[2つめの問いを後回しにして、
同族の震える手を徐ろに掴む。]
"名乗り"は先にあげろ。
[――強く引く。風。飛翔する。]
つい応えちまいたくなるようにな。
[降り止まぬ雪は、去りゆく者の足跡を
味方もせず敵ともならずただ覆い隠す。
人狼の存在を真に覆い隠せるものは、
ヒトの、あるいは狼の"群れ"であり。
其処を離れた人狼を追うのは魔には容易いが]
…
つきあうのは村外れまで、だ。
. ノーマン .
[土着の魔である"誰でもない男"は、
それ以上追わないと告げる。]
[娘の歳は16だ。
そこで歳を数えるのをやめてしまった。永遠に。
自分が両親に捨てられた理由も、
人狼の容疑者として名を挙げられた理由も、
それを幸いと雇い主に捨てられた理由も、
永遠に知らぬまま、死んでしまった]
[旅人の歳は37だ。
16年の旅路の間、目的地にたどり着くことは終になかった。
迎えに行った娘にも会えず、
娘を手放さなくてはならなかった理由を果たす事も出来ず、
自分を旅路へと送り込んだ男に再び会うことも出来ず、
人ならざる者にかみ殺されて、死んでしまった]
[娘は虚ろに思う。
寡婦が去り際に答えた言葉を。
悲しむ者がいない人間は生きている甲斐もない。
自分の死を悲しむ者はいないし、
自分も自分の死を悲しんだりしない。
なるほど。と娘は思った。
けれど死体は、*笑わない*]
/*
あと少しお時間があるけれど、まぶたが仲良しになってきているのでおやすみなさいします。
夜時間はもっと使い道がありそうなーと思いつつ、ささやきじゃないささやき枠はなかなか楽しかったです。村建てのせばすさん、共有者仲間のくまさん、ご一緒してくれたみなさん、ありがとー
おやすみなさい。
らしくないな。
[>>14 ヤワ、という単語に笑みが零れる。
包丁は炊事場に残して、集会場を出てきた]
マスターは私など連れて行こうともせず一人で逃げて、おまえはおまえで村の外には行かないと言う。
どいつもこいつも、薄情者め。
せめて、とめてくれないか。
[震えを、あるいは復讐の念をどうにかして欲しいという思いは、願いというよりも弱音に近い。
かつてネリーだったもの、その残像がちらついて、思考がかき乱される]
―― 村の入り口 ――
[同じ場所へは二度と来ない。
総てを喰らいつくそうが、まだ獲物が残っていようが、命ある内に立ち去れる幸運に肖る獣は、場所を捨てる。
第三の介入者が居たお陰で、思うように狩りが出来なかった彼は、痕跡が消えかけた村の入り口にてふと立ち止まり、短いため息を吐いた。]
別れを惜しむことなんて感傷的なこと。する間柄じゃないし。
早く去ってしまいたいんだけどなぁ…。
[聲を封じた人狼は、この村で出会った聲が聴こえるひとに囁くことはもうない。踏み潰す雪の感触を確かめるように、また一歩踏み出せば、もう後ろの世界は過去のものになる。
躊躇うことなく次の歩を進めるだけなのに、彼はその次の一歩を踏み出せずにいた。]
……気のせいかな? なーんとなくいけ好かない臭いが鼻につくんだけど。
きっと気のせいだよね。だって僕等が奴らを殺せないように奴らには僕等は殺せない。
[一度閉じていた本を、気紛れに再び捲りだす。
辺りにははらり、はらりと擦れる紙の音だけが、暗闇に響いては雪に存在を*奪われていた*]
/*
あ、間に挟まってしまった(*ノノ)
校門の上から飛び降りてラッセルに激突したい衝動を抑えながら一旦おふろって来ます。
……寒いな。
[ふと、目を開けた。
ベッドから身を起こし。窓辺に向かう。
夜は更け、煌々と輝く月。
──月を掠める影が見えたような気がして、思わず窓を開けた。寒気も気にせず身を乗り出す。]
/*
離席記号うってませんが、とりあえず休ませていただきます。
何かもしくは誰かが飛んでいるとなると、時系列がちと妙な具合になりそな気はしますが……。
*/
学生 メイは、丸投げた**。[栞]
いや、やっぱりいい。
前言撤回する。
村の端まででもいいから、一緒に行ってくれ。
[首を横に振って、目を細めた。
願い事は、三回も*唱えない*]
酒場の看板娘 ローズマリーは、私もここらでおやすみなさい[栞]
しかしなんで僕はこんなところで立ち止まっているんだろうね。
[自らを追うものが厄介であることは見当が付いているにも拘らず、彼は冬の夜に佇む。
そもそも厄を齎す存在とは自分等のような立場からは邪魔以外何物でもないが、相手からは異端審問に係らない限り脅かす存在でもないだろうに。]
――気まぐれとか。
それとも…喰った相手に特別な情があった、とか?
[嘲笑のように口許をゆるく歪めて、ふと思い止まる。
特別な情とまではいかないが、自らもまた、聲の届く少女へと興味本位で問いかけていた。]
「わからない」か。
[同じ人間(なかま)が命を奪われる事について。少女は「わからない」と答えていた。両親が死した時は悲しかったがと付け加えて。]
時が許したなら、もう少し話してみるのも良かったかもしれないね。
でも――…
[体温を奪われつつも感興に熱のこもる唇を、指でなぞる。
紡ぎかけた言葉は、浚うように吹いた一筋の風によって意味を失った*]
/*
進行中、ラッセルのレシーブいいなぁと思っていたのだけども、キャスト見てかのんさんだったのでなるほど!と思った。
という今更の話をしつつ一瞬だけ顔出し。
酒場の看板娘 ローズマリーは、大掃除が終わる気がしない*[栞]
[宵の窓辺、女学生が見た月過ぎる陰は、
一見して、細長い首持つ大鳥のようで。
然し、飛翔の軌跡が
降下に転じて身を翻すと――
輪郭を歪め、ふたつの人影にわかれた。
降りゆくさきは、村外れ。]
―― 村と外の境目 ――
ラッセル、待て、忘れ物だ!
[まだ暗いうち。近くの木々から聞こえてくるのは梟の鳴き声くらいのもので、多少の距離があろうがローズマリーの声はいくらか届いただろう。
掲げた右手には細い紙切れが揺れる]
栞がないと困るんじゃないか?
[漏らされた同族の弱音は、
無言に容れて道行き伴う儘。]
15年。
…訊かずにいるのも、
焦れるもンだぁな。
[彼女が秘める"復讐"を。]
あーあ、ベッドで愛を囁いていてくれたら良かったのに。
それとも、デートの途中だったとか?
[風が、変わる。頬を撫でる感触に目を細めて、彼は空を見上げた。
ため息交じりの冗談は軽く、一度宙に舞い足許に転がる。]
なら、僕は邪魔ものだよねぇ。
ねぇ、そろそろ帰ってもいいかな? 僕、君らに追われる必要が無いと思わない?
[しかし、忘れ物と声を掛けられると訝しげにも声の方へ振り向く。]
栞?
べつにいらな――…
[言いかけて、口を噤む。思惑があるのなら乗ってみるのも一興かと思い、気まぐれに相手の出方を窺う。]
ベベベベベッドとか誤解もはなはだしい!
[通常比1.5倍のスピードでラッセルへ近づいていく。
差し出したのは一見すると普通の栞だが、年季だけはやけに経っていた]
人狼というのは、逃がしたら、またどこかで喰うんだろう?
次に会ったら、絶対に逃がさないと決めていたんだ。
[手を離すと栞は風に乗る。
代わりに手にした銃を向けるが、どうしても震えてしまう]
/*
村閉じ前のご挨拶は余裕をもって。
皆様ありがとうございました!
忙しない時期に突発でしたが、シリアス一辺倒ではなくあちこち笑わせていただいたりで面白かったです。
秘密会話というのはやっぱ楽しいね…
またどこかでお会い出来ましたら、どうぞよろしくお願いします。
別に照れる歳でもないでしょう? お姉さん?
[予測より速いスピードで近づく姿に瞬きはしても、口許を歪めた表情は変えず。]
そうだね。だってそれが僕らの生きる糧だから。
人が家畜を殺し、植物を刈り、血肉へと変えるように。
[ローズマリーの手から離れた栞は、夜風に舞う。
ひらひらとあてもなく彷徨う姿は、まるで彼自身のようで。]
つかまえた。
――で、僕じゃない誰かの恨みを、僕で晴らすつもり?
[向けられた銃口に、彼は鮮やかな微笑みを向けた。]
照れてるわけじゃない。
[真顔で返して、息を飲む]
逆恨みだと思えばいい。
でも、こうしないと私はずっと後悔したままだ。
[顔をゆがめて引き金を引く。
響き渡る銃声は1つだけ]
[硝煙の臭いがいやに鼻につく。鮮血が辺りをひとつ、ふたつとしたたり落ち、まるで雪に散る花のようだとどこか夢見心地で彼は眺めていた。]
逆恨み、ね。それにしては代償が大きかったかな…。
[弾丸をかわすことは、おそらく出来ただろう。しかしあえて受け止めることを選んだのは、この村を以前襲ったのは――]
ねぇ、これで気が済んだ? 気が済んだなら、そろそろ夜が明けるから。
僕は――…
[返事を待たない人狼は、最後に一つだけ笑みを落し。本来の姿へと姿を変え、村の外へと*消えた*]
気なんて済むわけないだろう。
[唇を噛み締めて堪えたが、涙があふれる。
首を小さく左右に振った]
死に様さえ見せられなければ、咎めたりしなかった。
[自分を正当化するような言葉を吐き捨てて、赤い地面にしゃがみ込んだ]
見習いメイド ネリーは、見届けた! お疲れ様でした![栞]