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[肩で短く浅く、息をして]
なぁ、せんせ、二木さん。その兎、元凶なんだろ?
そいつ殺せば、終わる?
[ぎらりと光る目で兎を睨みつけていた**]
[疲れ、ストレス、絶望に弱っている私の心の中にチェロが隙間から入り込もうとする。感じるのは孤独と寂しさ、それに強い人間への恐怖と生への渇望。兎の感情が私を包み込む]
これが.....チェロの世界?
[私は起き上がりチェロを抱き上げる。これは私の意志ではない。私の意思とは関係なく体が動いていく。そして兎を睨みつける獏にむかって私の口が開く]
獏.........テンマを殺したんだね....
[抵抗することはもう出来なかった。兎は私の心を支配したのだ。あとはもう動く人形。チェロの話したいようしたいよう体が動いている]
テンマは君だけは助けてって何度も何度も花達に......ボクにお願いしてきてきたよ....
それなのにテンマを....
テンマは君を護るために力を使っていたのに......
ボクを殺すの?
かつて山を降りたときの猟師のように......
ボクはただ......一緒にいたかっただけ....
それなのにどうして...?
ニキ......
愛しいボクのニキ.....
君は死なせない.......
ボクを殺そうとあなたが望むなら
ボクは君を連れて行くよ
山に一緒に還ろう......
[辺り一帯に凄まじいつむじ風を巻き起こす]
木の咲き乱れる花達が風に流され一斉乱れ散り渦を巻く。やがて私を包み込むと私の足は神社へ向かう。兎とハナミズキの木となるために]
[バクの血にまみれた姿に驚き、続く言葉>>24>>25で、事情を理解した]
(ああ──結局、この子に手を掛けさせたのか)
[きつく目を閉じる。
自責の念で動けなくなるのは、まだ早い]
あぁ。
[傷ついているのは、体ではないと知っていたが、掛ける言葉も無く、バクの背中にそっと手を置く]
[そうして、新たに得た情報の行き着く先に、すうっと頭が冷える。『ニキがいればいい』と言っていた【カミ】が、自分に声を掛けた理由に思い至る]
(天馬君が死んだからか──カミは、誰かを使わなければ、力を振るえない?)
[自分の思考を悟られたような、バクの鋭い言葉>>25にぎくりとする]
[明らかに口調と視点の違うニキの台詞に、
片目眇めてゆっくり立ち上がった。途端、吹き抜けるつむじ風。
目を見開いて彼女を追おうとするも、上手く体は動かない]
っだぁあああああああ! っんの、クソ悪魔が!
[全ての衝動と苛々をぶつけるように、
握っていたガラスの灰皿を管理棟の壁に投げつけた。
息を激しく乱しながら、充血し潤んだ目でドウゼンを見て]
……せんせ。あの悪魔、「殺す」よ、俺。
例えあの子を巻き込んでも。
雨園君が、儀式をするって言ってた。それで収まるなら、それでいい。でも、万一間に合わなかったり、失敗したならば。
俺は、「殺す」、よ?
[泣きそうな声でそれだけ宣告すれば、よろよろと管理棟の奥から戸板とシーツを持ってきて、自分が死の引き金引いた身内と、その仕事仲間の遺体を運び込む作業に向かう]
[遺体を何とか移動させようと動く姿に、なぜかテンマが被る]
……。
[反射的にそれを手伝おうとして、手を止めた]
獏君。オレはちょっくら行ってくらァ。
すまんな。全部終わったら、手伝うぜ。
[無理やり笑顔のようなものを作って、軽く肩を叩いた]
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