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―夜の川辺―
……ダメね、来ないわ…。
いい加減寒くなってきたし…最悪。
[いつもの川辺。
そこに夜の闇がいつものよう影を落としている。
川に映り込む街灯の明かりは風が吹くと、水面と同じく揺れた。]
無料の掲示板とか…。
そんなのに期待する方がダメよね。
いらない好奇心だったわ。
[友人に進められた出会い系の掲示板。
無料です、と掲げられた陳腐なそれに騙されたという思いが強い。]
せっかく…同じ趣味を持ってる人と友達になれると思ったのにな…。
うちの学校、つまんないもん。
レベル低すぎ。
[1人で呟くも夜の水に吸い込まれていく。
答えなど返るはずもない沈黙に空を見上げた。]
塾サボちゃった。
………塾もレベル低いし、別に…いっか…。
帰って勉強しよう。
[立ち上がり、夜道を家へと向かって歩いていく。]
今度は逆のことでもしてやろうかしら。
男でも呼び出して、待ち合わせ場所が見えるカフェででも時間潰して。
その男で遊んでやろうかしら。
[携帯をいじりながら笑う。]
くすくす…、馬鹿で遊ぶのも楽しいかもしれないわね。
[公園の中を通り抜けようとした時、大きな声が聞こえて眉をひそめた。]
………バッカじゃないの?
そんな大きな声出して。
[その声の主を探すと同じ制服を着た姿があったか。]
………。
[相手に明らかに不機嫌そうな顔を見せる。]
(誰…だったかしら…。
同じ制服だし、もちろんうちの生徒なんだろうけど。
見覚えがあるっていうことは同じ学年なんでしょうね…。
あそこ通らないと帰れないし弱ったわ。)
[少しの間、その場所を見た後。
何もないかのよう通り過ぎようと歩き出す。]
[通り過ぎた時、声をかけらて戸惑う。]
別に。
電話で大声で話すなんて、みっともない、って思っただけよ。
[立ち止まって相手を見る。]
あー…思い出した。
勉強しなくていいの?上原さん?
[笑って問いかける。]
………人生のお勉強ね。
参考になるかもしれないから聞かせてもらえないかしら?
[笑顔を崩さずなおのこと笑う。]
私は塾の帰りよ。
センターは年明けてすぐだもの。
どこかの誰かさんみたいに遊んでる暇ないわ。
[さらりと嘘を重ねてみる。]
………ふーん。
[服飾の専門学校にいく、という言葉を聞いて興味がないと言わんばかりの返答を漏らす。
時間が気になるのか携帯を取り出した。
携帯がブルブルと震えると電源ボタンを押して、そのまま片付ける。]
キューピットね。
無理にくっつけたって意味ないと思うけど。
くっつきそうなら、自然に任せるべきだと思うけど。
[笑った顔は既に崩している。
無表情でそう相手に告げた。]
なるほどね、お節介ってやつ。
[少し言葉を濁した。
相談する方もする方だと溜息をつく。]
ま、素敵な上原さんは自分は十分満たされてるってことね。
羨ましい限りです。
[厭味ったらしく。
また震えた携帯を手に取り、明らかに不機嫌な顔をする。]
せいぜい、頑張って。
[へら、っと笑う。
小馬鹿にした態度は相変わらずだが。]
ムカツク…って…。
素敵という人がいるなら会ってみたい、ってだけなのに…ねー。
[クスクスと相変わらず笑っている。]
それともホントは素敵だなんて行ってくれる他人はいな…
[もう1つ馬鹿にしてやろうか、と言葉を探しているときに男が近づいてくることに気付く。
下を向いて歩いているのかこちらに気付いていない。]
……人とぶつかりそうになっておいて。
まず、驚きますか。
[男を冷たい目で見上げた。]
ふん……。
[謝られても満足してないのか。
視線を逸らして己の髪を触る。
笑い出している上原の姿に目をやり。
そのまま黙殺した。]
携帯は見てませんが。
[男にも淡々と答える。]
………。
[携帯を探す様子を暫く見た後。
何も言わず、携帯を見た。]
……………。
[空を見上げてから、視線を横に流す。
暫く考えた後、何も言わずそのまま家路につく。]
御人好しすぎる。
知らない人のためになんで協力しなきゃいけないのかしら。
[吐き出した言葉は。
闇に吸い込まれて*消えてゆく。*]
―駅前広場―
[隣町の進学塾まで通うための電車。
この時間にもなると人は少ない。
こうして終電ギリギリになるのは珍しいが。]
もう…寒いなぁ…。
[空を見上げると星が輝いていた。
空気が澄んでいるせいかよく見えている。]
暇、つまんない。
[その辺りに落ちている小枝を拾う。
手にとって眺めた後、そのまま歩き出す。]
そうだ…帰り公園で、あの都市伝説でも調べてみようかしら…ふふ。
どうせガセネタなんだろうけど。
[また天を仰げば、頬を落ち葉が掠めて落ちていった。
風が冷たい、と思って目を閉じる。
駅前でそんな1人遊びを続けるわけにはいかず、いつもの帰り道を歩き出す。]
[木の枝を右手に。
学校用のショルダーバッグを左手に。
月へと向かって歩き出さんとばかりに。]
…………つまんない。
酔っ払いも…みっともない…。
[昨日会った男の顔はよく覚えていない。
なので、気付くこともなかった。
小枝をくるくると回しながら歩いていく。]
―藍住中央公園―
[色が変わった葉の下に広がる砂。
それに小枝を突き立てる。
ガリガリと音を立てて動かされるそれ。
その後にほんの僅か黒が際立つ。
もっとも、闇に溶けはっきりとは見えない。
奇怪に描かれた模様。]
ふふ…やっぱり、やめとこ。
[興味がなくなり、その上に葉を被せる。]
[ぶるぶると震える携帯電話。
それをぎゅっと握った後、ペケペケとボタンを押していく。
カシャっという音と共に明滅する光。
葉を被せた後だから、意味はなかったかもしれない。]
都市伝説…ね…。
どうせ、伝説にすぎないんだろうけど。
[震える携帯に溜息をついて。
また今日も家へと*帰っていく。*]
―ガード下―
[電車が通過する音が耳に響く。
街灯の明かり1つ。
淡い光が広がるも夜は照らしきれずいる。]
………………。
[相変わらず震える携帯電話。
それに手を伸ばすこともなく。
コンクリートに背をあずける。
音楽プレーヤーから流れる綺麗な発音の英語。
それに飽きたのか、ボタンを押せば外国人の声は止まった。]
[耳からイヤホンを抜く。
それを鞄へと片付ける。
電車が通る音が、先程よりも大きく耳へと届く。]
………………。
[ゲラゲラと笑い声をあげている男子学生と目線が合うもすぐに逸らし。
くだらない、と言わんばかりに溜息をつく。]
………………。
[男子学生の声は遠くなる。
視線を正面に戻すと、落書が目に入った。]
/*
体調不良というよりは村を立てた時期からの寝不足がここにきて爆発して、起きていられなくなったことが原因d(ガフッ
_| ̄|○ il||li
―電車内―
[休みの日だろうと当然塾であり。
車内で聞く音楽プレーヤーは相変わらず単調に英単語の発音をしている。]
……………。
[車内で鳴り響いた携帯電話の主である若者は大声で話だし。
杖をついた老婆の前ではサラリーマンたちが眠りこけている。]
………………。
[無言で立ち上がり、着いた駅で降りる。
あの老婆は無事に座れたろうか。]
………………。
[恐らく2度とは会わないだろうけれど。
電光掲示板を見上げれば次の電車は15分後であった。
そのまましばらく*待ちぼうけ。*]
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