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ええ、栗田さんが言うのが本当ならば、天馬さんはバケモノという事になります。
話が通じないだろうと考えるのもわかります。
[グリタの返事に、テンマと、バクを見やって]
ですが、僕達はその話について、まだ確信を持てていませんし……
……何より、獏君は一番どうすればいいのか困っているでしょう。
[などと。
バク(>>54)に聞かれると]
孝治君は、テンマさんをどう思いますか。
その……やつらについて詳しいのですよね。
例の「儀式」で、何かわかったりしませんか?
それが本物ならば、そうでしょうね。
一般的にあるものではないでしょう。
[頷く。それとは手帳や能力をさして。
今のところ、そこまで混乱したようでもないバクの様子には、小さく息を吐いたか]
こんな時に一人にしておくべきでない、というのも……
嫌な話を聞かせるべきではない、というのも。
一理ありますね。
[ニキについての相談に、そんな事を。やがて動き出す面々を見れば、その後をついていく*だろう*]
そうですか。
では彼女を探した後で、改めてですね。
[孝治に答えると、ニキを探しに。花を咲かせている近くのハナミズキの樹に手を当てて、目を閉じる。何かに導かれるように歩きはじめると、やがてアンが使っている家屋の前へと辿り着いた]
あれは……
[ハナミズキの根元に遠目からも目立つ、白い絨毯の上に広がった朱に、広がる長い黒。自己紹介の名前は、確か佐藤。自分の作リ出した世界を知る者とは知らず]
こんな所で眠っていたら、寒いでしょう。
[風による傷を多数負って、すでに事切れている少女の器。その前に屈み込むと、髪についた雪をそっと落とす。はらりと髪が落ちて、傷を負いながらもどこか微笑みを浮かべたような安らかな顔が覗く]
皆さんに会いに戻りましょうか。え、もう少しここに、ですか?
[ハナミズキの樹を見上げると、風もないのに葉が揺れる。上着を脱いで彼女の遺体にかけると、ニキを探しに向かう。途中で会った人には、黒髪の少女の遺体のことを*告げていく*]
- 家屋前・ハナミズキの真下 -
〔屈みこむ風雪の背後。
色の無い表情は、男と、自身を見下ろすだけ。
風雪のかける言葉を聴き、〕
――、別に。
寒くなんて、ないです。
〔緩やかに首を振る。
きっと倒れている器でならば、
かたかたと小さな震えも伴ったろう。
けれど否定をするその顔には。
いつの間にか、震えよりもずうっと寒そうな
悲しみに近い色が浮かんでいる〕
〔会いに戻りましょうか、と声がすれば
表情からは悲しみが吹き飛び笑みが浮かぶが〕
私は一人が、良いから。
もう少し此処で……
この子と一緒に、居たいから。
〔口をついて出た言葉は震えていた。
そうして去ろうとする彼を見送る形になる。
自身に上着が掛かるのを見て、
無意識にか、風雪の背へ手を伸ばすが〕
――、っ
〔辛そうな面持ちで、其の手を引っ込めた〕
〔何処までも"独り"と口にしては。
伸ばした手は一体何に触れようと云うのか。
決して伝わる事の無い言の葉。
降り積もった葉はやがて色を失い、
雪に覆われて見えなくなってしまうのだろうか。〕
……ぅ
〔もう必要が無い、というのに。
悲しいと感じれば、涙の様なものが頬を伝う。〕
どう、して……。
〔自問の声は、静かに響く。〕
〔たった一言のお礼すら言えず終い。
傷つけぬように、負担にならぬ様に。
そう思い相手を退けた言葉は、
周り巡って杏奈の表情を悲しみで彩った。〕
〔去ってゆく風雪の背を、見送る瞳*〕
待てよ………こっち、だと思う。
[気乗りのしない、苛々した様子でニキが向かった方向を指差す。
無言で歩いた。聞いた、タカハルや親父の台詞を整理するために。
フユキからアンの話を聞けば、不意に足を止め]
あの人………ビセさん、は?
[周囲の人にポツリと尋ねた。思い出すのは、あの夢。
徐々に沈みこんでゆく恐怖と、自分の腕にかかる義兄の重さ。
夢のリアルが現の恐怖と実感を呼び覚まし、しばし俯いた。
目じりが、熱くなる。低い、不安に満ちた声で]
なあ、親父。オッサンを……俺のにいさん殺すのか?
俺の親父が、俺のにいさんを?
あの人、バケモノとかそんなんじゃねえよ。俺がどうしようもなかった時、姉さんと一緒に俺を引っ張りだして、励ましてくれたんだ。
[寝起きの混沌から徐々に入ってくる情報が整理されてきて、
押さえ込まれていた感情が噴出してくる。
すんと鼻をならし、がしがしと目じりを手首で擦った。
………なぜか、奇妙に腹が減る**]
備前さんも、管理人さんと同じように殺されたよ。
言うまでもなく、バケモノの仕業だ。
[亡くなったもう一人への祈りを終えた後。
ポケットから煙草─ウィンストンのクラシックレッド─とジッポーを取り出し、火を点ける。
今まで、息子には見せた事のない姿。
ぷかりと煙を吐く。]
あぁ、殺すよ。
[煙を吐きながら事も無げに、言う。]
バケモノはそうやって情に訴えてくるもんだ。騙されるな。
情に流されて死んだヤツを沢山知ってる。
…忘れろたぁ言わんがな。
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