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[友という言葉に。その男の言い回しに、思わずくすりと笑いを漏らす]
……あれには解釈がいろいろあるのですよ。彼女は……おっと、まあこの辺りはお礼の内では多すぎるかな。
[占い師の女性にも、帽子を取り、会釈をして]
それでは、卿。
[また、とは言わない。ただ、会釈して、特別室を後にする]
─廊下─
[脳内に展開されるのは、以前に見た列車内の見取り図。
自分が列車を破壊するならどこか?]
運転席かしらねぇ……やっぱり。
[床にハッチあったなぁとか思い出しながら]
止まってるし、もうすぐ修理の人来るみたいだし?
[アナウンスをききながらうんざり顔]
急がないと。
そろそろ終わりなのかしら?
私も次の勤め先を見つけないといけないわ。
[困ったような口ぶりだが、表情は新しい獲物を探す獣の様な表情を浮かべて、]
今度は面白い書物に出会えたらいいんだけど、上手く行くかしら。
[荷物は殆どない。
でも女な身一つさえあれば、どうにでもなる。]
じゃ、御元気で。
[その姿は貨物車から消えた**]
[脇腹をなぞる。そこには昔から痣があった。
自分を捨てた母の国は、醜いと痣どころか自分の存在すら認めなかった。
でも、その痣はスティグマに似ていたから、日本人として
正教会所属の免罪符を手に入れられた。
このままいけばイルクーツク。その先にはウラジオストク。
軍港のある街だ。
そこで列車が街に突っ込んだら、どうなるだろう。
目的は、軍と、列車と、国力と。総てに打撃を与えること。
そして、父なる芬蘭の大地に再び歓喜を取り戻すために]
[部屋を後にして「誰も寝てはならぬ」を口ずさむ。希代の歌い手が口ずさむより遙かに劣る、歌]
まあ……そうでしょうね。彼女、変わり者でしたから。
[くすりと笑う。
あとは、真っ直ぐにエカテリーナ号に向かうだろう。ウルスラは、失えない。約束がある。それに――]
また喪服呼ばわりされるのも癪ですから。
[何が出来るかなど、知るわけがない。先は見えない、占い師でさえ見通せないのだから当たり前かと思う。けれど足掻くのは自由のはずだ**]
でしょう。ヤナーチェク?
Au revoir, Voie ferrée Transsibérienne!
Jusqu'à ce qu'un jour voir encore!!
(さらば、シベリア鉄道!
また会う日まで!!)
[走り出したその先に、キキーッと車輪を軋ませ、蒸気自動車が停車する。
次々と、ワゴンから包みをその荷台に放り込むと、自身も助手席に飛び込み、イルクーツクの街を、いずこへともなく走り去った。]
[三等車の連結部分から地上に降りると、一等車の横を抜け、列車下にもぐりこむ]
どう考えても、ドレスが汚れるわねー……いやになっちゃうわ。
……なんか操作されてるわけじゃなさそうだし……?
[じーっと配管を見ている]
[悩んでいる間にヴァルテリの姿は見えなくなり、結局ウルスラの前へしゃがみこむ。
猿轡を外して喉元へナイフを押し付けた。うっすら血が滲む]
えっとー…秘宝のありか、おしえていただけませんか。
お、ちょっと待て。
[ドライバーに命じて車を引き返させる。
列車から走って出てくる人影を回収すると、再び車は北西を指して走り出した。]
[みな出ていった貨物車の中で細巻きの煙草に火を付けゆっくり吸いながらチャイを飲み干す。しばし後煙草を吸い終えると無線機を取出し]
本部こちらジャック7、リトルラビットは籠から飛び出した。檻から完全に逃げ出す前に捕まえたほうがよいのではないかな?あ、何をする!やめ
[途中で言い止め銃で無線機を撃ち壊した]
なーんてね。
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