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なななななぁーーんだよぉー!!!
誰だ誰だ誰だ誰だぁー。
オレのオレの獲物横取りしたのぉー!!
[セイジの姿は水鏡の向こう側に確かに映っているのだが、もののけの領域ではないらしい。コハルの身体からブワッと勢い良く闇が膨らむ。]
誰か邪魔するヤツがいるんだぁぁ。
そうかぁ。そういうつもりなんだな。
まぁ、良いや。あっち側にいるんなら。
あとでいくらでも何とか出来るからなぁ。
あははははぁ。
[ふと我に返って、周囲を見渡す。ひとり、ふたり……。足りない。さっきまで確かにそこにいた彼が消えていた。]
だから、夜は、怖いんですよ。
[呟く声は、心なしか湿っている。]
[神隠しの説明をする少女の声が、恐怖からか緊張からか、擦れているのを心地良く思いながら。]
ニンゲンはねぇ。
なんの理由も無いことが怖いんだよなぁ。
あははー。
でもな。理由が無い訳じゃねぇーんだなあ。
お前らがそれを理解出来ないだけなのさー。
ぐぐぐぐふ。
まぁ、わかったとしても、怖いのは同じかもなぁー。
あははははー。
[どんどん深くなっていく闇の中、獲物を捕らえ損ねた不満をくすぶらせながら、もののけは歩いて行く。傍らにはニンゲンが二人。格好の機会だ。だが。]
邪魔者がいるってことはぁ、もう少し慎重にいかないとなあー。
まだ他にもいるかもしれないなぁ。
オレの邪魔をするやつがぁー。
ててて、てがみ!?とか言ってた、アレもさ。
どいつの仕業なんだろうなぁー。
もうしばらく様子をみないとな。
かくれんぼもぉー、じょーずにじょーずにしないとなぁ。
あははははぁー。
[笑いは誰の耳にも届くことはなく、虚空に溶けていく。もののけはいつものコハルの表情を取り繕って、二人のニンゲンたちと、*歩いて行った*。]
[ほとんど眠らないままに、次の日を迎えた。自室の布団の中、知らぬ間にうとうとしてしまっていたようだ。気が付くと既に昼を過ぎていた。開け放した窓から風は緩やかに吹いていたが、生ぬるい部屋の空気をかき混ぜるだけだった。]
……暑いな。
[今日も、彼らは探しに行くのだろうか。「かみかくし」にあった友人達を探しに。]
[コハルが目を開けると、もののけもゆっくりと覚醒した。最初は抑えこむばかりだったコハルの意識が、融合するのを感じる。とうとうこの身体の持ち主の意識は、疲れ果て、自分に主導権を委ね始めた。完全な同化が始まる。]
これでますます、かくれんぼが、上手に出来るぞ。あははははー。
[だが油断は出来ない。この少女は随分しぶとい。「同級生」のやつらを前にすると動きが鈍ってしまうのを、もののけは自覚していた。]
早く、あいつらぜーんぶ、捕まえまないとなぁー。
[水鏡の向こうに閉じ込めてしまえば安心だ。ただの餌になるだけだから。ただ、今日は。少し大人しくしていた方が良いかもしれない。もののけは邪魔者の事を考えていた。]
[ごろごろとしている内にすっかり日も傾いてきてしまっている。結局家から出られないでいた。]
どうしよう。
……みんなどうしているんだろう。
[そわそわと落ち着かない。しかし、部屋を出る気にはなれなかった。どこに居ても同じなのだろうけれど。]
[窓枠に手をかける。暑いけれどどこか湿った空気が、再び夜の匂いを纏いつかせているのを感じている。]
かみかくし。
[みんな、どんな思いで今夜を迎えるのだろう。]
クルミちゃん……。
また泣いてないかな。
[ふいに顔が浮かんだ。笑顔が印象的な元気な子だとばかり思っていたのに。と、昨日の彼女の様子を思い出す。何となくまた今夜も出かける気がした。]
怖がりのくせに……。
[そして他の友人たちも、もしかしたら。]
駄目だよ。みんな。
夜は怖いからね……。
[祈るような気持ちで呟きながらも、どこにいたって変わらないという気もした。例え家の中にいたとしても……。
勢いよく窓を閉めると、暑さの中、布団に*くるまった*。]
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