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[あちこちから差し込む陽の光で明るくなった廊下を進む]
[胸の内で考えている事などおくびにも出さず、居間へ足を踏み入れた]**
― 調査記録 ―
イルマとマティアスが連れだって、入江にいった。
(目撃情報あり)
イルマはすぐに帰ると両親に告げて出かけていった。
マティアスは同居する祖父には特に何も言っていない。
マティアスは入江から村への道で発見される。
顔面、後頭部、背中、脇腹、腰、ふくろはぎより出血。
傷はぐちゃぐちゃで何によってつけられたものなのかもはっきりしない。
マティアスは事件なのか事故なのか、ある程度意識混濁から回復した後もイルマの行方についても口を開かず、当事者以外は何があったのか把握できていない
――ことにした。
― 真夜中 居間 ―
[夢から覚めた。深夜だ。いつの夜だ。わからない]
[誰かが、戸を閉めている。
釘を打ち付けている音。
それを頼りに、這うように床に転がり、玄関へと
何度か壁にぶつかって、頭や腕に青あざができた]
― 真夜中 玄関 ―
[釘が打ちつけられた後に、男が古語で何かいっていた]
[まるでそれは祈りの言葉のように聞こえ]
ちょう、ろう?
[――玄関の向こうの気配が動揺する]
じいちゃんの、こと
たのん ます
[返事はない
逆に足早に何人かが立ち去る音が聞こえた]
― 翌朝 玄関 ―
[絨毯にくるまって寝ている姿が見つかった。
その傍には、昨日までなかったマティアスの私物と思わしき荷物があった]
[>>20 寝起きに慌てるユノラフの声をBGMにしながら、テーブル傍の椅子を引き、腰掛けて林檎を摘む。シャク、と小気味良い音を立てると同時に果汁が口内に広がった。
向けられた挨拶に、視線をユノラフへと向けると>>21丁度毛布を畳む姿が目に入った。]
おはよう。ああ、好きに食べると良い。
……大丈夫だ、君にお茶を美味く淹れる技術があるとは思っていないから。
[手を合わせる様子に笑みを浮かべながら、自らの持ち寄った資料に目を通す様子>>23を見遣る。問い掛けられたことは噛み砕いて説明をしながら、ニルスは彼が紙面を読み終えるのを待った。]
ああ、気になるね。ただ、これだけでも推測できることは、幾つかある。
[そこから先、多くを告げずに伏せたのは、>>24レイヨと>>25イェンニが訪れたからだ。わざわざ、不安がらせるような話をすることもあるまい。]
[レイヨが居間に現れ挨拶されれば]
よぉ。こっち来て食え食え。
親父さんは元気か?
[幾度か彼の父のアトリエを修繕した事で、世話をやきに来るレイヨの事も知っていた。
即座にイェンニの声も聞こえれば軽く挨拶を交わし、紅茶を淹れてくれる事に感謝してそれを待つ]
元気ですよ。
毎日、アトリエに籠りっきりです。
[ユノラフの問いかけに、困った、なんて表情を作ってみせる。
おすそ分けをもっていったり、も、男性だからできること。
大丈夫かなあと生活をたまに不安に思って、なんていうのは大人の男に対して悪いから口外はしないけれど]
ええと、それじゃあ、いただきます。
[ニルスの言葉に、なるほど、地下。と視線が足元へと向いた。
紅茶をイェンヌが淹れてくるというのに、視線が彼女に向く。
少し言いにくそうにして、]
あ…の。手伝いましょうか。
[昔、懺悔にいったことはあるけれど、数年、近づくこともなかった。後ろめたさか、声は小さい]
[昨夜、集まった人々をみて、ため息ひとつ。
やれやれと肩をすくめて、人が上にあがるころ、同じく確保しておいた部屋にはいる。
深夜、戸をうちつける音をきいた*]
[頼まれると頷き、イェンニの表情を見る。
なんとなく気まずかったけれど、気にしてはいなかっただろうか。
そんな表情が浮かんでいないことを見てとれば、ほっとしたように目元を和ませた]
はい、手伝います。
そうですね、調理場に何があるのかも見ておけば、どんなものが作れるかもわかります。
[彼女についていき、調理場では重い物を持つなどの手伝いをすることになる。
茶を淹れるなんてこと、父子の二人ではほとんどしていなかったから、楽しそうにその様子を眺めていたりもするのだった**]
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