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[ニルスの部屋に戻れば、一気に身体に強張らせていた力が抜け、どっと疲れが出て来てしまい。
そのまま床に座り込んだ。
ニルスを見ると、彼もまた疲れた表情をしていて。
お互い服が血に染まってる事に気が付けば、先に身体を洗って来いと勧め、自分も着替えを取ってくると伝え部屋を出る。
自室に戻れば簡単に身体を拭き、着替えを済ませて彼の部屋に戻る頃には、ニルスも着替えを済ませているだろう。
椅子に座り、後は静かに彼の口から何か話されるかを待つが、彼から疲れたと聞けば頷いて。
お互い明日も生きると約束を無理強いすれば、床に毛布を敷してそのまま横になる。]
[その日はこの屋敷に来てから一番疲れていた。
何も考えられないまま、あのままイェンニを放置しておく事で、次の惨劇が起こる事も把握出来ずに。
気が付けば意識は夢の中。
次の日目覚めると、同じ位にニルスも起きてくるだろうか。
二人で廊下に出れば、すぐウルスラの事を知る事になる**]
[自室とした部屋のベッドの上で、ゆるりと瞳を閉じている。
廊下に人の気配がし始めて、ようやく動き出す。
ガタがきていたはずの身体は、屋敷に来たときよりすべらかに動く]
――そろそろ、終わりにせねば。
[部屋を出る前に呟きを一つ落し]
…そう、ですわね。
どうせもう、他に食べやすい女の肉はないのですから、
じゃまなところを…
ユノラフ様の力は…面倒ですわ。
ヴァルテリ様がみつかるまえに、
処分しておいたほうが良いかと。
[夜のうち
仲間たる男の声には頷いて―――
側から、おずおずとウルスラの肉を喰らう]
[クレストとウルスラを居間に置いてきたのは、彼らにも考える時間が必要だと思ったからだ。
ニルスは彼らを信じると言った。しかしそれは彼らがニルスを信じるということとは必ずしもイコールではない。
色んなことがありすぎた。故に、一度冷静になって考える時間が必要だと、ニルスは考えていた。
勿論、それは彼らだけではない。自分達にとっても同様だ。
>>35 自らはユノラフのように床に崩れることはなかったものの、ベッドに座り込んで身を清めるように勧められるまでナイフすらも握ったままでいた。
言われた通りに身を清め、シャツを着替えて戻ってきたユノラフを出迎える。
そうしてベッドに腰を下ろしたまま、椅子に座るユノラフに視線を向けて、ニルスは口を開いた。]
……私はさっき言った通り、ウルスラとクレストを信じようと思っている。
彼らは人狼ではないと思う。
しかし、明確な根拠があるわけじゃない。
私が信じたいと思う。ただそれだけなんだ。
だから、君にそれを強制することはない。
君が誰を信じるかは君の自由だからな。
ただ……出来るなら、私を信じて欲しい。
明日はイェンニに投票する。
もし人狼が一人ではなく、イェンニに投票しても誰かが死ぬようなら……私は、次はヴァルテリ殿に投票する。
いや、もし必要であれば…………
[自ら手を、と告げようとした言葉は途中で途切れた。
一つ息を吐き、首を緩く横に振って。]
少し、疲れたな。
[ニルスはごそりとベッドの中へと潜り込み、ユノラフに背を向けた。
約束を求められれば背を向けたまま、短く了承の返事を返して、眠りについた。]
…わたくしたちも、生きたいだけですのに。
人間を食らうがために――
相容れないのですわね。
だから、レイヨさんも。
ひとでありながら、殺されてしまった。
ああ……ユノラフは、ほんとうに見極める者だったようだしな……
[厄介なのはニルスかもしれないとは思うが。
どちらが先でもかわりはしない]
人は、人を食らう存在を排除したがるからの……
目覚めなければ、我らもまた人と変わりはせぬ。
[生きるため。
お互い、それだけで動いているのだから。
きちんとした食事に、身の裡に力がもどる。
栄養をとったことが如実に反映されるのもまた、狼へと変ずる不思議の一つだろう]
ねぇ、ヴァルテリ様。
ニルス様は、親しいから信じる、と。
そう、おっしゃっていました。
わたくしは親しいと思っておりましたユノラフ様も――あの、視線でございました。
[目覚めたばかりの若い狼の声は、
寂しげにも、響く]
…―――レイヨさんは、人だと言われて。
それでも、殺されてしまった。
…えぇ。
目覚めなければ変わりはしないのに。
[ウルスラの肉を食みながら
桔梗色の狼はほろりと 涙を零す]
…すみません。
少し、まだ、人の気持ちにより過ぎているようです。
[そしてイェン二は早朝から
居間の椅子に座っていた。
ウルスラの部屋を見に行くこともない。
ただ、じっと椅子に座り。
外の祭りの準備の音に、耳を傾けていた]
ただ、わたくしは。
人狼として目覚めた事を、
悲しいとは思いません。
誇りに思います。
[目覚めた事を後悔はしていない]
親しいから、信じるのではないよ。
危害を加えないと思っているから、信じていると言う表現になるのだ。
[人とはそう云うものだ、と割り切った老狼は呟く]
泣くのを、こらえることはない。
レイヨもまた彼らにとって害だと判断されたのだ。
[謝る若い狼にゆるりと頭を振った。
その桔梗色の毛並みを、一舐めして慰める]
一度目覚めたからといって、抑えられないわけでもない。
逃げ切れたら、練習すればよい……
でも!
レイヨさんは、人間、なのに。
…人狼は、人狼を殺したり、しないのに…!
[灰色の狼のひと舐めに顔をあげ。
毛並みを震わせて掠れた声で叫んだ]
…何と言えば助けられたのかは。
今だに…わかりません。
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