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[クルミが走り出す少し前に]
[太った男は、タブレットを懐へとしまう]
うおおおおおおおおおおおおお!!
[額に光る汗をぬぐうことなく、雄たけびをあげながら、1stのいる方へ走る。走るスピードを上げる為に、下駄は後ろに脱ぎ捨てた。
割れた陶器の欠片などが足を傷つけるが、それをものともせず、ただ、まっすぐ、1stの方へ]
天敵ともいえる11thがマシロへ向かっているから。今がまさに好機なのだ]
今なら、チート日記の力が発動しない!
好機なんだ…!
[クルミが足音を殺して忍びよる間に、距離は拡がり、彼女が本気を出して走れば、距離はおのずと縮まるだろう。
日記通りの預言が叶うのは、まさに、1stの直前前で]
[経験の差と言うものか。
それとも世界の違いか。
11thの力は強くて、手首が轢みをあげる。
その痛みに顔が歪み]
……無理、だろうが、いきのこる、ってきめた……っ
[きらりと光る刃物が目に入る。
無傷で逃げるなんてのは無理だと理解した。
咄嗟に胸元を庇った、握られていないほうの腕に包丁が深く刺さる]
ぐっ、……っくそっ
[悪態をつきながら、もう一度11thの足を狙ってけりつける。
距離さえ、取れればきっと**]
[胸元を狙った短剣(包丁)が
肉に刺さる感触を手に伝える。
獣相手になら、慣れたそれ。
両の手に不詳を負わせれば、
二足の相手はしめたもので]
もらった、…ッ、!、
[瞬間、驕った。
足が来ると思わず、
彼女の蹴りがきれいに足を掬うのを、
スローに感じて]
ぎ、あぁあぁっ!!、
[次の瞬間、宙に浮いた身体が地面に倒れたと同時。
刺さったままの包丁が、体重で勢い良く、
その刃を全て自身の身体に埋め込まれたのを熱として感じ。
つるつるの床の上、痛みに身を逸らして悶えたのだった*]
[一度振るった錐は払われた。
再び振るい、同時に低く蹴りを放って5thを牽制する。
少し遠く、ソラの苦悶の悲鳴が響く。
同時に耳朶に、目前の未来を告げる日記が響いた。]
───クルミ!
[ネギヤの背後に一度だけ声を投げ、
彼を振り返ってポケットからスプレー缶を出す。
”敵”へかける予定だったそれを、スプレーすることはなく、
12thの柔らかそうな腹部目掛けて鋭く*突き出した*]
[かけられた言葉にはもう聞き飽きたなと思いながら返事を返す。笑みを零す事も無く淡々と]
君だって今はここに来たばかりの見物人のようなもんだろ?
昨日見た感じだと…一緒に居た人達は君と仲良くしてたね。会話内容とかも手を組んでるようだった。
・・・羨ましいな。
[その言葉は小さく、彼に届くかどうかで。
その瞬間寄ろうとした人物達が行動を起こすと同時にネギヤがこちらに向けて叫ぶ。
まさかと彼を見れば手に錐があり、一歩身を後退させた。]
[直後彼の背が屈み、錐が自身の喉元へ突き出された瞬間、慌ててに背を反らせ何とか防ぎ。
次に振るわれる錐は防ぐ事は出来ず、左腕に突き刺さった。]
───…っぁああ!!
[瞬時に刺し込む激しい痛みが左腕を襲う。
痛みに震えながらも1stを睨み、後ずさりしながら鞄から即座に鑿を取り出す。少しの間お互い睨み合いになれば、直後に聞こえる女性の悲鳴。]
[そのほんの一瞬、1stが背を向ける。
今しかない
持った蓑を両手で持ち構え、こちらへ振り返ろうとする1stの脇腹目掛けて鑿を突き出した。
彼が腹部を押さえ苦しめば、その瞬間に思い切りの駆け足で彼から離れる。
刺さらなければ、足元を蹴り転がして。
無意識に走る方向は、マシロとネギヤが居る場所**]
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