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ご飯できたよー。
[それから1時間もかからないうちに食事の支度は整う。炊き上がった米と、心臓と野菜の炒めもの、水菜と豆腐の味噌汁、ほうれん草のおひたし、胡瓜の漬物が並ぶ。ありふれたような家庭料理を円卓の食卓テーブルへと運びながら]
ほら、机の上はお片付けしましょうね。
お絵かきか。うん。いいよ。
どっちが上手く描けるか比べっこしようか。
[トントントンと規則正しく刻まれる音を聞きながら、双葉と一緒に絵を描きはじめる。しばらくして、双葉が描き終えた頃。その横に双葉と同レベル。もしくはそれ以下の絵が並んでいたのは...の才能ゆえ]
双葉ちゃんは絵が上手いなー。将来はきっと画家になれるね。っと、料理ができたみたいだ。
さあ、片付けてご飯にしようか。
[完成した双葉の絵を褒めつつも、料理ができたと声がかかると、若葉にせかされながらも机の上を片付ける]
[ダンケと共に絵を描く双葉はいつもよりはにこにことした顔で描いて、ダンケの描く絵を見ながら自分も負けじと必死に書いていた。]
『これはね、ダンちゃんだよ。
こっちは、いぬ。
……ダンちゃんのは ねこ??』
[画家と言われればいまいちピンとしない顔で見たけれど食事の支度が整えば、慣れたように片づけを始めた。]
はい、それじゃ
[机の上に食事が並べば両手を合わせ]
―――― いただきます。
僕の絵?この絵はー……
…猫…かな?
[双葉に聞かれて、自分で書いた絵をじっと見つめる。...にもよく分かってないらしい。片付けが終わると、料理を並べるのを手伝って]
よし、それじゃ、いただきます。
[食事の準備が整えば、両手を合わせて、まずは心臓と野菜の炒めものに箸を伸ばす]
うん。食べなれない感じだけど、やっぱりお肉は美味しいね。
[そんな感想を漏らしながら、ゆっくりと他の料理も味わっていく]
よく病院に来てた…、ほら裏の通りのお婆ちゃんのだよ。この前亡くなったでしょ?
死んだら心臓は若葉先生に貰って欲しいって言ってくれたんだ。
お医者さんしてると、こういった事って結構あるんだよね。
[心臓の炒め物を食べるダンケや双葉にも教えるように淡々と語る。]
有りがたい事だよ。
[そう言い終えればこちらも食事へと手を伸ばし食べ始める。双葉はダンケの隣で行儀よく食事を進めていて―――やがて食べ終えれば]
『ごちそうさま。』
はい、ごちそうさま。
[自分の食器を流しへと戻る双葉は鞄の中から縦笛を握り]
『「さくら」練習…する。』
[2階の部屋へと1人で向かっていった。]
ああ、裏通りの…
元気だったから亡くなったって聞いたときはびっくりしたよ。
そういう事だったのか。
うん。本当に有りがたい事だ。
[故人を思うようにゆっくりとかみ締めながらも、双葉が上へ上がっていくのを見れば]
練習がんばってね。
[と双葉を見送る**]
[双葉を見送れば、残った料理へと箸を伸ばす。
やがて食べ終えれば食器を流しへ運び洗いものを始めようとするが、その手が止まり]
―――…、 お婆ちゃん。
本当に …ほんと、元気だったのにね。
[ぽつりと零す言葉。
彼女の背は小さく、その肩は小さく震えた。]
――→自宅――
ただいま。
[台所で食後のお茶を啜っている母に近づいて声をかけた]
トマト欲しいって伝えといたよ。
さっき、ダンケさん居たから。
[戸棚から取り出した砂糖菓子を一つ、口に放り込んだ]
うん、そうだね。
行って来る。
[散髪道具の入った鞄を自室に置いて、代わりに古い木箱を手にした。
中には、儀式で使う道具が入っているのだった。
手入れが済んだそれを、村長の元へと返しに向かうべく家を出発する]
[自宅までの道を進む。その足取りはいつもと変わらず落ち着いた緩慢なもの。飽かずに鳴く蝉の声が聞こえてくるのを耳に入れながら]
儀式が終われば……秋も近いですね。
ポルテさん、すぐに治ると良いのですが。
[ぽつりと独りごちる。ポルテは不調で休んでいるのだという。若い者の事だからと、心配はしても深刻に考える者はいないし、男自身もそれは同じだっただろうが]
……ん。アンさん?
[ふと、視界の端に映った姿に足を止めた。道から外れた茂みを隠れるように進む、娘の姿。男が声をかけた直後、その姿は逃げるように何処かへと消えてしまい]
……どうしたのでしょう。
何かあったのでしょうか……
[元のように静まった茂みを見つめ、呟く。アンは気に入りの服も相まって少女のように見える、実際そう称しても構わない歳の娘だったが、流石にかくれんぼごっこのような事をして遊ぶとは思えなかった。
微かな違和感。佇んだまま、首を傾げて]
……ん?
[かけられた――のかは些か判然としなかったが――声に、思考を一旦中断して其方を向いた。何かを頬張る姿に、二、三度瞬いてから、今し方の不明瞭な声の理由に気付いて、くすりと笑い]
ホズミさん。今日は。
[そう挨拶を返した]
― 回想 ―
[自宅へ帰る途中、集まって遊んでいたのだろうこどもたちが寄ってくる]
『あ、マシロだー!』
『ましろーなにしてるのー? かくれんぼしよー』
[先生というよりは、遊び相手として接してくる子らの頭を乱暴に撫でながら]
元気だなぁ。
今、せんせーお腹減ってるんだよねぇ。
…あ、みんな、うちのばーちゃん見なかった?
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