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―926号室―
[かみさまがいなくなって、どれだけ経ったのでしょう
いまのわたしには、それもわかりません
わかる事は、座っているベッドがかみさまといた時のものよりも硬くて冷たくて、それからひろいということくらい
それがちょっぴり寂しいなって思いました]
[窓からそとを眺めました
ここは高いところにあるみたいで、とてもけしきが綺麗だと思います
でも、かみさまはきっと、もっと高いところにいるのでしょう
わたしもかみさまの所へ行きたいと思いました]
[昨日は、四人もわたしに会いにきてくれました
だけれど、ごめんなさい
わたしにはもう、あなたたちの名前がちゃんと思い出せないのです
なんて呼んでいたかは、覚えているのに]
[こんな風に少しずつ、きえていっているのです
毎日、ちょっとずつ、わたしがきえていくのです*]
/*
自分得な設定を詰め込んだ。
・家族はおらず、捨てられた
・野垂れ死ぬ所を気紛れな「かみさま」に拾われて生き延びた
・「かみさま」は二年半ほど前にアルツハイマー型認知症を患い、自分を保っている間に自らその障害を閉じた
・半年ほど前に「かみさま」と同じ病気を発症
・まだかろうじて自分が残っているので、「かみさま」と同じように自分が自分である間に自ら幕を下ろしたいと思っている
・入院資金などは、「かみさま」が遺してくれたお金で賄っている
しかし分かる人には分かるであろうこの設定よ……
最期の望みは「私を忘れないでください」
/*[告げ人 アン]
[告げ人 アン]
[浮遊霊]
[926号室の住人 ロッカ > 告げ人 アン > 塗装工 ゾウサク > 警備員 ノギ]
[廃屋]
[縁側]
[24時間前]
[過去の栄光にしがみついた]
[○]
[四つ葉のクローバー]
[小吉]
[占い師]
<66> “プ” “J”
{5} (03) <<16>>
[>>7]
かみさまは、家には住んでいませんでした。
いつもホテルで暮らしていました。
ホテルのベッドはふかふかしていて柔らかくて、それからかみさまが一緒に寝てくれていたものですから、冷たくなんてありませんでした。
ちょっぴり狭いと思った事もありましたが、私はかみさまと一緒に眠る事が何よりも好きだったのです。
[>>8]
かみさまは、人間だけれど、人間じゃあないと思いました。
なぜなら、かみさまはとても美しかったからです。
見た目や立ち居振る舞いもそうですが、その在り方が。
ただただ綺麗で、美しくて、それはきっと、かみさまが高い高い、本当ならわたしみたいなのじゃあ手の届かないような所にいたからなんだと思います。
かみさまはきっと、空の上へ帰っていったのです。
だから、わたしもかみさまの後を追いかけたいと、そう思うのです。
わたしがわたしであるうちに、空の上へわたしも帰りたいと、そう願うのです。
[>>9]
昨日来てくれたのは、ひろくんと、傷のにいさま、にいさまのお嫁さんのねえさまふたり。
かみさまがみんなと知り合った頃、わたしもこの人たちと知り合いました。
みんな、みんな、とても優しくて、良くしてくれたのに。
今のわたしでは、名前をちゃんと呼ぶことも出来ないのです。
ああ、悲しい。
悲しい。
ただひたすら、悲しいのです。
[夢のなかで、わたしはかみさまに会ったのです
煙草を咥えたかみさまは、やさしい目でわたしを見ていました
さみしい、つれてって、
わたしはかみさまにそうお願いします
けれど、かみさまは笑って首をよこにふるのです
それから、ほねばった手で、わたしのあたまをぐしゃぐしゃなでるのです
その手はあまりにきもちよくて、そのまま溶けてしまいたいと思うほどでした]
[うれしくなって、わたしはかみさまに抱きつこうとしました
両手を伸ばしたのです
かみさまも、わたしに向かって腕を伸ばしてくれました
けれど、その腕がわたしのからだを包んでくれることはありませんでした
なぜなら、わたしはそこで目がさめてしまったようだからです]
[わたしにはしろい天井が見えました
その端にあるしみがすずめみたいだと思いました
わたしはベッドから抜け出すと、上へむかいました
煙草が吸いたくなったからです
かみさまのすきだった、ハイライト。*]
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