[云いながら、小姐は大股で店内へ歩み来る。
眦の切れ上がった双眸は、バクを軽く睨んで。
それから、
オーナーと呼んだ相手――ンガムラを見遣る。
さしたる混雑もなかったランチタイム後の、小休止。
小姐の両手にはひとつずつ、熱々の小さな*蒸籠*]
[>>9青いパステルで描いていた『扉』の絵から顔を上げる]
ライデン先輩どうしてこんなところに。
あはは、さてはもう大学がイヤになっちゃいました?
/*
まて、この店が一体何屋なのかなやんでいる。
まだコーヒーボールあるかというのだから、古い店である気がしている。
そしてパオリンが出てきて中華になった。
ぶっちゃけコーヒーボールがなにかという話だが、ハイボールとかと同じイメージで居たのだけれど実際どうなのか。
でも「こーひーぼーる」だなんて、アナタ誰から聞いたの?
[グラスを扱う手にはハンカチ。
お供えと聞けば先代から譲り受けたレシピ、ぴらぴら捲る手を止めて]
お供え、もうそんな時期か。
そう言えばおねぎちゃんがトリュフチョコ、美味しそうに食べてたわあ。
ま、あの人が美味しくなさそうに食べてるところなんて見たことないけどね。
[店の奥から響く声にびくりとしたら、注いでいた炭酸がグラスから溢れた。
慌てて布巾をかき集める]
え、あら、だ、大丈夫よ。
慣れたもの、指紋のふたつやひとつや……ええと。
[パオリンと合わせた目は多分動揺ありありとしていて。ただ両手に持っている食べ物を見れば]
アナタも美味しそうに食べるわよねえ。
[感心したように言った]
/*
このンガムラは多分病的に忘れっぽい。壊れた腕時計を直そうと思っては直せずにいるくらい忘れっぽい。
あと何も始まらないうちにエピになりそうな気がしているが大丈夫か。
大丈夫なのか。
誰がなんの役職なのか解らないぜ(ほし)
寄る年波には勝てません。
ってネギヤさんよく言ってるやつですか?
[>>16ライデンに、にやにや]
文化祭用に絵本描いてるんです。
[青だけで描かれているスケッチブックをぱらぱらとめくる]
[小姐はレンゲに小籠包をのせて、
あつあつの肉汁をちゅっと啜る。]
、、 、…
んん 〜〜〜 っ
[口の中をヤケドしそうな其れを飲み込むと
眦の切れ上がった双眸は満足気に閉じる。]
おいしいっ。
心配しなさんなって、バク坊。
お供えものはとびっきりのを作ったげる!
…これ食べたらねっ?
[思いっきり客を後回しにした。]
/*
パオリンとミナツがデフォなんだが
どっちを活かそうか。
大きい方を残しで。
パオリンだったらバクとンガムラで大きい方にセット。
[美大生 ライデン > 迷い子 バク > 学生 ニキ > 美術部 小鳥川 ミナツ > 小姐 パオリン > 化粧師 ンガムラ]
せっかくお祭なんだから、浴衣着てヨーヨー掬ってわたあめ食べて射的してりんごあめ食べて星のお菓子交換したりしたいじゃん。
[ライデンと距離を置くニキに首傾げ]
あ、ニキちゃんです。
こちら美術部の先輩だった、ライデン先輩。
[>>24ライデンの腕の動きに一度肩をすくめたが、小さく笑いながらスケッチブックを差し出す]
打たれ弱いので酷評はやめてくださいね。
星が降る村のお話です。
流れ星に乗って宇宙からやってきたうさぎ型の生き物が、みんなの願いを叶えてくれるんです。
でもそれには代償が必要だったとわかって―ー……以下つづく。
うん、ヨーヨーすくいも綿あめも
射的もりんごあめもカラーひよこも
イカ焼きも星のお菓子の交換も楽しみだけどさ。
[浴衣はニキの「楽しみ」に入っていないようだ]
は、はじめまして!吉岡仁希です!
[ミナツの紹介を聞いてあわあわと挨拶をし、視線を合わせず頭を下げた]
[そこでライデンのバッグにあるキャンバスが
僅かに覗いているのに気付く]
[その色に、目を奪われる]
おねぎさんか、なるほど?
[バクの答えに目を細めると、綺麗に拭き直したグラスをカウンターに置いて……コースターの向きもきちっとまっすぐに置いて、どうぞーと手で示し]
キノコのチョコ? あらん、アタシ食べたこと無いわ? ……の山のなら美味しいんじゃない?
おねぎさんなら……あら、そういえば遅いわねえ。
[忘れっぽい男はようやく来店の約束思い出し、腕時計を見る。しかし腕時計は止まっている!]
[バクの悪態をよそに、健啖ぶりを発揮して――]
[やがて、ほうと吐息ひとつ]
…
オーナー、知らないの?
[ふと静まり返った瞬間に、ぽつり]
[眦の切れ上がった双眸が、くりくりと動く。]
ネギヤさん いなくなっちゃったんですよ?
[ミナツの描く絵本の話を聞きながら]
へえ、ロマンチック……と思わせといて
シビアな内容だね。
だけど星が降る村って、ここがモデル?
昔隕石も落ちたみたいだし。
みんな知ってるのに
誰も 何も 言わないんですよ
[小姐の唇は微笑むかたち。
指先が一度、喉から下へ辿る。]
… 腑に 落ちない。
[声は微か 言葉通りに*震えた*。]
おねぎさんが?
[くりくり動く双眸に、ぱちりと瞬きを返す。
小さな嫌みに言い返すのも、食べ物に向けられる情熱にも、後回しにされるお供えさえも、つっこむ間がなく]
腑に……確かにそうだけれど。
え、それじゃ……
[布巾を持つ手が、忙しなくカウンターを拭く。
震える声に、問うような視線をバクにも向けて]
今晩のお料理のお代、誰が払ってくれるの!?
[心配するところを*間違えた*]