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…やだな。少々なら警戒されるのも
スリルのうちとか思ってるくせに。
[互いに顰める声は、極小の通信機を介し。
温厚な青年の声は印象を変えず笑みを含む。]
あのひと、刑事かもしれない――とは言ったけど
いきなり探り入れてるからびっくりしたよ。
[あのひと――とはポルテを見遣って]
それにしても、刑事さんが来ておられるのは、想定外でした。
よもや、あの方が招いたとも思えませんが……ふむ?
それに、妹さんも。
……よろしいので?
事が起こる前に、プレーチェ様にはお帰り頂いた方がよろしいかと存じますが。
……。爺や。
[コトン。通信機を、ごく軽く叩く音。]
刑事には、そうだね…気をつけよう。
爺や流のサプライズも、覚えておくよ。
[青年が慎重に、言葉を選ぶときの癖。]
けど…
ここに、呼ばれてしまったんだから
プレーチェは もう 死ぬ子だよ。
[コトン…]
――帰さない。
[コトン…]
嵐のなか、泥まみれで
のた打ち回って死ぬのはかわいそうだ。
それにしても。
ひつじ… ひつじね。
[いもうとの抱くぬいぐるみと、
カプセルから現れたひつじと――
何かを重ね、青年が漏らす声は]
いけにえのひつじ… ふふ、*傑作だなあ*。
左様でございますか。
[サラダを作る手元へ視線を落とす。ダイニングから聞こえてくる、プレーチェの明るい声]
小さな、可愛い、羊さん。
カプセル、まだ開けてはおられないのですね。
[カウンターに転がったままのそれへ、ちらりと目を向けた]
もし……白い狼なら、レアアイテムでございますよ。
電話は、まだ繋がっておりますよ。
あまり早くに切ってしまうと、気づかれてしまいかねません。
携帯電話をお持ちの方もおられましょうが、ええ、対策は用意しておりますよ。
ちょっとしたおもちゃを、仕掛けてございます。
――うん。
[赤くないドレッシングのかかった卯の花を、
零さないよう口元へ運び――一度止めて呟く。]
白い、…蜘蛛 だったら困るなあと思って。
レアアイテムなんてあるんだ。…狼だといいね?
お守り代わりに、もうしばらく持っておくよ。
ああそっか、電話線…まだ切ってないんだね。
プレーチェに、せめて父さんと母さんの声でも
聞かせてやりたいけど…さすがに後がまずいや。
蜘蛛は、ございませんよ。
可愛らしい動物ばかりのシリーズでございます。
モノクロは、レアでございまして。
幸運な方しか、手にできません。
……どうか、若様に幸運がありますように。
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