情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[一思いに刺したユノラフの肩からどろり、まるで蜂蜜のように血が垂れ流れるのを見つめる。泣き喚くばかりの女の声>>82が煩わしい。早く、黙らさねば。
ユノラフが床に倒れ込んだ隙に立ち上がる。女が駆け寄ってきたが気にせずに、一度はナイフを引き抜いた傷口とは別に、ぐり、切っ先を僅かに沈め抉って抜いた。
倒れているユノラフを静かに見下ろし、歪んだ笑みを見せれば視線は女へ]
…君は僕と同じだと思った。
独りで、何かの為に生きる事も出来ず、妬み、憎み、恨み…寂しい人間。
[ゆっくりと女のもとへと近付く。手には、ユノラフの血で塗れた銀のナイフ]
―クレストの部屋―
[二階に上がると、声は更に鮮明に聞こえた。]
クレストさんの部屋ですか。
[薬を持ってこの部屋に入ったのが、ひどく昔のことに思える。
中に入ると、肩から血を流したユノラフと、ナイフを持ったニルス。
そして、もう一人、人影が見えた。]
イェンニ…さん…?
[その身体は、人の姿をしていなかった。]
[怖い、痛いのは嫌。
でも、ユノラフがこれ以上傷つくのが嫌。
それもわたしのせいで、わたしなんかのせいで]
この人の傍は、とても温かいの。
[泣きたくなるほどに、とても。
どうしても失くしたくない。
たとえ自分の命がなくなったとしても。]
― 二階廊下 ―
[ミハイルを引っ張っていってから、
行くあてもなくあちこちを彷徨う。
ミハイルに行きたいところばあるのならば、
彼の後をついていくつもりではあるが。]
[そうしている間にも、
自分の過ごしていた部屋から聞こえてくる音、悲鳴。
見に行くかと、ミハイルを見上げ、視線で問うてみる。]
[逃げようとはしない女と健気なユノラフの姿に、ほう、と感心する素振りを見せる。そして私はずっと独りだ、と言うその鱗に覆われた顔にずいっと顔を近付けると、ニルスの乱れた前髪が女の鼻先に触れるほどの距離になる]
…そうだ。君はずっと独りだ。
今までも、今も、これから先も。
[女を洗脳するかのような言葉。
それはまるで自身にも向けられているようで。
ニルスは腰を屈めたまま、女をユノラフの隣に突き飛ばし馬乗りになった。
そしてナイフを持っていない左の手で、女の細い手首を片方だけ床に押さえつける]
……?
[ユノラフが去ってどれほど経ってからだろうか、部屋の前を歩く足音が聞こえた。
ユノラフ……ではない、だろう。イェンニとも考えにくい。
だとすると、今残っている可能性があるとすれば、ニルスのものか。
しかし、別に奇妙な事でもないと思って、その時は特に気には留めなかった。]
君は、僕と同じだ…だからこそ腹が立つ…見たくもない自分の醜態を、曝されているようで…っ!!
[ぎしりと軋む骨の音。
その時のニルスの顔はどれほど険しかっただろうか。
それはどこか憂いを帯びているようにも見えただろうか。
彼は自分自身こそがこの世で一番醜い人間だと知っていた。
そして似たようなイェンニが、自分が手に入れられなかった愛や信じる心を享受しようとする姿が、羨ましくも憎かった。
やがて右手に構えていたナイフが振り翳され、押さえつけられていた女の手のひらにどすりと、まるで蝶の標本にされるかのように突き刺された。
致命傷ではない、その痛みと様子に女は、ユノラフはどんな声をあげるだろうか]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了