情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[ともあれ、男もこの女性も、何事かに巻き込まれたと言えるだろう]
…随原と言う。
君は。
[先ずは名乗っておくべきか、と言葉少なに女性へと名乗った。
灰色の空からは細かい雪が緩やかに舞うように降っている。
髪やマフラー、コートが小さな結晶に彩られていく*]
―ショッピングモール前―
むぐっ。
[異変が起こったのは、二つ目の焼き芋を食している時の事だった。
聞き慣れない鐘の音に瞬きをして、その源を探してきょろきょろと首を動かす。
それから鐘が鳴り終わるのを待っていたかのように、吹き抜ける冷たい風に身を竦めて。
現れた白いウサギの姿に、目をまんまるくした。
なお口は最初の鐘で一瞬だけ止まったが、それ以降は一本を食べ終わるまでずっともぐもぐしていた]
……っく、はぁ。
えっと……ってもういねーし!
[そんなこんなで最後の一口を飲み込んだ時には、既にそこには何もいなかった]
やっべ、なんも聞いてねーわ……
つーかここどこよ?何で雪降ってんよ……さっむ。
[暖を求めて焼き芋の袋を抱き締めながら、辺りを見渡した。
周囲に人影は見当たらない]
ちょーもーワケわかんなー。
イマリンに電話しよ。
[混乱しつつ、今の状況を友人に愚痴るべくスマホを取り出して、数秒]
はああぁ!?
[悲鳴にも似た声が上がる]
えーちょっとマジで……こんな時にバグった?
[待ち受け画面の時計、過去に送ったメール、アプリの名前、その殆どがあり得ない数字を示したり、文字化けしていたり]
ありえねーっしょ……
[最早半泣きになりながらそれらを確認していく。
やはり滅茶苦茶な電話帳の中、何故か唯一無事な名前を見つけるのは多分もうちょっと先の話だ**]
夢、なのかな…
[ぼんやり独り言。
子供の頃、夢と現実の区別がつかなくて、傘で空を飛んだとか、飼っていた小犬と言葉を交わしたとか、本気で周りに話してた。
自覚なく嘘を吐いてるから、たちが悪くて。
一人ずつ少しずつ、話を聞いてくれる人が居なくなった。]
マール…
[真っ白な雪の街。
もう居ない小犬の名前が口をつく。
事故で怪我をして、でも家が貧しかったから病院になんて連れて行って貰えなくて。
三日三晩ずっと胸に抱いて過ごした。
勿論学校の教室には入れないから、公園のブランコで、ゾウさんの遊具の中で。
水を飲んでも戻してしまう状況で、それでも、懸命になんとか生きようとして。]
あ…、いつから、、、
[というより。]
同じひと、ですか?
[そんな疑問がふと浮かぶ。
姿形は同じように見えるけれど。
夢のなかのひとが、これは夢だよって教えてくれる訳はないけれど。]
兎さん、立ってましたね。
[また、不自然に笑みを浮かべてしまう。
何が何だかよくわからない状況。
そうでなくても、いつも。
どんな時にどんな顔をしたらいいのか、わからない。]
[同じ人ですか、という問い掛けは、彼女も多分何が現実なのか解らなくなっている証拠のように思える。
曖昧に笑う顔も、なんだか不安そうで]
[頭を落ち着かせようと、大きく息を吸った]
なんだかまだ判らないけど、とりあえず、一緒になんかに巻き込まれたのは確かみたいだから、せめて自己紹介くらいはしときます。
冬木雪人、25歳。
えーと...いちおうモノカキ、です。
[最後の言葉に苦笑が混じるのは、名前だけで解ってもらえるほど有名じゃないと自分でも知っているのと、今の自分が小説家と名乗れるのか微妙だからだ]
とりあえずじっとしてても寒いだけだし...他に人がいないか、探してみますか?
[『たからもの』という言葉には見当もつかなかったので、雪のちらつく空を見上げて、そう提案してみる。
そういえば、新人賞を貰った小説は雪に閉ざされた国の物語だったよなあ、とか、どうでもいいことが頭を過る。ちなみにタイトルは『雪の花と氷の剣』という......当時は正統派ファンタジーという評価だった]
[正統派というのは、要は何の捻りもない、という意味でもあって...そこが今のスランプの原因のひとつでもあるわけだけれど]
(......俺の脳がこんな突拍子も無い幻覚思いつけるなら逆に嬉しいかも......)
[そんな考えが浮かんで、ひっそり落ち込んだ**]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了