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やっぱり「この世界」はどこかが変だ。
……そんな妙な「死」であるならば。
仮に、あの透明なガラスを突き破って、適応できずに還る……そのほうが、ずっとずっとマシ。
…世界との結びつきを見つけることができるまで。
ぼやけた記憶から意味を見つけることができるまで。
俺はやっぱり、眠れない。
俺は……望んで彷徨う。還るその時までは。
[その言葉は―――決意。]
アン、ここですか?
えっと…?
[赤い花をかき分けのけてみると、
西欧の文字で記された下、花に隠れていた、
東洋の文字の綴りと、5桁の没年が露わとなる。
数字には、どこか覚えがあるかもしれない。
その傍の墓標に刻まれた、数字は4桁]
アン…?
[確かめるように振り返り、かろうじて届いた囁きは…幽かで、とても聞き取りにくかった]
ら く え ん …? と、何…?
もしかしてアンは…
眠る前のこと、覚えてるですか?
[刻まれた数字を見比べ、また向き直る。
すると長い髪の少女は、
肯定も否定も伝えず、手を挙げ今度は上を、
硝子の天井を包み込む素振りをして。
そして空中へ溶け込むように去って行った]
[その時ひときわ、
カナメの声が高まる]
カナメ…?なに…。
ルリが、生き延びる為に…?
ミナツ…?
ミナツが、どうしたですか…?
ミナツの所為でレンが…?
そんなこと、ミナツ、言ってたですか…?
わかりま、せん…。
なにを…はい、
ミナツには、死者になってほしくない、です…
[やがて声は、優しげな調子を湛えてきて]
手向ける。
[扉の前でしゃがみこみ、、
幾度も幾度も吐かれる言葉]
どうして、ですか――。
死者って、なんですか。
[地を這う蟻へ、差し出された指]
[見えぬものとの対峙は続く]
――いいえ?
カナメは、良いものだとおもいます。
それにカナメだけじゃなくて……
…さわげばいい。
ただし ちゅういぶかく。
[含蓄じみたこれは、
ルリ自身の言葉ではない]
せかいが かんまんに ちんもくしていく…?
[蟻を手に乗せたまま。
届かぬ扉を、knockするフリ]
……ずっと、思ってたです。
テンマは、いぢわる です。
そのくせ――
[あとは、口をつぐんだ]
鍵はまだ、かえしてあげない。
[ポケットの中身へ触れて独り言。
いましばらくは必要と。思ったか]
振り回したら、
…蟻、目を回してしまう、です。
[立ち上がる際には、よろめいて。
より緑が茂る所へ、蟻を連れて行こうと
樹の間に消え行く姿*]
誰に?
何を?
[“手向ける”ことを尋ねても、答えは聞こえない]
カナメ……
[泣かないで、という声は風に飲まれるほどの*か細さ*]
箱入り娘 プレーチェは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
大きな疑問点は4つ
1.どうして眠っていたのか
2.起こしたのはなぜか
3.記憶を失っていたのはなぜか
4.手向けるのはなぜか
各個人とか役職周りの設定はおいておくとして、物語全体でこれが解けるとすっきりするんだろうな。
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