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あ、「茶の間のロッカ」って名指しってことかな。
ハーレムアーヴァインを羨むといいー!
>>53
間違ってるよ。
って言ってみたいロボット心。
[江戸の職人の風情でいつの間にかねじり鉢巻をしながら]
待っただと。てやんでい。
いま一刻を争う状況なのがわかんねーのか。
べらぼうめー。
[軽く棒読みの江戸っこ喋りで]
おかしい……?
[今気づいたようにユウキの持ってきたキャタピラを見て]
ネギヤンパワーだ!うわーい!ネギヤさんありがとうー!
[ルームランナーで走るネギヤにスポーツドリンクの差し入れをしてみた]
偽ドラ乗りロッカの可愛さは異常だった…帽子も可愛いけど偽ドラいいよね偽ドラ。
……見損なったよユウキ……。
[わざとらしく大仰にかぶりをふって]
こんなときに哀れな不幸な少女にキャタピラをとりつけようとするなんてありえないよ。
[起きたらキャタピラになってたときの気持ち想像もできないよ!
と少年漫画の主人公特有のきらきらした瞳で]
というわけで終わったよー。
[油で汚れた手をハンカチーヌで拭き吹きしながら]
終わったのに動かないけど。
[あとはオトハに任せよう。とか全く動じない男]
[ハツネは、アンを巡る喧騒をぼんやりと眺めながら、夏のことを思い出していた]
―立花家離れ―
[本来なら立花家の人間の為に作られた、防音設備の整った離れ。
音楽の才に欠けた子ども達に期待することを諦めた家主は、ロボットであるハツネにその場を惜しげもなく与えてくれた。
そこに、レンという女子大生が訪れるようになったのは梅雨明け直前の頃からだった]
『ハツネ、あなた記憶データ上手く認識しなかった子なんですって?そんなイヴの子、初めて聞いたわよ』
……でも、普通に生活出来てるし。
[それはハツネの最大の負い目だった。
口篭もるハツネを、レンは観察するような目で見つめた]
認識すると、どんな風になるの?
[ハツネの質問に、レンは憐れみの目を向けた]
『一年前のことを思い出すのと同じように、十年前のことも思い出せる。人間は、昔のことはおぼろげらしいけど、私達は、はっきりくっきりと』
[他のイヴの子ども達が問題なく認識する量の『記憶』すら、ハツネは自分のものに出来なかった。
それは研究者達を悩ませたが、それでもハツネは破棄されることなく、可能性を試されていた]
[そんなハツネに異変があったのは、立花家に来てすぐだった。
大婆様に顔を見せ、次いで愛犬を紹介されたとき、その犬に追いかけられた小さい自分の姿が思い出されたのだった。
その幼子は膝から血を流し泣いていた。それはハツネにはないはずのもの。それでも、その子は自分であると認識していた。
その話は誰にもしなかった。これ以上、例外を増やしたくなかったから]
誰の記憶。
[ハツネの呟きに、レンは意味ありげに笑って答えた]
『記憶の圧縮が、今の有力策ね。小さなイヴの子を作るの。その子にある程度の記憶データを飲み込ませる。定着した頃、その子のデータをまた他の子に認識させる。すると、最初から数年分のデータを入れるよりも僅かに軽くなる。
イヴの七不思議の一つ』
私は、目覚めてからあったこと全部忘れてないよ?
『それは、過去の記憶がない分じゃない?そのうち忘れるわよ。ここからが本題。ハツネ、あなた長生きしたい?』
『望んでも無理よ。いずれ私達の記憶は取り出されて他の子に引き継がれる。
それで私考えたの。イヴのコピーが出来なくなればいいんじゃないかって。譲渡先がなければ、私達は用なしにはならないでしょう?』
[ハツネは、おかしな話だと思った。
ロボットはおろか、家庭用のPCの仕組みもよく知らない自分がおちょくられているのではないかと思った]
イヴが居なくても、イヴの子や、孫をコピーすれば量産出来るじゃないか。
『バカね。それが出来るなら、どうして今までやらなかったの?
ロボットとしての知識を持たせたイヴをコピーするのが手っ取り早いのに、今でもそれは不可能でしょう』
[レンの発言の真偽はともかく、自分の寿命がそう長くはないだろうというのは以前から考えていたことだった。
これまで生まれたロボット達の最高齢を考えればわかること]
運命に抗うのも面白いかもしれないね。
[それは、好奇心に近かった]
演奏ロボ 立花 ハツネは、無駄長文っぷりに絶望した。[栞]
ちょ、ちょっと…
[さっきまでの自分の作業をこちらに擦り付けた純太に
口を尖らせて抗議の眼差し]
僕じゃないっすからね…まったく。
[困ったように横たわったままのアンを見てため息]
僕には研究員は向いていないのかもしれない…。
[ぽつり]
[アンに処置を施す純太を真剣な眼差しで見守っていた。
やがて、それを終えたのを見て。]
純太……!ありがと、純太…
アンの言葉、聞けるかな…。
オトハ……お願い…
[祈るように]
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