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[いつもの夢]
車内を流れる軽快なジャズの音。心地のよい彼女の話し声。
大きなトラックが ゆっくりと 白い車線を越えて こちらへ向かってくるのが見える。
大きな衝撃を感じて体が宙に浮く。
頭を強く打ち 眩暈の中 彼女の声が 頭に 響く
「助けて!!シートベルトが引っ掛かって・・・テンマ助けて!!」
声のする方へ 手を伸ばし 道路をはいずりまわり 彼女を探す
「テンマ」 彼女の声が遠くへ 遠くへと…
ミズキ…ミズキ… [ただ うわ言を 繰返す]
[朝。
身支度を整え、家屋の外へ。]
雪はまだ積もっているな。ひゃっほう。
[緊張感の欠片すら見えない駄目大人。
昨日に引き続いて雪遊びをしようと管理棟付近へ向かう。]
おやおや風雪センセぇ。
ナンパですかなぁ?んんん?
[白い布の塊に何やら声を掛けているらしき風雪を見つけた。
こちらには…多分、まだ気付いていない。]
………。
[悪戯心に火が点いた。
その場で雪玉を丸め、風雪目掛けて投げつける!]
[ぺしゃり、と音がして視界が白に染まった]
……あうちっ!
[顔についた雪を払い、眼鏡を拭いて雪玉の飛んできた方向を見る。そこには口笛を吹く天敵の姿]
オウ、ナニスルノデスカ。
ニッポンジン、ヤバンデース。
[動揺を押し隠しながら、抗議の声を上げる]
─テンマ・バク棟前─
ここか?
[傍らの少年に問いかけ、中の人物がおきていれば気づくであろう大きさで、扉を少し強めにノックする]
何をおっしゃるうさぎさん。
雪合戦は別に野蛮ではありませんぞぅ?
月乃風雪センセ、みーつけたぁ。
[わざとペンネームをフルで呼んでやった。こちらはめっちゃ笑顔。]
[二つ目の雪玉を軽いステップでかわすと、斜め上を見ながら]
はてさて、どなたかと勘違いされてるようですのだ。
記憶にございませんのことよ。
……で、ユーはこんな所まで何しに来たのですだか?
[お返しとばかりに雪玉を作って投げっ]
[避け切れないので右腕でガード。
果てしなく人の悪い笑顔を浮かべつつ。]
それこそ愚問という奴ですなぁ。
原稿回収ですよ、原稿回収。
そうそう、風雪センセ宛てのチョコ配送という副業もありますがねぇ。
[起床して少しすると外に出た。白く染まる地面を踏みしめ、静かな村中を歩いていく。左手には傘を、右手には30cm定規を持ち]
……はあ。
[吐き出す息は白く濁る。周囲に目を向ければあちらこちらにハナミズキが見え]
しっかし、なんでしょうなぁこの花水木。
季節外れもいいところでしょうに。そう思いません?
[雪玉を投げる手は一時止め、風雪に同意を求めてみる。]
[顔の雪を拭いながら]
ギブミイチヨコレヱト!
本当、仕事熱心ですねえ。
なんて、本当は息子さんに会いに来たんでしょう。それと、あの写真屋さん?
[にこりと笑ってみせ、続く言葉にハナミズキを見上げて]
本当、何でしょうね。何か、天変地異の前触れか何かでしょうか。
そういえば、この村に伝わるお話……ご存知ですか?
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