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最初に慌てて書いた願いとは180度変化した願いです。
自分の設定貫くのが苦手という…、いつも(といってもRP村は初めてですが)周囲との接触でPCの思想が変化していくタイプです。
問題は、どうやって死ぬか?
A案:狂って自殺(当初の設定)
B案:急性心筋梗塞
[あてもなく、人形を託すべき人間を探す為にエレベーターではなく階段を使用した。
動悸がやけに酷い。落ち着ける為、幾度か手摺に捕まり呼吸を正す。
その間、廊下の奥手から看護師の会話が聞こえて来た。
『小児科の、チカちゃん』
『そう、元気だったようだけれど、昨夜急に……』
三つ編みの似合う少女の顔を思い描く。
今まさに、生死を彷徨っているところだと、鼓膜へ伝う。
人形を手にしたまま、背筋を伸ばした。
田中と沢渡に接点があったのかは解らなかった。けれど、彼女ならばきっと、田中がそうしていたようにこの人形を大切にしてくれるだろうと、咄嗟に感じた]
[314号室には医師や看護師が集まっていた。医療機器を運ぶ技師達の不思議そうな視線をよそに、母親らしき人物へと近づく。先程、擦れ違った人物だった。]
沢渡、さん……
[寝台に横たわる沢渡の頬には血の気が感じられず、まるで精巧な人形のようにも思えた。
胸の奥に、ちり、と痛みが走る。]
沢渡千夏乃さんの、お母さんですか…?
もし、良かったら……、この人形を、……彼女に託しても、良いでしょうか…、
[努めて平静を装うも、息切れて掠れた声音で女性にそう*告げた*]
[沢渡の傍に佇む母親へ、浅く会釈を返す。
驚いた様子は尤もだった。横たわる沢渡を一度、見つめる。
そういえば彼女も、いつも同じぬいぐるみを抱き『弟の次に大切だ』と言っていたのを、思い出した。]
この人形……、奇跡的に、……戻って来たんです。
沢渡さんならきっと、大切に、してくれると思いまして。
……元気になるように、…願掛け、染みたものですが。
[さらり、金色の人形が零れ落ちる。
そっとそれを母親へ差し出した。]
[反芻される『奇跡』の言葉。
奇跡に頼る他無い現状を課せられた少女の運命が、余りにも酷だった。
母親へ人形を手渡すと、これで良かったのだ、と安堵する心が存在した。
母親が少女の傍に人形を置いてくれたなら、酷く穏やかな表情でその光景を見つめただろう。
人は死んだら、そこで生涯を閉じる。
霊魂になって生者を見守ったり、天国へ向かう、という思想は持ち合わせていなかった。
けれど、せめて。
この病院で起こったすべての死に誘われた者達が、残されたこの少女が淋しくなければ良い、と。]
『柏木先生、急患です。応援をお願いします。』
[不意に背後から耳打ちされ、我に戻る。]
申し訳ありません、――僕は、これで。
[沢渡の母へ会釈し、一階へと*戻っていった*]
階段:踊り場
[静かに沢渡の部屋を後に、急いで搬送室を目指した。
目指した、つもりだった。
このところ、録に眠れていなかった。
精神的に不安定な為、数種の薬を服用していた所為もあっただろう。
冷たい汗が額を滑る。眩暈で地面が揺れる。
胸が、締め付けられるような痛みに襲われた。
壁に凭れて胸元を、強く掴んだ。]
いやだ、……死、ぬのは、…… 、
[ 嘘だ 死にたくない
どうして 何故 こわい
助けたい たすけて
生きていたい ごめんなさい
ひとの ぬくもりを 感じたい
――生きていたい。
何があっても たとえ自分が死神だとしても]
[震える指先で白衣のポケットを探り、父の形見の、柏木と『誰か』が直してくれた腕時計を握り締める。
血圧が上がっていた。視界が赤に、染まる。
……は、ぁ……、…… っ、
苦しい。気管が狭まる。
薄く開いた唇から零れる言葉は、もう音にはならず。それでも、意思だけは大気へと溶けていく。
人は最期の刻、何を望むのだろう
もしも、願いが 叶うなら――]
『 』
[自分の声の代わりに哀しげな白鳥の鳴き声が、聞こえた気がした。
医師はその場に崩れ落ち、意識を取り戻す事はなかった。
けれどポケットの中の時計はずっと、時を刻み続けていた。
陽光が傾き掛けた頃、人の気配の欠いた階段の踊り場で医師の遺体が見つかる。
急性心筋梗塞だった**]
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