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[電車の速度が急速に緩やかになって行く。次第に頭上から降車駅のアナウンスが流れ始める
眼の前の者は尚も意地悪げな表情で見つめる>>19が、立ち上がって踵を返した。
途中、女学生の方を向いて何事かしたようだった。動き方からするとウィンクだろうか]
‥‥‥‥‥。
[ちらと傍らの八朔を見やる。そして思い立ったように鞄の中に手を入れて、何かを探す
見つけたと見るやそれを持って立ち上がり、図太い鼻歌と咳払いを発する者>>20の所へ向かう]
………ん。
[ドアの前に立つポルテの後ろから、営業に使われるポケットティッシュを差し出す
そこには数駅先のソフトウェア開発会社の名前。その横に担当者の名前を書き込む欄がある
そこには"須井原"とペンで書かれていた
相手は受け取ったかどうか]
[昔を振り返りつつ、
弓道部男子は車内を歩いた。
小さな少女が何かを差し出してるらしきを横目に、
なにやら怪しい雰囲気の大人から意識的に目を逸らし、
進行方向へ足を向け]
[ルリが成功体験にひとつ気分が大きくなっていました、が、やはりお姉さんが綺麗に笑うと、少しどぎまぎしました。にっこり。花がひらくみたいに、お姉さんは笑います。ルリの知ってるお友達とは、少し笑い方が違うのです。なんて言えばいいのでしょうか、きっと、お姉さんはこういうふうに笑うことに馴れているんじゃないかな、なんてルリが思うほど、自然にきれいに、ルリを安心させるみたいに笑うのです。]
[お姉さんが「お返し」と言うと、ルリは瞬きしました。
ルリは用意のいい子ですが、「お返し」に関してなにも考えてはいませんでした。そう言えばそうですね、御挨拶というのは相手からも返してもらえるものでした。おはようと言ったらおはようって、ありがとうって言ったらどういたしましてって。ルリはそういうところは思い当たらなかったのです。]
[なので、ルリは勢いよく、首を左右にふりました。結んだ髪の毛がぴょんぴょん跳ねて、くっついたリボンがふわふわ踊ります。
これで「お返し」はいいのだと、お姉さんにも伝わるでしょう。]
[でもその代り、ルリの目はお姉さんの隣に向かいます。
大きなケース。いったいなんなのでしょう。ランドセル? ルリの知らないものです。
ルリは差出していた手を体の前で揃えて、それからお辞儀しました。『引っ越しのご挨拶』の最後とおんなじです。
そうして、少し慌てて、パタパタと。あっ車内は走っちゃいけませんでした。早足で自分のリュックサックのところへ戻ると、椅子には座らずにリュックサックに抱き着きました。やったよお婆ちゃん、ルリひとりでもあいさつできたよ――お婆ちゃんには届かない、ルリの無言の祝杯です**]
[屈んだ姿勢のまま、視線を上へ。
女子が座っていたんだっけ……? と思った通り、
捉えたのは眠りこける男子学生だった。
しかも寝言付きの男子学生だ。
手の中に携帯を収めながら、
弓道男子は少しだけ、
不自然でないくらいに、その姿勢のまま。]
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