩くのを止め車椅子に座す求道者は、彼を見上げ暫くの間は口を開く事も無く思案するらしき面持ち。やがて訥々とした口調で幾つか確認をして、納得がいけば肯定を示す沈黙を置いた]
………
支度して向かいます。
[言葉を探すらしき物言いたげな間を自ら打ち切り、示すともなく燃える焔へ視線を向ける。キィ…キィキィキィ―――車椅子に座すも淀みない動きは、長年の生活で培った慣れを感じさせるもの。
アルマウェルの去って後も暫くは、火の傍で揺らめく焔を見つめていた。遠吠えは今も聴こえているというのに、早急に長老のテントへも向かわず。此処には過ごす時を咎める誰も居はしないけれど、居たとしてもそんなひと時も当人にしてみれば支度の一環と嘯くだろう]
[空に靡く不吉な紅いカーテンと、地を這う狼の遠吠えはどちらがどちらに呼応するとも知れず。キィキィキィキィ―――聴こえる声に応えずも、重なる車輪の音は車椅子に座す当人よりは雄弁。
膝掛けの下に仕舞う足の代わり、明けぬ夜に溶かされぬ雪の上に続く二本の足跡。キィキィキィ…―――ォオーン―――深と冷たい大気を震わせる幾度目かの遠吠えに車椅子の音はやみ、冷えた手を擦り合わせ息を吐きかける]
……きこえる。
こえが、きこえる…
[悴む手へ繰り返す呟きの篭る呼気に眼鏡は曇り、視界は白く染まる。役目を果たさぬ眼鏡をはずし見遣る、明けぬ夜の世界―――滲む視界の向こうに靡く紅は、返すべき言葉を見つけられず碌な労いもせず見送ったアルマウェルの後姿も想わせる。
思い返すまでもなく彼の来訪があったからこそ、支度を済ませた今こうして彼の後を追うように、外出をしている。目的地はまだ見えず、狼の姿もまだ見えない]
おおかみ…
[感覚を確かめるべく握る手に掠れた呟きを落とすも、震える理由は決して寒さだけではない。冷えた眼鏡のつるにいつもの癖でカリと歯を立てるも、膝掛けの端で曇った眼鏡を拭いかけ直した。
再び明瞭な輪郭を持つ紅いカーテンに彩られた明けぬ夜を前に、眼鏡の奥で眼差しを細める。キィキィキィキィ―――車椅子は、また軋んだ音を立て動き出した]
[キィキィキィキィ―――テントに着く頃には、もう随分と人が集まっていた。テントの入り口付近で止まり誰と目を合わせるより先に眼鏡の奥の瞳は、供儀の娘を捉える。
彼女が先に>>43零した言葉も、折に浮かべた口元の描くかたちも知りはしない。ただ娘の手は長老の衣の裾を握っているのは見えたらしく、眼差しを細めた]
…………
[目深にかぶられた娘の帽子に視線は交わらず、決して短くはない間に言葉はなく、薄く曇る眼鏡を再びはずす折に視線はそれる。眼鏡のつるをカリと齧りながら、遅くなった事を詫びるでもなく集まる面々を見回し―――眼鏡のない霞んだ視界に瞬いた。
曇る眼鏡を再び膝掛けの端で拭いてかけ直し、長老へ顔を向ける。説明は繰り返されずも報せを受けたと示すようにか、遅くなった事への苦言を零させぬためにか、添える浅い頷きは座す車椅子でなく当人が軋む音を立てそうな所作]
…申し出る者はありましたか?
いえ、先導している者ではなくて。
贄ならば疑わしき者ではいけないのですか。
彼女も疑わしいと仰るなら、別でしょうけど…
[悴む手の強張る理由は肌の感じる温度にでなく、無意識に膝掛けを握る。長老の決定に声高に反対するような力強さもなければ大きくもない声で訥々と語りながらも、輪郭を取り戻した視線は長老を見て、集まる者たちを順に見て、長老の傍らの供犠を見た。
明けぬ夜に冷えすぎた眼鏡はまた薄らと曇るけれど、供犠の娘と交わされる事のない視線を今度はそらさない。娘が口元に幽かな弧を浮かべたなら、前髪に隠れる眉を潜め瞬きには長い瞑目の間に深い*溜息を零した*]
ハイハイ、その日は仕事してましたよ、
って言っても信じないのは百も承知ですよ。えぇ。
長年寒い中で暮らしていると、頭まで硬くなりそうですからね。
いっぺん[6時間前]の狭間で寒中水泳でもしてくるといいんですよ…
あ、いえ何でもありませんよ。
では残りのトナカイを撫ぜてから行きますんで。
石頭…もとい、長老には先にそう伝えていただけると助かりますが。
え? 何故撫ぜるのかって? 日課ですよ、日課。
私こう見えても寒がりなんで。
ハイハイ、では後ほど。逃げやしませんよ。
[そう言って半ば追い払うように、使者を見送った。]
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