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忘れてしまった思い出なら、
その人が思い出すだけ。……ではなくて?
[渡す方法についてマフラーの人が独りごちるのを聞いて]
……。
[勝手にレバーをつまむ]
大将、これだけ客がいるんだから、
いっそ此処で仕入れてもらえませんかね。
[半ば本気めく軽口へは、深酒する女性からも
賛成の声があがったかもしれず。
店内には食後の一杯を引っ掛ける探偵の姿もあって――]
…受け渡しがきくから、"売る"のでしょうし。
どんなかたちをしてるかは、気になりますよね。
[>>22 申し訳なさそうに首を振って]
ごめんなさい。私はあまり知らないの。
――でも、そうね。少しは知っている。かも。
[思い出したように、即座に訂正し]
ぶたの貯金箱いっぱいのお金。
[羊キャラらしき貯金箱を鞄から取り出して]
さっき買っておいたの。
豚。と言い張れなくもない、と思うの。
[『大人になって、忘れてしまった?』
尋ねる少女にオレンヂジュースの瓶を差し出しながら、
背広姿は小さくだが、被りを振った。]
…ずっと?
噂を耳にする前から…ということでしょうか。
[少女が砂肝を注文すると、店主が背広姿を見た。]
…
…僕は熱燗とせせり串で。
[先刻、7連続砂肝を念の為と2回やったのだった*]
[>>27青年にオレンヂジュースをいれて貰って、
少女はひっそりと上機嫌のよう]
そう。
じゃあ、元々ないものを、探しているのね。
[ふるりと、一瞬睫を震わせてそう言った]
いいえ。もちろん噂を耳にしてから。
でも幸せにしてくれる誰かをという意味なら、
ずっと。
[ひげのおっさん、に反応した探偵>>19にはそのときには気づかず。
芸人が声をかけてようやくそちらへと視線を向けた。
口ひげをそろえている男を見やり、どちらかというとあまり手入れのされていない自らのひげが生えているあごに手を当ててざらりとなでた。
あごに触れるのは考えるときの癖のようなものでもある]
ただの都市伝説ならそれはそれで……諦めもつくが。
いないとはっきりしないかぎりは、な……
[客を選ぶとも、対価さえあればどんな人物でもいいとも、噂はさまざますぎて混乱するだけ。
他の客の話も聞いては考え込む。
――考え込む間にも、焼き鳥を口に運ぶ手はとまらなかった**]
そうか、そのおねえさんは、トラかい。
[女性が本来呼びかけた「ひげのおっさん」と、自分に声をかけてくれた青年とを代わる代わる見て、肩をすくめた。]
『…思い出…』『──噂』
[そんな言葉が、ビールを口にする探偵の耳に断片的に飛び込む。]
ん?思い出屋ってのはあれだ、都市伝説って奴じゃあないのかい?
[再度振り返り、年齢層も性別もまちまちな客たちの誰にともなく、そう尋ねてみた。]
[悲壮な顔で砂肝を食べるレンを見た]
鬼だわ。
[続く言葉>>29に軽く首肯して]
中身ね。自信あるわ。
小石を多めに詰めておいたの。
[きりっという音が聞こえそうな口調で]
[レンの鞄を見て]
みんな。重そうだね。
[ぽつと呟いて、>>31二人目のヒゲの人を見る]
そう。都市伝説ね。
恥ずかしいから、私も本当は誰にも言う気はなかったのだけれど、不思議ね。
不思議なほど、茶化している人が少ないの。
本当にいるなら……
うーん。
[担いだり茶化したりする風でもなく言う青年と、若い娘の言葉に、考え込む風情である。]
──肉食女子は一人だけじゃなさそうだな。
[あちこちの皿の中身を味わう娘の様子に、自分の前の皿の中身を胃袋に移し替える作業に入らねば、そう思った。]
[ふぬん、と。レンの言葉をかみ締めるように]
そう。確かに公平ね。
私の大切なものと、あなたの大切なもの。
強いて言えば、レバーは思ったよりももそもそしていたことも査定して欲しいけれど、もう大人だから納得するしかないようね。
[ふるふるとかぶりを振って]
地球にあるもので大切じゃないものなんてない。と言いたいところだけれど、正直そのへんに落ちていたの。そう。困ったわね。
あなたたちみたいに、差し出せるものを、
思いつかないもの。
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