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今日は宜しくお願いします。
[ゴロウマルに向け、にっこりと笑って挨拶し]
あ、せやせや。確か……あったあった。
[鞄を開いてごそごそと漁っては、端がぎざぎざな透明の個包装を一つ取り出す。中身は、四角く薄く、透き通っていて、きらきらと金箔が入っている飴]
どうぞ、これ。山吹色の菓子ですぜ。
受け取って下せえ、お代官殿。
[そんな事を言いながら、合わせた両掌の上にそれを置き、ははー、と頭を下げて差し出した。
良かったら、と他の面々にも飴を勧め]
犬、可愛いですね。りくつそうやわあ。
飼っとるんですか?
それとも、偶然会って意気投合したとか?
[ゴロウマルが連れている犬を見ては、興味ありげに]
ま、まだ時間はあるんでにゃい?
[ぷちぷちとメールを打つマシロを目で追って、そのの近くでぼそりと一言だけで隠れてしまった男子には、ん?とどうしたものかと小首を傾げて、隠れた先を少しだけ覗き込もうと。]
[日が長い夏だけれど、すでにもう陰り出していて。
そんな中、新しく来た人は、進んで関わろうとは思わない様なカテゴリの人で。]
う、ホント誰彼誘ってるのね……
[と零したとか。]
・・・?
[覗き込んできた女生徒に首を傾げる]
あ・・・
[そういえば自己紹介もしてなかった事に気づいた]
えっと・・・一年の結城っていいます。よろしくお願いします。
[頭を下げながらも、目の前の女生徒よりも不良っぽい人が近くにいる。という怖さのほうが勝っているらしく、落ち着きなさげにちらちらとゴロウマルのほうを見ている]
なんじゃ、こら
[下校時刻を随分過ぎても、まだ終わらない書類整理]
なんじゃ、こら
[大事な事なので、二回も独りごとを言ってしまった
生徒会なる物は、元来真面目なタイプの生徒が集まる物なはすだ
なのに、なんで俺一人………
いや、俺が悪いんだけれども
皆用事があるとか言って、帰るのを止めなかった俺が悪いんだけれども]
くそ、誰か残っとらんやろか
有無を言わせず、手伝わすのに
[マシロが飴を勧めていることに気づく]
あ、どうも・・・
[遠慮がちに一つ受け取り]
・・・
[包装を破り]
・・・
[飴を取り出して]
・・・
[パクッ]
・・・おいしい。
……
[飴を取り出して食べるタカハルをじっと見つめる。なんや小動物みたいな子やなあ、などと考え]
ほーかほーか、なら良かった。
[しかし其処は口には出さずに。サイレントマナーモードにしている携帯を取り出し、メールの返信の有無を確認する。と、「Eメール 1件」という文字が見えて]
お。兄貴から返事来たじ?
何々、ずっと定期入れを捜しとって……
……ついさっき、ポケットに入れてた事に気付いた?
それはばらなというか、だらなというべきか……
何しとん。全く、困った奴や。
[アンから届いたメールの内容を読むと、呆れたように呟いて溜息を吐いた]
だー、やめたやめた
もーしらん、もーやらん
[ぐったりと、生徒会室の机に突っ伏して、やる気の無さを自分にアピールする
・・・だが、どうせやらねばならないのだからと、起き上がって再び整理を始める
この無駄な時間を、何度繰り返しただろうか]
帰るの、夜になりそうやし
[携帯を取り出して、学校にいそうで、更に暇そうな名前を探してみる
なかなか、見つからないのだけれど]
[飴を舐めながらマシロの話を聞いている。視線には気づいていない]
その、兄貴さん?って人もこれから来るんですか・・・?
どんどん増えますね・・・どんな人ですか?兄貴って・・・変わった苗字ですね。
[定期入れの話から少し抜けた感じの人なんだろうなぁ。と漠然と思った]
おいね、もう十分もせんで来る筈や。
……多分。
そうやな、いい事や。
兄貴は……こう、ぽやっとしとるんよ。
天然というかなんというか……天然やな、うん。
天然時々ドジっ子、のち不思議ちゃん、って感じや。
[タカハルに、天気予報のような言い様でアンの事を説明する。変わった名字と聞けば瞬き]
違う違う! 全く、君も結構なもんやじ?
[愉しげに笑いながら首を横に振り]
兄貴っていうのはあだ名なんよ。
アンっていう名前やさけ、うっかり呼ぶとアンちゃんとかアンさんとか、いかつい感じになるからって。
本人が言っとってん。
[そう呼び名について教え]
[結局、アドレス帳に入っている人間全員に、無差別にメールを送る事にした
誰かが引っ掛かれば、儲けものだ]
件名:暇な奴
本文:連絡寄こせ 書類整理が終わらん、手伝ってくれ
[送信、っと
なんだかんだ、薄情な奴ばかりだからな
実際、何人がメールを返すのか、わかったものじゃない
メールを返した奴の中で、手伝ってもいいなんて奇特な奴も、そういやしないだろう]
くそ・・・もうちょいがんばろか
天然でどじっこで不思議ちゃんですか・・・アニメみたいですね。
[ふふっ、と笑うとマシロから君も結構なものだと言われて]
ぼ、ぼくですか?ち、違いますよ。天然じゃないですし、どじっこじゃないですし、不思議くんでもないです・・・たぶん
[割と言われるのだった]
あ、苗字じゃないんですね・・・
あだ名ですか・・・よく考えればそうですよね・・・
アンって事は・・・女性ですか?おにいちゃんが喜びますね。
[兄貴なのに女性?とも思うがアンなのに男性?よりは可能性が高い気がした]
ほうやな、つやつやの黒髪ロングのセーラー服美少女なんていうんやから、なかなかベタなもんや。
[そう冗談らしく返した言葉は、性別に関する疑問への答えにもなっただろう]
そうけ? よう人から言われたりせんけ?
[タカハルをじーっと見ながら首を傾げる。それから、持ち続けていた携帯をしまおうとして]
……ん?
何やろ、メールが二件来とる。
[画面を見て、不思議がる表情をしつつ、ぽちりとメール画面を開いた]
魔法少女に変身しそうです。ホントにおにいちゃんが喜びそうですね・・・
え、えっと・・・言われたりなんか・・・なんか・・・
[ものすごく小声でボソッと]
します・・・むぅ・・・
<From:wolf@motimoti.jp
Sub:やっぱ、おっぱいでしょ!?>
[最新のメールの送信元アドレスと件名とを見ると、短く溜息を吐いて即削除し]
何や、ただの迷惑メールか。
こっちも……ん、あれ。違うか。
[次のメールも即削除しかけて、すんでのところで気が付いて止めた。確認画面までいっていた。
表示されているアドレスには見覚えが――少女は交友関係が広い割にアドレス帳を活用しない人間だ――あった。件名は迷惑メールにもありそうだったが]
ヨシアキやん。
いきなり何の用やろう?
[ぽつりとその名を口にする。メールの送り主であるヨシアキは、同級生だった。クラスは違ったが、共通の友人づてに――彼女はヨシアキとは中学からの付き合いだという事だった――知り合い、友人になっていた。
彼も己程完全にでなくとも訛っている、いわば訛り仲間であるという点も、仲良くなった要因の一つだったか]
……書類整理、ねえ。
ばらやなあ、生徒会さんは。
[本文を確認すると、いかにも他人事のように零しつつ、ぽちぽちと返事を打った]
<Sub:暇やけど>
<ある意味暇やないんよ。
今日、オカルト部のリウ先輩主催で、七不思議検証してく肝試しがあれんて。
遅くなりそうなら、終わったらそのまま参加しまっし。
待ち合わせ場所は校門、来た時におらんかったらまたメールでもしてな。>
[そんな、断りつつ勧誘する薄情で強引な返信をし]
さて、と。
魔法少女かあ。ケンもなかなかマニアやじ?
……ほら、言われるやろ!
なーん、可愛げがあって平和でいいと思うじ。
[タカハルには笑いながら言う。と、此方に近付いてくる人影があった。その人物はは走っているのか疑わしいようなゆるい走りをしていて]
あ、兄貴! こんねー。
やっとこさいに来たなあ。
ゆっくりしていきまっし……って、肝試しの集いで言うのもおかしな話やけど。
[その人物――アンに向け、大きく手を振って声をかける。先程の飴をアンにも一つ渡し]
ほら、これが噂の兄貴やよ。
[タカハルにアンを示して言う。二人が互いに挨拶を始めでもすれば、それを眺めていた*だろう*]
[こんな状態になるまで、書類を放置しておいた奴が、そもそも悪いんだ
誰だ、この生徒会の書記は
あ、俺か、元々俺のせいか]
しゃーねぇの・・・っと、ん?
[ぽつりと呟いた時、携帯のバイブがメールの受信を知らせる
開いてみると、マシロからのメール
中学の頃から知り合いな女の子が、友人だと紹介した奴だ
こいつにも地方訛があり、妙な親近感を感じた事を覚えている]
って、手伝う気ないんか
んで、更に勧誘するて、どんなん
[かといって、誘われたり、頼まれたりした事を断るのは、なかなかに難しい
これは、性分なのだから仕方ない]
い、言われますけど・・・違うんですよ・・・
[マシロと話しているとアンという少女が到着した。
さっそく、マシロから紹介されるが]
あ、どうも・・・えと・・・一年の結城といいます。よろしくお願いします。
[今日だけで何回目の自己紹介だろう。だんだんと慣れてくる。
しかし、挨拶をしたはいいが先が続かない。
タカハルは助けてほしそうに周りに視線を送った]
[メールを放置すれば良いのだろうが、そう言った事も薄情な気がして出来ない
相手が薄情なのだから構わないと、毎回頭の中の悪魔が囁く
だがすぐに大量の天使軍団がやって来て、仁義は大事にしなさいと、悪魔をリンチしてしまうのだ
だから結局、メールを返信しておく事にした]
宛先:マシロ
件名:どっちじゃ
内容:肝試しや? ガキみたいな事、しとるの 肝試しが始まるまでに、書類整理が終わったら考えちゃるわ
[そんなメールを送ったのだが、俺の事をある程度知っている人間なら、どうしようもない事情がない限り、校門に現れるだろうと推測する事が出来るだろう
そのくらい、俺は人の誘いや、頼み事を断らないのだ]
さくっと、終わらせなな
[そう呟いた後、再び書類整理を*始めた*]
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