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ここへ来るまでの道には入れる建物は無かったと思います。
[随原の問いには、そう答えて眉を下げる。
子供の頃なら潜り込めた遊具の中も、今となっては狭過ぎて、強くなった雪を凌ぐにはとても足りない]
駅...なら、屋根だけはあるかも。
[思いついて言ってはみたけれど、そこに戻るには、結構な距離がある*]
/*
ズイハラさんが墓下のフォローする関係でPT消費がえらいことになってるんだよねw
...というわけで、少し押さえ気味にしような。
諸々決着はエピに回すってことでひとつ。
……俺だけになるか、俺が落ちればいーのかな。
[ぽつ、と零れるのは独り言]
そーすりゃ、他のひとは帰れたりしねーかなぁ。
[自分が『たからもの』と向き合えばいい、という発想に至れないのは、閉ざしたい想いの干渉……だけなのか、違うのか]
やっぱり遠いですよね。
[自分が手伝えるならともかく、動けないモミジを連れて移動するのは相当困難だろうとは分かる。
やがて近場を探していたバクが、屋根付きのバス停を見つけてきて、なんとかそこまで随原がモミジを抱き上げて運んで行く]
すみません、何も手伝えなくて。
[ただ後をついて移動し、傍で心配しているしか出来ることのない自分が腹立たしかった]
外へ...「たからもの」を見つけてってこと、ですよね。
[随原の声に、じっとモミジの顔を見つめる]
[「オーロラの国」「雪の精」「子犬のマール」......断片的に浮かぶ記憶]
[最初に書いた物語が、雪の国の話だったのは、何故だった?]
[「きっと、また会える」...それは、誰が誰に、言った言葉だった?]
...俺の、無くしたものって、もしかして。
[「最後には皆が幸せになるおとぎばなし」を、作ろうと、そう思った最初は?]
(モミジちゃん)
[そう、呼んでいたのは...]
まさか......
[そんな、おとぎばなしのような事が、本当にあるだろうか?*]
/*
暴走自重。あと、猪自重。
深呼吸して周りも見ような、俺。
[ほんと、入ったスイッチが珍し過ぎてな......(遠い目)]
あそこには行きたくない。
[ぽつり零れた言葉に自分で驚き瞬いた。
骨董屋に行けば寒さは和らぐ。そんなことはわかっているのに。
経験したことのないような雪の中、踵を返して当てもなく歩き出す*]
売り子 オトハは、ここまで読んだ。[栞]
[浮かんできた記憶に気を取られていたため、随原とオトハの会話は半分も頭に入ってきていない]
え?三輪さん、どこへ?
[急に踵を返したオトハに慌てて声をかけるが、今、この場所......モミジの傍から離れる決心はどうしてもつかなかった]
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