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私がそう願ったから、あなたは死んだ……と伝えるのは……自己満足なのか。
どうして、彼女まで"ここ"に居るんでしょう。
……どうしたら"楽"になれるのでしょうか
見習い看護婦 ニーナは、今日も暑いですね。[栞]
「あのひとには生きて欲しい」
純粋な自己犠牲的な考えだね。
――でも、その考えは僕は好きだよ。
綺麗で、はかなくて…美しいから。
[つい、と振り返り、看護師の瞳を捉える。]
やぁ、おはよう、ウェンディ。
お目覚めはいかが?
[まだ全てに対して曖昧な表情を浮かべる、幼顔に
首を傾けにっこりと微笑んだ。]
夢の中――、確かにその言葉は的確かもね?
残念ながら僕も判らないんだ。先に着ているけどね?
[再びニーナに向かい合う。
なぞる言葉。「強い」と称される自分と、
[弱い」と絡げられた他の者。
違う、と首を横に振り、言葉を選ぶかのように口を開いた。]
僕は強くは無いよ。
「自分」が犯人でなければ、
「他人」を犯人だと思うことは、当然の事じゃない?
他の人たちは、
人間として正しい反応に忠実なだけだよ。
「手に入らない」ものを、「欲しがらない」弁えを知る、ね?
[以前、クインジーに投げ掛けた言葉に似た言葉を引き摺り出し]
――ひとを…? さぁ?
あぁ、でも…
[思い耽るように、一瞬だけ視線を宙に惑わし、
瞬きをして再び看護師を見つめる。
妖美な色を瞳の奥に揺蕩わせて]
僕は欲しいと思ったものは、手に入れたいと思うんだ。
仮令神さえ躊躇うことであろうとも、ね?
それが…ひとを殺めることと等しくなるのかどうかは、
僕にはまだ、解らないね。
[虫の息で置き去りにしてきた、若き書生を思い出し、
くつりと意地の悪い笑みをひとつ、浮かべた*]
― 自宅・早朝 ―
[『ウェンディの死を、隠してほしい』
自室。
ジェーン宛にひとつ、書き置きをする。彼女なら、自分が何を考えているのか、わかってくれるだろうと思った。
今はまだ、ウェンディの死を知るものはいないだろう、自分と、犯人以外は]
認めることができなかった。
そして今も、認められずにいる。
[少女の姿を見て、自分は、声も上げられず、泣くこともできなかった。
自室へ連れて帰り、寝かしつけるようソファへ横たえ、傍らに本を置いた]
ウェンディ。
[名前を呼ぶ。
それから、少女の頭を、撫でた]
― 診療所 ―
[戸を、叩く。
懐には、梟の彫りが施されたペーパーナイフ]
先生、いらっしゃいますか。
[いつもと変わらぬよう、表情を整えて、*待つ*]
[言葉を飲みこんだ看護婦をじっと見つめる。
青年に微笑みかけられ、そちらに視線を移した]
ん…。
[いかがと問われて、スカートの裾をあげてみたり、手を開けたり開いたり]
よく、分からないけど。悪いところはないみたい。
ラッセルにいは、お元気?
[一昨日の晩、対峙していた二人の様子を不思議そうに眺めて]
天国、だとしたら思っていたところと違うわ。
[庭で詰んだ花を手に握らせたニーナから離れ、玄関へ向かう。
寝不足の顔でヒューバートを出迎えた]
やあ。
昨日は戻らずにすまなかった。
……ニーナは助からなかったよ。
[自嘲する様に言って、壁に*もたれかかった*]
医師 ヴィンセントは、ここまで読んだ。[栞]
私も、会わせていただいてもよろしいですか?
[>>26疲労の色濃い医師の表情をみて、息を吐く。許可があれば、ウェンディと同じように命を落とした看護師へ、黙祷を捧げるだろう]
ヴィンセント。
あなた、これからどうします?
[医師を振り返って、訪ねるのは、表情を落とした顔。
懐のペーパーナイフを取り出して*]
容疑者、あなたも私も。残りは少ない。
解決方法は、簡単だと思いませんか?
そう、それは良かった。
死して尚、苦しむなんてナンセンスだしね?
[特に 不自由の無さそうなウェンディに、
向ける微笑みは柔いもの。]
僕は変わらずって所かな?
でも、確かに此処は天国と言う場所とは。
程遠いよね?
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