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[電気ポットは当たる事無く、
ガシャンと何かを壊して落ちたらしい。
展示品が並ぶ狭い道に入り込んだマシロを追い、
またとりあえず触れたものを放り投げた。
電気シェーバーのようだったが、
勿論ソラには何かは判らない。
駆けこんだ通路の幅に低く舌打ちを漏らし
ポールは縦に持ったまま。
マシロへの距離を詰めようと、
更に蹴る足に力を籠めた]
[狭い通路、蹴りつけられる足を軽く跳躍してかわす。
逆の位置になりながら縦に振り下ろしたポールは、
薬缶に当たり、高く大きな音を立てた]
…いい得物持ってンじゃねェか。
[く、と口の端を上げて。
包丁を持った手首をめがけて、
真っ直ぐにポールを突きだした。]
さぁ、ね?
[薬缶に跳ね返ったポールが負傷した指に響く。
ぐ、と眉を顰めて答えを返すと共に
一瞬足の動きを止めたから、
包丁は手の甲を掠めて 赤く線を描いた]
あんたが12thを逃がそうとするのと、
別に違わねェんじゃねェの?
[ぐる、と身体を大きく捻り
包丁を持った腕の肘辺りを狙って
伸ばした踵を上から落とす]
…あんた、慣れてンな…ッ!
[振り下ろした足を地面に下ろし態勢を整える前
突き出された包丁にポールを地面に落として
彼女の手首を捕まえようとする――が。
思っていたより素早い動作に僅かに間に合わず、
その切っ先が自分の脇腹へと飲み込まれていた。
それ以上刺されぬよう、力を籠める]
……やるじゃん。
[にぃ、と笑って、余裕ぶって見せた]
…諦めなんて言葉は、俺の辞書には無ェな。
[間近に見詰められる顔に、更に壮絶な笑みを作る。
痛みが、薄い。
だからまだ思ったより動けそうだ。
それは先ほど飲んだ鎮痛剤のおかげだとは判らないが。
包丁を握るマシロの手を握った手のうち、力の余り入らぬ方を離して、ゆるゆると逆の脇へと手を伸ばす。
短剣ケースに入った包丁がそこにはあるから]
無駄で悪かったな?
[そして眉を立て、手首を握った手を捻ろうと力を籠めた]
やなこった。
あんたが諦めな。
あんたの世界ごと。
[押し込められた包丁が身体の中で嫌な音を響かせる。
蹴りが入るのは視界に収めていたが、
掴んだ手首は離さずに、更に力を篭めた。
逃さない、と、呟く声は、低い]
けふ、
[至近距離の蹴りは鳩尾に入り、
身を折るけれど。
逆の手で短剣の柄を上着の内側で握った]
/*
死亡フラグ乱立すぎて
死んではズルイだろうかと
思ったりりり
マシロに付き合わせてる感
マジでごめんありがてぇ。ありがてぇ。
してます。
[握った腕は離さない。
そのまま、全力を篭めて捻れば、
ミシリ、と、骨の鳴る音を掌が感じる]
…遠慮すんなよ。
[ザッと上着の下から取り出す包丁。
マシロの胸元目掛けて振り下ろす。
空になった短剣ケースと共に吊るした日記は
すぐに脇を締める事で、保護を謀る]
[胸元を狙った短剣(包丁)が
肉に刺さる感触を手に伝える。
獣相手になら、慣れたそれ。
両の手に不詳を負わせれば、
二足の相手はしめたもので]
もらった、…ッ、!、
[瞬間、驕った。
足が来ると思わず、
彼女の蹴りがきれいに足を掬うのを、
スローに感じて]
ぎ、あぁあぁっ!!、
[次の瞬間、宙に浮いた身体が地面に倒れたと同時。
刺さったままの包丁が、体重で勢い良く、
その刃を全て自身の身体に埋め込まれたのを熱として感じ。
つるつるの床の上、痛みに身を逸らして悶えたのだった*]
…はっ、はっ…
[痛い。熱い。
ごろりと床を転がって、2ndから距離を取ろうにも
1回転が出来ず、呻いて。
ぐ、と、指が動かぬ方の手を伸ばして
開き、構えたのは。
そこから光の盾を出そうとするいつもの動きで]
…、くそっ…
[全く発動しない様子に、低く呻いた]
っく、ぁ、…
[距離を取るらしき2ndを見て、身を捩る。
力の入る方の手で自身に埋まる包丁の柄を握り、]
ぁ、ああああああッ…!!!
[叫び声を上げながら、抜いた。
手で服の上から傷口を強く抑え痙攣し、
暫く床に丸くなって痛みに耐える。
どんどん広がる血池を作りながら、
芋虫のように身を捩って、床を這い、
ず、ず、と、少しずつ進んだ。
紅い紅い道が、後に伸びる]
[クラッカーの音が鳴るたび、
どくり、どくりと
手で抑えた傷穴から血が出るのが判る。
耳はまだ正常に機能しているようだ、と
認識しつつ、ずるりずるりと
床を、ゆっくりと移動する。
―――2ndから、離れる方向へ。]
[目が、霞む。
闘う意志が無くなったわけではない。
ただ、痛みと熱で相手が見えない。
伸ばした手が落としたポールに触れた。
ぐ、と握るけれど、それは血でぬるりと滑る]
/*
止めはさしてもらえない
なら
ひとりで死ぬぺきか
しかしネギヤさんも死にそう
で
随分と悩んでいる
まぁ アレです
俺死にたい過ぎた自覚はある
だって!!!
クルミとヨシアキはふたりぼっちにしておいていくべきだろここ!!!!!
と、思った…んだ…
あと鬼側村人の俺死ぬべきかと…思って…にじにじ
[ポールに縋るようにして、じりじりと動く。
最早今は、赤と体温と共に流れていく生命の灯火を絶やさぬよう
本能だけで動いているようなものだった。
痛い。熱い。寒い。
紅い道を作りながら、店内の奥へと向けて移動する。
2ndから離れる方向。
唇を噛み締めて。]
…!?
っつぁ、
[体重を預けていたポールを取り上げられ
首根っこを捕まえられて、痛みに呻く。
6thに引きずられる跡には紅い道遺すまま
抗う事出来るはずも無く、エスカレーターへと乗せられた]
キ、し、
…、 れ、ちょ、…ま、
[荒い息を吐き、エスカレーターからまともに降りられず次の階には転がり落ちる]
………おい、も、リ
[伸ばした手が、コハルのスカートを掴んだ]
悪ィ…
も、移動、辛ェわ…
[傷孔を抑える手に力が無くなってきている。
内側から内蔵に押されるようにして、
鼓動の度に血が、溢れてきていた]
……あんたも、10thと、なんか、あったんだろ。
それ、渡しとく、な
[壁際に凭れて息をつき、
彼女が手にしたポールを見て、告げた]
[手を借りてベンチに横になる。
青白い顔に、唇だけが紅い]
…そ、か。
まぁ、いいや…
[痛みと熱とを感じると同時にひどく、寒い。
身体は細かくカタカタと震え、
上着に着いたベルトがベンチと硬質な音を立てた]
守るモン、…あぁ。
少し、でも、……、
なぁ、キシ?
俺が、生きる意味は、俺が、決める。
生きた、意味は、他人が決めても、
そン時には、もう、俺は、いねぇから、
やっぱり…考えすぎ、になんじゃ、ね?
[げふ、と 咳き込んだ
例えば、いま、さ。
俺を、寝かせてくれただけでも、
俺にとって、意味、あるだろ。
そういう、事じゃ、ねぇかな?
[コハルの声が、怒っているように聞こえた。
少しだけ愉快な気分になって、笑う]
うるせぇなァ、聞けよ。
で、そうだね、って言っておけよ。
俺の、為に。
[ベンチの下には、紅い紅い、
血溜まりが広がっていく]
[走り去るコハルの背を見る為に
首を動かすノも億劫だった。
足音が去ると同時に、
エスカレーターが止まって音が減った。
傷口を抑えた手が、脇に落ちる。
最早 赤の勢いも衰えてきていた]
…あー。
魔法がありゃ、なぁ。
うまいもんは多いが、…
…不便な、世界だぜ…
[呟いて、そっと目を閉じる。
痛みと熱が全ての感覚を支配しているのに
叫びも出ず暴れも出来ず―――
自分の鼓動の音が、随分と遠くに聞こえた]
…食いに、来たか?
[見えた姿に、にやと笑って見せたつもりだが出来たかどうか。
モンスターだと認識していた相手。
なんだ、と言われても腹がたたない自分の弱りっぷりにも、少し愉快になる]
/*
完全モンスター扱いですけど
中身的に腹がたってたら、
ごめんなさい!
と、埋めておきますね…!
設定とはいえ
ト書きにもう少し気を使ったほうが良かったかと 心配を していたり。
…うちの世界じゃ
死体は山に、捨てるんだ。
モンスター達の、餌、用、に。
[ポツリと、独り言のように零して、
けふ、とひとつ噎せた]
…クルミ、が。
あいつ…平気、か?
[質問には答えずに質問を返す]
…キシ、悪ぃ。
多分、もたねぇわ。
ありがと、な。
[悲鳴のような声を上げる彼女に、
掠れた声を低く投げる。
手当の手間が、申し訳ないから]
……、そんな、程度、か。
わりぃな…でも、一応…、
DEAD END…、抗ったつもり、、ど、
[けふ、と咳き込むと どろりと口から血が溢れる]
…誰か、
またヘマしたすまん、って、
伝えてくんねぇかな。
…暇だったら、でいいから。
[ポツリと零す声は、案外しっかりしていた。
紅い瞳は開いたまま天井を映し
ゴブっ と 鼻から血を噴き出して
ただ もうそれは流れるままに*]
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