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[お休み、とは口の中だけで。
目線をベックに返して、出て行く二人を見送る]
それから。
きっと、この想いも。
君を好きになれて――
愛せて、よかったと思う。
[言い辛そうにしながらも、微かに笑んだ]
……ありがとう、ツキハナさん。
[そっと、*背を撫ぜる*]
/*
綿帽子ぶつかってそうよねぇ。
こんな格好で抱きついたら。顔にぼふっと。
成仏出来るのかしら私。ユウキさんは大丈夫そうだけど。
まぁ、なるようになれでこじつけよう。ケセラセラ。
何がどうなるかわからないのが面白い所よぉ。(人はそれを行き当たりばったりという)
……俺はなー
[いつもの癖]
なぁんにも、上手くいかなかったんだ。
夢見たって破れてばっかで、厭になった。
でも。
ひとつくらい、叶えたかったんだろうな。
[返る声は聞こえないけれど、否、だから、語る]
それで、此処に来たんだろう。
ただ、好きな奴と一緒にいたかった。
皆に好かれる、父親って奴になりたかった。
家族って奴が欲しくて、
おかえりって言ってくれる、
あたたかい家に帰りたかった。
それから――誰かを救いたかった。
[子供のように笑った]
すげぇな。ほとんど、叶ってら。
でも、なんだろうな。
叶えば叶うほど、空しい気分になるんだ。
よくわかんねえけど、虚ろな感じ。
思い出せなかったからじゃないらしい。
[得体の知れない感覚は口に出来ず、*独白する*]
ただ、さ。 このままじゃ、いけないって思うんだ。
>>+24
うちでみんなに会えたんだ。家族の中に居られて幸せだった。パオリンもミナツちゃんもヌイもスグルにーさんも居たんだよ。
パオリン……そっくりって言うか、まんまだよね。
[>>+25 パオリンに寝癖を引っ張られてけたけたと笑う]
痛い痛いーっ。ごめんなさい。
うん。おいらは行くよ。みんなが居たから、行ける。
[パオリンにつられてヌイを見る]
来るよ……きっとね。
それに、こなかったら迎えに行けばいい。バス乗り間違えてるかもしれない。──おいらたちみたいに、どこかに立ち寄ってるのかもしれないしね。
>>+27>>+28
ミナツちゃんの分も草団子有るんだよ……そうそうそれ。
ほかにも有るよ……ローストビーフ食べないだろうし、どうしようかな。
パオリンもそうやってると、かーさんみたいだね。
[幸せそうに目を細める……が、何かの声に気付いたかのように遠くの空を見つめた]
なんで……ユウキさんの声聞こえるんだろ?
[照れくさそうに笑って、冗談のように続ける]
……家族だから?
[誰かに語りかけるかのように言葉を紡ぐ]
おいら、ユウキさんのこと……とーさんのこと、大好きだよ。すごい頼ったし甘えたし、頭なでてくれてた。わがまま聞いて貰ったのも、嬉しかった。おいら、ユウキさんがとーさんでよかったよ。たくさんたくさん救われたよ。
[ぽろぽろと涙をこぼすが、拭いもせずに続ける]
叶ったけど……足りない。胸が痛いよ。
とーさんの欲しいものは何だろう。
おいらは……悪いことをしたから、自分の代わりに家族に幸せになって欲しかったし、笑って欲しかったよ。でも……本当は寂しくて寂しくてしょうがなかったんだ。子供みたいに甘えたかったんだ。
だから──。
― 夢 ―
「ちか、お前さんももう十三。嫁に行く手筈を整えたぞ」
「お嫁に・・・?じゃあ、だんなさまができるの?家族ができるの?ゆうちゃんのねえやが着ていたような、まっしろな着物が着れるの・・・?」
「ああ・・・そうだな。ちかが嫌われないようによく言うことを聞けばな」
「聞く!言うこと聞くから。庄屋さま、おねがい」
「そうか、それは話が早い。今までお前さんを育ててきた甲斐があったというものだよ」
***
[白無垢に身を包んだ”ちか”は、籠に乗せられ、しずしずと山道を運ばれていた]
「ねえ、どこに行くの?わたしのだんなさまは、どこにいるの?」
「もうすぐだ、もうすぐ会えるぞ・・・」
[たどり着き、籠から下ろされたその場所は、山深く木が生い茂る寒々とした場所だった。目の前には、地中深くに穴が掘られ、中には”ちか”がすっぽりと入るくらいの丸い桶が埋まっていた]
「・・・し、庄屋さま、これは・・・これは・・・」
[訳が分からず棒立ちになっている”ちか”に、堰を切ったように滔々と紡がれた言葉は]
「この村では、五十年ごとに地の神にお供えをしてきたのだ。その年に十三になる生娘をひとり、地の神の妻とする。今回は持ち回りでわしの孫娘が、おゆうが、そうなる羽目になって困っておったら、お前が現れたのだよ。ちか、今まで育ててきてやったろう?さあ今こそその恩を返してもらおう」
[呆然としたまま、がくがくと震えながら”ちか”は”ゆう”に視線を向けた。たすけて、と言いたかったが、声は出ず、唇も固まったように動かなかった]
「何よ、その目は!いつもそうよ。いつもそうやって私を見て、私を責めるのよあんたは!わざと私の真似をして名前を呼んだり。はやくいなくなってよ。もう私を見ないでよ!」
[ぽろりと、”ちか”の目から涙が零れ、地に染みを付けた]
「さあ、ちか。お前さんの相応しい場所へ、行くがいい。
”ちか”。・・・・・”地下”」
[村人たちが、細く軽い”ちか”の身体を羽交い絞めにして、逃げられないようにしてから桶へと運ぶ。しかし”ちか”は、逃げるどころか指一本動かす気力すら、失われていた]
[桶の蓋が閉まる。一瞬にして視界が闇に落ち、正気が戻り、”ちか”はやっとか細い声を上げた]
「いや・・・。こんなの、いや・・・。
まっくらだよ。だんなさまもいないよ・・・。いや・・・」
[しかし、桶に木釘を打つ音、土をかける音に紛れ、どこにも届くことはない]
「くるしいよ・・・けほっ、けほっ。
いやだ、出して。ここはいや。くるしい・・・」
[酸素を求め、ぜいぜいと喉を鳴らす]
「・・・さむいよぅ・・・・」
[暗闇と、寒さと、孤独の中。
そして”ちか”は、最期の息を*吐き出した*]
― 夢・了 ―
んで、チカが言うことがあるなら、夜かなあ。
爺ちゃんからはあんまり詰め込むようなことはしない予定です。
もう引き出しがないという説もあります!(笑)
撫ですぎて爺ちゃん掌紋消滅しちゃうぞ!
わたし、うらやましかったの。
ゆうちゃんが、うらやましかっただけなの。
どうすればよかったの?
わたしはどうすれば、よかったの?
じいじ、こわいよ。
”あっち”は、こわいよぅ・・・!
[ベックの服にしがみつき、もはや涙すら出ないほどに青ざめ*震えている*]
[ちゃりん、と音がした。
卓上には、六文銭が二人分]
足りないのは……
此処にいろってことなのか、
それとも、他に理由でもあんのか。
[首の後ろに手をやり、コキと鳴らす。
欠伸をして、居間を出て行った。
貨幣は置き去りのまま]
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