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[ラジヲから流れる軽快なメロディにあわせ
似つかない麗しき歌声が、微かなノイズと入り混じる。]
あっつ…
[きちんと手入れが施された指先が団扇を手に、
涼を扇ぐ。]
おかあさん、今日って予定通り盆踊り大会、あるの?
[明け方の失踪事件は、小さな村に響き渡るに容易く。
唯一の娯楽すら揺るがすに等しく反響する。]
―農道―
お忙しい所、どうも。
[道端で話を聞いていた農夫に頭を下げ、別れる。
手帳に走り書きした内容を見つめながら呟く。]
――次はあなた、か。
[と、大分離れた農夫が振り返り手を振っている。]
「あんたも気ぃつけてなぁ。いや、身体。歩き回って、この暑さだからよう」
[笑顔と会釈だけで返事を返し、手帳を閉じるとその場を後にした]
[投げ出した足許に掠める藍の着物。
その裾に微かに夏花の花粉が恭しく
散りばめられていようとは、誰が気付こうか。]
ひとりよりふたり、ふたりよりさんにん。
賑やかに越したこと、ないんでしょうかね。
[語尾を上げずして問いと換え、
どこか薄らぼんやりと聞こえる声に返す。]
[母親からは間延びした返答がこだまするのみで。
ノイズ交じりのラジヲは、歌謡曲ばかりを口ずさむ。]
次は…
[ごろりと横たわる懐から一通の封書を引っ張り出す。
無造作に並べられた名前、その中に引かれた紅色に目を奪われる。]
何で住人でもないあたしの名前が?
[疑問は、募るばかり。
暑さは、身を蝕むばかり*]
ッたく、親御さんに心配掛けるなんてなぁ。
[神社の境内。
夏祭り会場を見渡せる階段の上で、灰皿を囲んで村人と話をしていたのは、この村の医院を継ぐだろう若い医者]
まあ、その内ふらっと出てくるだろうさ。
親が目ぇ離せないような子供じゃあるまいしネェ。
[その口に咥えているのは、つい数年前に発売されたばかりの、日本初のフィルター付きタバコ。
屋台の準備に戻るという友人たちを見送り、フィルター間際まで吸ったタバコを灰皿で揉み消し。
次の一本を咥えて、ジッポライターで火をつける]
………しっかし。
アンあたりの悪戯なんだろうけど、タチわるいよなァ。これ。
[灰皿の周りにいた人々が居なくなったところで。ぼそりと呟き、煙と一緒に溜め息を吐き出す。
懐から一通の手紙を取り出して開けば、いくつかの名前が記されていて。
アンの名前が赤線で引かれている他には、自分の名も記されていた]
私? 歌遊び。
[つば広の帽子だけでは暑さはしのぎきれなくて、糸海、の消印が押された封筒で自分に風を送る。
先ほどと同じメロディー口ずさむが、もはや原型など無いほどの音程だ]
水遊び、気持ちよさそうだけど。
嫌いなの?
[小川のきらめき。向日葵の黄色。それから不機嫌そうな顔に視線を送った]
―村外れの屋敷→―
[自家所有の避暑用の屋敷へ、使用人のたちの手で荷物を運びこませる。
その間に、屋敷の管理人に例年の挨拶を向けた]
やあ、牡丹さん。かわりないか?
今年も夏の間、世話になる。よろしく頼む。
ちょっと出掛けてくるよ。夕食までには戻る。
荷物は解いて、片づけておいてくれ。
[村の上にそそぐ陽射しが、強い。
日光に弱い己の肌を守る為に、厚着も帽子も必要だ。
しっかりと服や帽子で全身を覆うと、村道へ出た。
祭囃子の練習と思しき音色が、風に乗って漂っている]
歌、あんまり上手じゃないね
[子供の辛辣さで言って、
ふと見えたものに目を瞬かせ指差した]
……あれ?それ。ボクのと一緒……
[思わず、といった風に口にする。
向日葵を抱えて立ち上がる。遠くで祭囃子の音。]
ううん、水遊びは好き。
でも……。
―道端―
[3年ほど前から夏の間はこの村の屋敷を使っているが、村の住人たちと接触した経験はない。
面識の無い村人たちとすれ違えば、いささか面倒臭そうに会釈を送り。
やがて取り出した封筒と手紙を、陽に透かすように持ちあげ、呟く。]
この 意味不明な字
数字、と…
取り消し線… この、名前…?
こないと、次は――…
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