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「刑事さん」にも、おひとつ。
ご心配なく、もう何も仕掛けてはございませんよ。
もう、その必要もございませんから。
[あくまでもにこやかに、灰色のバクが入ったカプセルを*差し出した*]
…はい。ズイハラさんも、お気をつけて…
じゃあ僕は、水でも飲んでからここに戻ります。
ポルテさんをよろしく、レンくん。
お大事に、ポルテさん。
[自らはダイニングへ足を向けながら、皆へと。]
忘れ物は…明日でもいいかい?
…ならよかった。
おやすみ、プレーチェ。
[青年が面々へ向ける眼差しは、言葉とは裏腹に
幾らかの警戒と疑惑を含んではいたけれど――
いもうとを労わって向ける笑顔へだけは、
それは…欠片も含まれては*いなかった*。]
[――静まり返った、ダイニング。
青年は独り、ほどよく醸された甘酒を口にする。
保温容器のタイマーはロックが解除されたばかり。
保証済の安全に、皮肉だな…と苦い呟きが零れる。]
…あんなに、賑やかだったのにな。
[思いに耽る間は幾許か――
やがて、甘酒のカップを手に悄然と場を後にした。]
[毒殺請負人の青年が、
もうひとつ口にしたものがある。]
…ごちそうさま、爺や。
[カウンターの上、放置され――冷めきった紅茶。]
あたたまったよ。
[血圧降下剤の効果は、もう切れて居る。
感じるあたたかさの故を、死せるピエトロへ伝え。
然し通信に返らず…笑みながら悄然と俯く。]
…もう飲めないんだね。
[廊下では、風雨に軋む雨戸が朝に割れたガラスを
震わせていた。青年は零れる欠片を避けて通る。
硝子に混じって散らばるのは、折れた庭木の小枝。
青年は、其れ――杏の花枝を拾い、甘酒に添えた。]
…ビセさん。
ひなあられは、添えられませんでしたけど…
[玄関のつめたい床には、ふたつの死体。
そのうちのひとつ、ビセの其れへ声をかけると、
シーツから覗く華奢な手の傍へ花見酒を手向けた。]
召し上がれ。
[そして他方――ピエトロの其れを見下ろす。
折れた枝を共に支えてくれた、老いた手の主。]
貴方には… 何を手向ければいいでしょう?
[困惑の儘に囁いて、辛そうに、緩く首を振る。]
[やがて青年はプレーチェが休む部屋の前へ戻り、
扉の前へ腰を下ろし厳しい面持ちでうずくまる。
そのとき既に、青年の妹は室内で息絶えていて。
眠るポルテの部屋では、毒入りの加湿器が音無く
しろい蒸気を吐きはじめていたの*だけれど*]
[山荘に備え付けのシャワールーム。大き目のハンチングを脱ぐと、ヘアピンを外す。
中で纏めていた黒髪がはらりと広がり、その位置を整える。
サングラスを外し、マフラーから顎を解放し、そのまま身を包む物を一つ一つ取り除いていく。
窓の外では、耳障りな風雨の音が絶え間なく警告を発している。シャワーのコックを捻ると、湯を一気に頭から浴びる。
水の重みを帯びた黒の隙間から垣間見える姿見。そこに映ったアンと同じ顔に指で触れ、頬をなぞった。
鏡の表面に引かれた指の痕を、シャワーの湯が流し、消していく。
しばらく、湯が髪と全身を禊ぐ。鏡に映った口元が、引き締められた。
キュッ
コックを捻る音がやけに鮮明に部屋に響いた**]
若様。
[生前と同じに、襟元の通信機だけが拾える発声で呼びかける。その声が小さな機械に拾われることも、相手に届くことも、もう無いのだけれど]
最後に、お茶をお出しできまして、よろしゅうございました。
私の方も、若様とお酒を頂けまして、嬉しゅうございましたよ。
ただ、贅沢を申せば――
[続きは、はっきりと声に出す]
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