『ここの水晶も不安定になってきているのぅ。町の様子はどうじゃ?』
…………
『ふむ…その分だと持ってあと4日か。間に合えばよいがのぅ』
…………… ………
『ああ、人間が迷い込んできたみたいだの。違う気配がするものもおるが、心配はいらんじゃろ。いつもの通りに』
[空を飛ぶ魚の背からお菓子の家の屋根に降りると、空いた方の手で魚の腹を軽く叩く]
[魚が飛び去ると屋根に腰を降ろし、手にした黒い石を目の高さまで持ち上げる。噴出す黒いもやは...をすっぽり覆い尽くし、周囲の闇に*溶けていった*]
[お菓子の家の壁に掛かった鏡の中を黒いフードを目深に被った老人の姿が通り過ぎる、と鏡が歌い始めた]
『まっくら森は こころのめいろ
はやいはおそい
まっくらクライクライ』
[そして、再び訪れる*沈黙*]