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それにしても…
[この村の人間はいつのまに簡単に人を殺めるようになったのだろうと深く憂える]
もしかしたら…鏡の精度が落ちたのかしらね…
[ため息をつく]
[>>30薄い光を鋭く反射するメスに目を細めて、口元に乗せたのは、ほんのりとはしていても、確かな笑み]
なるほど、同じ結論。
[容疑者。
容疑者としてアーヴァインにあげられた人物]
あるいはこの結末こそがアーヴァインの仕組んだことだとしても……そう、その結論は、おそらく正しい。
[ペーパーナイフを手で弄び、言う]
[>>31アドバイスに、目尻にしわを寄せて]
ありがとう、ヴィンセント。
あなたがそれを本心で言ってくれいてるのならば……私はもう、あなたを疑わなくてよいのでしょうけれど。
[目を離せずに、けれど少しだけ、目元をゆがませた]
私にはもう、この世を判断する『基準』がない。
あなた、私を死ぬ気で説得しなさい。そう、言うつもりでしたが。
[くるりと指先で回したペーパーナイフを相手に向ける*]
あなた、私に殺される前に、ニーナの仇をとるつもりが、ありますか?
自己犠牲?
[>>+26 はっきりと否定の色をのせた視線を返す]
「生きて欲しい」というのも、願い……欲望です。
自己犠牲で、大切な人が助かるなんて、幻想です。遺る人が生き残る可能性など、ごくわずかです。
私は、自分が楽になりたかった。それだけなんです。
そのために、利用してはいけない人を利用してしまった。
[ウェンディを、ラッセルを、そしてここには居ない誰かを思い目を伏せた]
……いま、それにきづきました。
死して尚…。お兄ちゃんは苦しかった?
今はもう苦しくないの?
[首をかしげて問うと、支えていた扉から離れて、
一歩だけ2人に近づいた]
ママは死んだら天国に行くのだと言ってたのに。
本当は違うのね。
ママも、嘘をついたりするの、ね。
…おねえちゃんも、嘘をついたの?
[楽になりたかったというニーナに問うた]
悲しいことに、ニーナが何を望んでいたのか、僕にはこれっぽっちもわからないしね。
[メスを取り出さぬままに薄く笑う]
この世界は色を失ってしまった。
僕が詩人だったら、そんなことを言っていたかもしれない。
たくさんのうそをつきました。
……願うものは手に入らないと、あきらめて……楽になろうとしたのが、一番おおきなうそ、なんです。
強い願いは、誰かを傷つけるかもしれません。
でも……どうせなら、私は、願いを叶えようとするべきだったんです。
[少女に問われたというのに、酷くあやふやな、混乱するままの答え]
ニーナの医師がWolFと同じで、あなたを殺すことであれば、私はあなたを殺しましょう。
あなたは、そう、思いますか。
[ペーパーナイフを構えたまま、ヴィンセントに問いかける]
ウェンディは、死にました。私の世界も色を失った。けれど……っ!
[ナイフを握りしめる。その手が震えた]
彼女が望まなくても。
私はこの『物語』を終わらせる。せめて……
[表情は、なにも映さない。ただ静かな声が、一瞬だけ揺らいだ。深く息をすって、吐く]
そうしなければ、私が『終われない』!
だから……最後まで見届けなくてはいけないんです。
[ゆっくりと目を開けると、ウェンディとラッセルに頭を下げる。
そしてゆらりと自警団倉庫を離れ、医院の前に──男性二人の傍らへ]
どのみち全員殺す。
あなたが言ったことです。容疑者全員排除する。
[ナイフを構えたまま、一歩、歩み寄る]
答えなさい。
ウェンディを殺したのは、あなたですか?
[振り絞るような声で、最後の問いを、する*]
[彼らのやり取りを、沈うつな面持ちで見つめている。
何かを言いかけるが、言葉が出てこない。
色を奪ったのは自分自身だと、よく分かっていたから]
[ウェンディが死んだ。
ヒューバートの言葉にわずかに目を見張る]
ああ、僕が殺したんだ。
[怒りか悲しみか、それとも別の何かなのか、目前の男の感情は測り知れなかった。
ナイフを持つヒューバートの手首を握り締めて、自分の頚動脈へ刃先を当てさせる]
そう言えれば、君はもしかしたら少しすくわれたのかもしれないね。
[かすかに呟く]
色を失っても……いつか……別な色が見えることもあるんです……。生きていれば。
私が、色を奪いましたが、ほんとうには、奪えるものじゃないんです。きっと。
たくさんの…うそ。
[繰り返して、彼女の答えを聞いた]
…どこに、いくの?
何を見届けるの。
パパ達はまだ、狼を探しているの?
まだ終わってないの?
[問いには答えぬまま彼女は外に出る。
閉じる扉を見た後に、残された青年を振りかえる]
ウェンディがWolFにやられたのなら、今の君の様子から考えるにヒューバートはWolFではないね。
そして、ニーナもWolFではないということになる。
[緩んだ表情を見せてから、審判を待つかのように一度目を閉じた]
仇討ちの最短ルートは僕を飛ばすことだ。
ローズマリーとシャーロット、僕らが一人ずつやったらいいんじゃないかな。
ウェンも、行くね。
[誰も訪れない、この場所をあとにする。
父を捜さねば。当てもなく駆けだす。]
パパ…!
[彼を止めようとしたその声は、届かない*]
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