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―診療所付近―
[集会所からの脱出に成功し、村の中を歩いている。
と、誰かを探しているかのような人物と擦れ違った]
あれ、万代さん。どうかしたの?
[同僚ともいうべき娘に声を掛けた]
久しぶりに生ワカバ先生と話してしまった。相変わらずちまこくてかわいい生き物だ。
さーて、それにしてもうちのばーさまはどこまで行ったんかな。
……お腹減ったー。
森…は、だるいなぁ。
[診察に戻れば、そこまで専門的な知識はなくともなんとか診察をこなしていく。]
『先生、これうちで作った奴だから
双葉ちゃんと一緒に食うてくれ。』
わ。
いいんですか?
[陶器の入れ物には、この村ならではの伝統料理が入れられていた。それを受け取れば、笑みを向けながら感謝を伝えた。**]
[名を呼ばれて振り返る]
ん?
あ、せーじくん。
…ん、んん?
[くんくんと匂いを嗅ぐ]
もしかして、さっきまで集会所に居た?
え? うん、そうだけど……
[少し驚いたように目を見開く。
それは、少し前の居場所を当てられたからというよりは]
匂いでわかるの?
[思わず自分も袖の匂いを嗅いだ]
[適当に言ってみただけとは言わず、にやりと笑う]
うん、わかるの。
…あ、ってことは、今日はもうごはん食べた?
[……裏切り者だな…と、聞こえるか聞こえないかわからないくらいの声で呟くと]
また家にも食べにおいでよ。
明日なら、いちじくがあるかも。
じゃ、またね。
[手を振って*自宅へ*]
―診療所付近―
[診療所へと向かって歩いていくと、清治たちの姿を見つけて]
おや、清治君。万代ちゃん。こんにちは。
[二人に声を掛けた。]
そ、そうなんだ。
[万代の不敵な笑みに、気圧されたように頷く]
うん。集会所でおにぎりが配られたからね。
……まだ残ってるかどうかわからないけど。
[呟かれた内容まではわからなかったが、なんとなく非難されたような気がした]
うん。じゃあ、また明日。
いちじく楽しみにしているよ。
[万代に手を振った所で、ダンケが現れる]
あ、ダンケさんこんにちは。
畑仕事はもう終わり?
[桶に詰められた野菜に目をやった]
――民家→――
またね。
[髪を結ってあげた少女が照れくさそうに玄関から手を振り見送ってくれていた。
商売道具が詰まった鞄を抱えて、下り坂を進んで行く]
おっと、邪魔しちゃったかな?
[その場を去る万代を見送りながら、ふざけた調子で清治に声を掛ける]
うん、ちょっと早いけどワカバさんに野菜を届けにね。今日晩御飯をご馳走になる予定だから。
[清治の言葉に頷くと、木桶を掲げて見せる]
[母が待つ自宅へ戻る途中、道端に人影が見えた。
セイジと話し込むダンケの後ろから近づく]
お二人さん、こんなところでどうしたの?
おや、ほずみさん。こんにちは。
僕はちょっと診療所まで野菜を届けに行く所。
[ほずみに声をかけられると、挨拶を返して、木桶に入った野菜を掲げて見せる]
……どういう意味だよ。
[ダンケの言葉に、思わず唇を尖らせる]
ああ、若葉さんの所か。いいなあ。
僕はどうしよう。ポルテさんがお休みとなると……。
[思案している所に掛けられる声]
あ、ホズミさんこんにちは。
いや、ちょっと雑談してただけだよ。
[大した事ではない、と両手を振る]
本当に、今日もいい天気で。
[木陰の下、今日何度目かの言葉を紡ぐ。日光に恵まれた村は暑い。会話の相手である中年の女性も汗ばむ肌を絶えず手拭いで拭いていた]
ええ、儀式がそろそろで。
勿論、気を付けさせて頂きますよ。
ご心配下さって、有難う御座います。
[体調を心配されれば、頷いてそう答えた。それから去っていく姿を見送り]
……暑いですね。
[やはり今日何度目かの呟きを漏らす。その場を離れると、村の外れの方にある自宅に*向かった*]
あー、うん。
よく考えたら、こんな炎天下で話す事もないか。
[ホズミに指摘されて初めて気付いたかのような口振り]
ぽっくり、ね。
……儀式の前に死なれると大変だよね、色々と。
[通常の葬儀にだって、それなりの人手は割かれる事になる]
はー、若葉さんが過労にならなきゃいいけど。
[服の中に空気を送り込むようにばさばさとやりながら、彼もその場を*離れた*]
ははは、まあ、清治君もいい歳だしね。
[唇を尖らせる清治の様子に笑みをみせ]
ああ、もう、ポルテさんの事聞いてたか。
良い機会だから万代ちゃんの所でご馳走になったらどうだい?
[清治に答えつつも、ほずみの野菜への感想を聞けば]
でしょう。欲しかったら何時でも言って。持って行くからさ。
確かにこんな暑い所で雑談するてのもなぁ。今更だけど。
じゃあ、僕はそろそろ。野菜が悪くなる前に持って行かないとね。
[二人に別れを告げると、診療所へ**]
そろそろ支度しなきゃかなー。
[診療の終えた老人たちを待合室に置いたまま、診察室の前に
『急用があれば一声掛けてください』
と、張り紙をして一旦仕事に区切りをつける。
診療所の奥を抜けると扉ひとつで自宅へと辿り着く。
そこには娘の姿もあり、円卓の上で絵を書いて遊んでいた。]
暑いね。
お水たまに飲むんだよー。
[甕から細長い容器へと移していた水を娘の前に置いておいた。
それから薄暗い貯蔵室へと向かい、小さな氷室の中から片手に乗る程度の肉塊を取り出した。すん、と鼻を鳴らして状態を確かめる。]
ん、 ―――― おいしそ。
―若葉自宅―
[診療所につくと、話し声が聞こえたので、中には入らず、裏へと周り]
こんばんは。野菜持ってきたよ。
[裏口から声をかける]
[手に持った肉塊を台所へ置いてそこへ塩を軽く振った。]
あ、ダンちゃんだ。
双葉、裏の扉開けてあげて。
[うん、とフタバは頷いてから絵を書いていた手を止め立ち上がり とてて、と裏口へ向かう。]
『……。』
[扉を開く小さな少女は無言でダンケを迎えた。]
[裏戸が開くと、目線を下げた先に彼女の姿はなく、さらに下に目線を下げると、彼女を連想させる幼い顔を見つけ]
開けてくれてありがとう。双葉ちゃん。
[嫌がられなければ頭を撫でようとして]
はい、野菜。足りなくなったら言ってくれればいつでも持ってくるよ。
[家の中に入ると、野菜の詰まった木桶をテーブルの上に置いた]
[フタバは頭を撫でられると照れ隠しのように俯きがちになり、肩ほどまで伸びた髪をいじっていた。]
ダンちゃん、いらっしゃぁい。
わわ、そんなに沢山ありがとー。
今からご飯作るから双葉と遊んでてくれるかなー?
あ、それと
ダンちゃん、心臓嫌いだったりしない?
[それは勿論人間のもの。1人の人間から1つしかない貴重な臓器、それ故に食べる機会は少ないかもしれないが医師という立場からか彼女の家に来ればそのような臓器が食べれることは稀ではなくなる。]
心臓かー。あまり食べたことはないけど、嫌いじゃないよ。死んだ人の為にも好き嫌いせずになんでも食べないとね。
[心臓の好き嫌いを聞かれれば当たり前のようにそう答えて]
うん。分かった。料理たのしみにしてるよ。
それじゃあ、双葉ちゃん。料理ができるまで一緒に遊んでよっか。
[しゃがみこみ、双葉の目線に合わせて笑いかける]
ん、ありがと。
[木箱の中からキャベツや玉葱など取り出しつつ、ダンケにほにゃりと笑顔を向けた。
台所へ戻れば規則正しいトントントンという音が響き始める。]
『ダンちゃん…、お絵かきする?』
[母親によく似た少女は笑みを向けてくれた相手に笑みを返した。その笑顔はどこか母親の面影に似る。]
ご飯できたよー。
[それから1時間もかからないうちに食事の支度は整う。炊き上がった米と、心臓と野菜の炒めもの、水菜と豆腐の味噌汁、ほうれん草のおひたし、胡瓜の漬物が並ぶ。ありふれたような家庭料理を円卓の食卓テーブルへと運びながら]
ほら、机の上はお片付けしましょうね。
お絵かきか。うん。いいよ。
どっちが上手く描けるか比べっこしようか。
[トントントンと規則正しく刻まれる音を聞きながら、双葉と一緒に絵を描きはじめる。しばらくして、双葉が描き終えた頃。その横に双葉と同レベル。もしくはそれ以下の絵が並んでいたのは...の才能ゆえ]
双葉ちゃんは絵が上手いなー。将来はきっと画家になれるね。っと、料理ができたみたいだ。
さあ、片付けてご飯にしようか。
[完成した双葉の絵を褒めつつも、料理ができたと声がかかると、若葉にせかされながらも机の上を片付ける]
[ダンケと共に絵を描く双葉はいつもよりはにこにことした顔で描いて、ダンケの描く絵を見ながら自分も負けじと必死に書いていた。]
『これはね、ダンちゃんだよ。
こっちは、いぬ。
……ダンちゃんのは ねこ??』
[画家と言われればいまいちピンとしない顔で見たけれど食事の支度が整えば、慣れたように片づけを始めた。]
はい、それじゃ
[机の上に食事が並べば両手を合わせ]
―――― いただきます。
僕の絵?この絵はー……
…猫…かな?
[双葉に聞かれて、自分で書いた絵をじっと見つめる。...にもよく分かってないらしい。片付けが終わると、料理を並べるのを手伝って]
よし、それじゃ、いただきます。
[食事の準備が整えば、両手を合わせて、まずは心臓と野菜の炒めものに箸を伸ばす]
うん。食べなれない感じだけど、やっぱりお肉は美味しいね。
[そんな感想を漏らしながら、ゆっくりと他の料理も味わっていく]
よく病院に来てた…、ほら裏の通りのお婆ちゃんのだよ。この前亡くなったでしょ?
死んだら心臓は若葉先生に貰って欲しいって言ってくれたんだ。
お医者さんしてると、こういった事って結構あるんだよね。
[心臓の炒め物を食べるダンケや双葉にも教えるように淡々と語る。]
有りがたい事だよ。
[そう言い終えればこちらも食事へと手を伸ばし食べ始める。双葉はダンケの隣で行儀よく食事を進めていて―――やがて食べ終えれば]
『ごちそうさま。』
はい、ごちそうさま。
[自分の食器を流しへと戻る双葉は鞄の中から縦笛を握り]
『「さくら」練習…する。』
[2階の部屋へと1人で向かっていった。]
ああ、裏通りの…
元気だったから亡くなったって聞いたときはびっくりしたよ。
そういう事だったのか。
うん。本当に有りがたい事だ。
[故人を思うようにゆっくりとかみ締めながらも、双葉が上へ上がっていくのを見れば]
練習がんばってね。
[と双葉を見送る**]
[双葉を見送れば、残った料理へと箸を伸ばす。
やがて食べ終えれば食器を流しへ運び洗いものを始めようとするが、その手が止まり]
―――…、 お婆ちゃん。
本当に …ほんと、元気だったのにね。
[ぽつりと零す言葉。
彼女の背は小さく、その肩は小さく震えた。]
――→自宅――
ただいま。
[台所で食後のお茶を啜っている母に近づいて声をかけた]
トマト欲しいって伝えといたよ。
さっき、ダンケさん居たから。
[戸棚から取り出した砂糖菓子を一つ、口に放り込んだ]
うん、そうだね。
行って来る。
[散髪道具の入った鞄を自室に置いて、代わりに古い木箱を手にした。
中には、儀式で使う道具が入っているのだった。
手入れが済んだそれを、村長の元へと返しに向かうべく家を出発する]
[自宅までの道を進む。その足取りはいつもと変わらず落ち着いた緩慢なもの。飽かずに鳴く蝉の声が聞こえてくるのを耳に入れながら]
儀式が終われば……秋も近いですね。
ポルテさん、すぐに治ると良いのですが。
[ぽつりと独りごちる。ポルテは不調で休んでいるのだという。若い者の事だからと、心配はしても深刻に考える者はいないし、男自身もそれは同じだっただろうが]
……ん。アンさん?
[ふと、視界の端に映った姿に足を止めた。道から外れた茂みを隠れるように進む、娘の姿。男が声をかけた直後、その姿は逃げるように何処かへと消えてしまい]
……どうしたのでしょう。
何かあったのでしょうか……
[元のように静まった茂みを見つめ、呟く。アンは気に入りの服も相まって少女のように見える、実際そう称しても構わない歳の娘だったが、流石にかくれんぼごっこのような事をして遊ぶとは思えなかった。
微かな違和感。佇んだまま、首を傾げて]
……ん?
[かけられた――のかは些か判然としなかったが――声に、思考を一旦中断して其方を向いた。何かを頬張る姿に、二、三度瞬いてから、今し方の不明瞭な声の理由に気付いて、くすりと笑い]
ホズミさん。今日は。
[そう挨拶を返した]
― 回想 ―
[自宅へ帰る途中、集まって遊んでいたのだろうこどもたちが寄ってくる]
『あ、マシロだー!』
『ましろーなにしてるのー? かくれんぼしよー』
[先生というよりは、遊び相手として接してくる子らの頭を乱暴に撫でながら]
元気だなぁ。
今、せんせーお腹減ってるんだよねぇ。
…あ、みんな、うちのばーちゃん見なかった?
[あまり期待したつもりはなかったが、帰ってくる言葉に少しだけ落胆し]
そっか。
…ん、と、今日はかくれんぼすんの?
はは、私は家帰ってごはん食べないと。
はいはい、みんな仲良くね。特にデンゴとルリ!
…ふふ、よしよし。
あ、範囲は地蔵のところまでだよ。
その先はルール違反。わかった?
[元気な返事に笑顔を浮かべ]
良い子にしてたら次のときに新しい遊びを教えてあげるよ。
はい、またねー。
[戸が叩かれた音に立ち上がり慌てて駆け寄ったせいでたんすの角に小指をぶつける]
……っつぅ…。
[片足でぴょんぴょん跳ねながら、玄関までたどり着き戸を開ける]
ばーちゃん! どこ行っ……。
あ…れ…、せーじくん。
生憎、確かな事はまだ知りません。
近く村長に尋ねに行こうと思っていたところで……
どうも、ライデンさんらしいという話は聞きましたが。
[ホズミに尋ねられると、抱えられた木箱を見つつ、何度か耳にした噂を伝えた。村では噂はすぐ広まる。当然、真偽が怪しいものも多かったが]
あっ……
[ばーちゃん、と呼び掛けられて気まずそうな顔をする]
ご、ごめん。
今日のご飯どうするのかな、なんて。
[夕飯をご馳走してほしいと正直に言える状況でもなく、そう尋ねてごまかす]
[ややあって食器を洗う音が響き始める。
2階からは少し音が外れたさくらが聞こえる。
話しかけられなければ背を向けたまま作業し
自ら言葉を発する事はないだろう。
―――それから、食器を洗い終えれば
布巾で手を拭いながら食卓の方へと戻って来る。]
ダンちゃん、今晩はどうするの?
そう、ライデンさんが。
食べでがありそうですね。
村長さんには今から会いに行ってきますけど、教えてくれない気がします。
[屈託のない笑みを浮かべたまま言った。
歩を進めてから振り返り、右手で自分の額の辺りに横線を引く]
ンガムラさん、そろそろ前髪切りましょうよ。
[気まずそうな顔のセイジにぷっと吹き出し]
くくっ…ごめんごめん!
誘ったのは私だもんね。
あ、入って入って。
…でも、せーじくんタイミング悪いなぁ。
ばーちゃんまだ帰ってなくてさ。たいしたものないんだよね…。
こんなに遅いと、森じゃなくてホズミさんのとこで世間話かなぁ。あ、森に寄ってホズミさん家? あー、うん、あるある。
[後半、独り言のようにぶつぶつ呟きながら、先程のように片足でぴょんぴょん歩く]
―若葉宅―
[若葉に少し遅れて食事を終えると、片付けを手伝い]
若葉ちゃん…
大丈夫。ちゃんと食べたんだし、また、来世で会えるよ
[慰めるようにそう言って]
そうだな。久しぶりだし、泊まって行っても良いかい?
[手伝いが終わり、どうするのかと聞かれると、そう聞いて]
ええ、そうですね。ライデンさんは背も高いですから。
儀式が近付いてきましたから……じきに連絡も回される事でしょう。
[ホズミの笑顔を見て返す言葉は、若干抑えた声調ながらも、およそ普段の世間話と変わらないようなものだった。前髪を示されると]
嗚呼、結構伸びてきましたか。
ではお手透きの時に宜しくお願いします。
[己の前髪の先を指で摘みつつ答え、頼むように言って会釈をした。そしてふと、思い出したように]
そういえば……
ホズミさんは、最近アンさんに会いましたか?
[と、何気ない風に尋ねた]
ん、…
[また来世でお婆ちゃんが、お爺ちゃんと一緒になりたいと笑っていたことが思い出されて 2つに結んだ髪を揺らして頷いた。
宿泊を申し出るダンケに]
うん、うちは全然構わないよ。
ダンちゃん居ると双葉もきっと喜ぶよ。
ご飯も多めに炊いたし、朝ご飯もご馳走するよ。
ポルテさん具合悪いから困ってる人多そう。
ダンちゃんとか。
[じっと見上げ、それからまたほにゃりと笑う。]
それじゃ、お布団とか準備するから手伝ってくれるかな?
あ、うん。お邪魔します。
[万代に促されるまま家の中へ]
ああ、おばあさんはお出かけ?
うん、それは大丈夫。
[言いながら、彼女が跳びはねているのを目に留めて]
何ぴょんぴょんしてるの?
新しい遊び?
[思わず尋ねた]
うん。それじゃあ、お願いするよ。
ははは、確かに、最近はポルテさんの所で済ませる事が多かったからね。助かるよ。
[OKの返事を貰えばそう答えて、見上げられると、苦笑いで答えて]
もちろん。他にも手伝える事があれば手伝うよ。
[手伝いを求められれば頷いて、若葉の後に続いて寝室へ]
[突然振り返って]
あ、鍵開けといてー。
[またぴょんぴょん歩き出すと]
そ、なんか出かけちゃって居ないんだよね。
…ああ、うん。
そう、次に教えるやつ………ぷっ。くくっ。
では、どうぞお好きな時に呼び付けて下さい。
[ホズミの返答を聞くと、何処か思案するような表情をして、静かに頷き]
そうですか。
……いえ、用事というのではありませんけれど……
さっき、其処の茂みをアンさんが歩いていまして。
声をかけたのですけれど、なんだか逃げられてしまったようで……
少し様子が変に見えて、気になったのです。
もしかして何かあったのではと……
考え過ぎだとは思いますけれど。
[先程アンがいた茂みに視線をやりつつ、彼女について尋ねた理由を説明した]
ああ、うん。
[言われた通り、鍵は開けたままにして。
万代の後に大人しくついていく]
教える?
……ああ、子供たちにか。
万代さんも大変だよね、遊び盛りの相手じゃ。
[教室から出さなくても大変なのに、彼女は外で運動させる係なのだ。
自分以上に大変だろうと思えた]
おいしいご飯を食べて健康に過ごすことは大切だもの。
[寝室の押入れを開いて、ダンケには上の方にしまった布団を取ってもらうように頼んだ。]
…他?
んー、… あー… うーん
[枕やシーツをずるずる引っ張って設置しながら迷うような困ったような声を出す。]
それじゃあ、…
[敷いた布団の上にぺたんと座り、ダンケにぺこりと頭を下げる。
それは昔から変わらない若葉の夜の合図。7年前の時からも状況は違えど言った言葉は似通っていただろう。]
――― …お願いします。
[素直な反応が楽しいらしい。ひとしきりセイジをからかって楽しむと]
あーごめんごめん。
たんすの悪魔が悪さしたのよ。
[そんなことを言っているうちに台所に着く。食べられそうなものを物色しながら]
さーて、せーじくん、そうめんでもいい?
あとは…つけものが少し、かなぁ。
じゃがいもは生でかじれない…よね…?
…うむ、せーじくん、キミは思った以上に運がないっぽいよ。
[そうめんを茹でて、漬け物をいくつか出してふるまう。からかいながら一緒に食べ終わると、またおいで、と言って別れを告げるだろう**]
まさか。
[ぱちりと瞬いて緩く首を横に振り]
そうなのかもしれませんね。
ええ、有難う御座います。
[常のように柔らかく笑い、ホズミに礼を言った]
あの上の布団だね。よいしょっと…
[押し入れから布団を取り出し、敷くのを手伝いながらも、何か悩んだ様子の若葉に首を傾げる。しかし、昔から変わらない合図を見ると笑みを見せて]
こちらこそ。
[若葉の髪をそっと撫でると、唇を重ねた**]
たんすの悪魔……。
[万代の独創的な表現についていけず、からかわれっぱなしにからかわれる]
そうめんに、漬け物。
うん、充分だよ。ありがとう。
[この際、贅沢は言うまい。
それに、先程の握り飯のお陰で酷く空腹という訳でもない]
……ご馳走様でした。
助かったよ。
[食べ終われば、礼を言って素直に出て行った。
村の老人たちが見ていたら、きっと非難轟々だったことだろう**]
[ふわりと髪を撫ぜられれば2つの影が重なる。
この村の年頃の男女の間ではよくある事。
2階から聞こえてくる笛の音が上から落ちてくる感覚。
けれどいつの間にか、その音色も遠くに聞こえ始めて
――― 白いシーツの上に皺が増ていく。**]
そういうものなのでしょうかね。
どうにも、女性の気持ちには疎いようで。
[指差される方向を一瞥して頷き]
行ってらっしゃい。
[手を振り返して去っていくホズミを見送った。踵を返し、己は違う方向、自宅のある方へと向かって]
[やがて自宅に着くと、湯を沸かして茶を入れた。右手のみで行う作業に危うさはない。男が日常生活で不便に思うところは少なかった。力仕事などの際は近所の者に手伝って貰うのが常だったが]
……ふう。
[喉を潤し、息を吐く。居間の卓袱台の前に座り、縁側の方を眺める。薄暗い室内から見る外の景色は、際立って眩しく*感じられた*]
― 回想・8年前 ―
[周囲に急かされるまま子を成す事が女の務めだと言われればそれを素直に受け止めたけれど、1人だけではどうする事も出来ない問題だった。
当時は母も健在で教えられる事には素直に頷いた。それと同時に、母が不思議な事を教えてくれた。]
『 子供はすぐにできるもんやないんよ。
お月さんが一周したくらいになって
ようやっと教えてくれるもんなんや。 』
[それは教育をまともに受けてなくとも子を成した事がある女性ならば知ることが出来る知識。
ただ、それを聞いて 誰かと閨を共にしてからは他の誰かとはひと月の間は閨を共にしないようにするのが習慣となってしまっていた。]
[初めての相手は慣れた相手が良いと、中年の男性を母が連れて来たことは今でも覚えている。何も知らない身体はその日から、母と同じ医師を目指す おんなとなった。]
[それから次の月。
同級生のダンケが家に遊びに来てくれた時があった。同学年の友人はあまりいなかったこともありそういう事は暫しあった。
けれど、先月の記憶もまだ消え失せないまま、自室で畳んだままの布団の上にちょこりと座り]
ダンちゃん。
そろそろ子供の1人でも作れって言われてたの。
ダンちゃんも言われてきてるでしょ?
[今とあまり変わらない姿形をした若葉は、そう言えばぺこりと頭を下げて]
…お願いして、 いいかな。
[躊躇いがちのような恥ずかしそうな口調で言った。
――― それからひと月と数日過ぎた日。
それまでの間、身を重ねた相手はいたとするならダンケのみ。他の相手とは寝ずのままいつもと変わらない日々が過ぎた。
突然襲う吐きのまま気の意味が解らず戸惑って母に縋れば、こちらの具合の悪さを吹き飛ばすような笑みが返ってきて
夕飯は小豆の沢山入った赤飯が出てきたのだった。*回想・了*]
― 翌朝・早朝 ―
ん、…
[小さな身動ぎと衣擦れの音。
横で眠る男は起こさぬように衣服を羽織り身支度をする。
ぼさぼさに伸びた髪を櫛で梳くも通りは悪くそろそろホズミの所へ行くべきかと考える。
風を通そうと窓を開けると、人影を見た。]
…アンちゃん?
――夕刻・村長宅――
一揃い、砥ぎ終えてますので。
[開いた木箱の中には、儀式で使う剃刀が大小並んで鈍く光を反射させている]
今回は誰なんですか?
……いや、阿弥陀くじとかそういう選び方の話は聞いてないです。
[空を切って、裏手突っ込み]
気のせいかな?
[首を傾げもう一度窓の外を見るがそこには誰もいなかった。
その足で居間へと向かえば朝食の支度を始める。
朝食は、水菜の味噌汁と茄子と胡瓜の糠漬け、大根おろしを添えた卵焼き。おひつに入っているご飯は2人が起きてから用意するつもりで]
―翌朝・自宅―
……うーん。
[自宅の布団で目を覚ますと、一度伸びをしてから、しばし寝転がったまま天井を見詰める]
あのまま帰ったのはまずかったかな?
[夜に娘の家を訪問する、というのは、つまりそういう意味合いを持つのだろうと今更考える]
ま、いいよね。万代さん何も言わなかったし。
さて、仕事仕事。
[言い訳するかのように独り言ちると、今日の時間割りはどうだったかなと考えながら、寝床を抜け出した]
今日は学校行く日だったな。
あ、それとポルテさんの所にも。
[くつくつと沸く味噌汁をお玉で薄く掬って口へ運べば]
…熱ッ ちちち。
[舌に痛みが走り目を細めた。]
『…大丈夫?』
あ、おはよー。
[背後には母親と似たようにぼさりとした髪に寝癖を残した双葉の姿。]
ダンちゃん起こしてきてくれる?
[双葉にそう伝えると、こくりと頷いて奥の寝室へと向かっていった。双葉はダンケの身体をゆさりゆさりと揺らして起こそうとしただろう。
3人が食卓へ揃えば、櫃から米をよそい並べて、手を合わせて「いただきます。」と言ってから食べ始める。]
…ダンちゃん。
ポルテさんの様子 今日も見てくるけれど良くないようなら今日もご飯食べに来てくれていいからね。
ね、双葉。
[横に座る双葉と視線を合わせて頷きあった。]
あの髪の長さとセーラー服は、アンちゃんではなかろうか?
[独りごちるも、牛歩のスピードは変わらない。
扇子を開いたまま、腕を振ってみるが気づかれる様子もなかった]
―道端―
[支度を終えて、家から抜け出す。
相変わらずの熱さに手団扇しながら歩いていると]
あれ……ホズミさん?
何やってるんだろ。
[どこかに向けて腕を振っている。
その相手が振り返す様子がないため、奇妙な光景に見えた]
おはようございます……?
[戸惑いながらも、挨拶の声を掛けた]
[扇子を掲げる形から半回転。
ひざ下まであるスカートがふわりと広がる]
あら、セイジ君。
……ご機嫌麗しゅう。
[その顔に浮かぶのは苦い笑み]
―回想・8年前―
え?うん。まあ、言われてはいるけど。
[若い健康な身として、早くから期待されていたので、何度か経験はあったものの、相手は年上ばかりで]
うん。いいよ。
…まあ、今日来たのだって言われたからだし
[元よりそのつもりではいたものの、年上の女性たちとは違う若葉の様子に戸惑いつつも頷いて。その日、初めて若葉と肌を重ねた**]
[翌朝。目覚めて身支度を済ませた後、居間で本を読んでいた。ところどころが虫や黴に蝕まれた古い書物。海の様々な生物の絵が収められた、異国のもの。
細かく姿を写し取ったそれはしかし、年月で掠れた黒のみで形作られているせいだろう、命を手放して久しい亡骸を描いたかのようにも感じられた]
……魚も、夢を見るのでしょうか?
[呟き、外に目を向ける。村は今日も暑く眩しい]
―若葉宅―
…ん?若葉ちゃん?
[体を揺さぶられる感覚で目を覚ますと、見えた姿にふと、昔の呼び方で呼ぶ。しかし、呼ばれた方はきょとんとした様子で]
あ、ごめん。双葉ちゃんか。
ははは、昔の夢を見たせいかな。間違えたみたいだ。
おはよう。起こしてくれてありがとう。
[起こしに来てくれた双葉の頭を撫でると、布団を畳んで、双葉と一緒に朝食へ]
アンさんが?
[ホズミにつられて姿を探すが、既にその場を離れてしまったようだ]
逃げられちゃった、か。妙な話だね。
栂村さんを怖がってるとか、そういう訳でもないだろうし。
何かあったのかな……。
[首を傾げるばかりで、答えは出て来ない]
何を怖がる必要があるー、よね。
あれ、私も今逃げられた形?
[思案顔]
こうしていても暑いだけよ、進もう。
カキ氷食べたくない? 氷。
そうですよねぇ。
[アンが向かったと思しき方向を見詰めてから]
氷? そりゃ食べたいですけど、仕事がまだ……
[言いながらも、見えない引力に引き寄せられるかのようにホズミの後を追う]
あっついなぁ。
仕事は氷を取ってから行けばいいのよ。
[暗に、運んでくれと意味をこめる。
相変わらず扇子で扇ぎながら、天然氷のありそうな方へ進む]
そうだセイジ君。
今度の生贄って誰だか知ってる?
[円卓を囲んだ食事を終えれば洗い物を済ませ、双葉は先に縦笛を嬉しそうに持ったまま学校へと向かって行った。]
そろそろ儀式のための生贄が決まる時期だね。
決める前に村長さんは必ず私のところに来るからなんとなく解るんだよね。
[これは内緒だけど、とダンケの方を向いたまま人差し指を唇の上にあてて言う。]
そうですね。
ちょっとは涼まないと、体が持ちそうにないし……。
[氷のひんやりした感触を思えば、それを運ぶくらいはお安い御用だった]
あ、生贄ですか?
そういえば、まだ聞いてなかったな。
[集会所に居た年寄り連中なら知っていたかもしれない、と]
え、誰を、って……。
[訊ねられて、困ったような顔をする]
……ネギヤさん、かな。
柔らかそうというか、脂が乗ってそうというか。
[彼の餅肌を思い出しながら答えた]
ホズミさんは、食べたい人とか居るんですか?
[机に置いて読んでいた本を閉じ、元あった場所へとしまう。それから冷たい茶を湯呑みに注ぎ、縁側へと腰掛けた。年寄り臭い。いわゆる悪ガキで有名な少年に、そうからかわれた事を思い出しつつ]
今日も、暑いですね。
……けれど、秋も遠くはないのですね。
[足元に落ちている二匹の蝉の死骸を見て、目を細めた。烏や猫やであれば不吉にも感じるだろう死骸は、夏の終わりの蝉である限りは、珍しくもなく]
儀式の生贄は、1人 だからね。
[理由を問うのならそう答えて、食器を洗い終えれば仕事の支度を始める。
古い戸棚を開けば母が残してくれた手記らしきものが大切そうにしまってある。そこには仮に殺人が起きた時にどう対処すべきかなども記されていたものだった。]
さ、ほらほら。
ダンちゃんもそろそろ畑行かなきゃ。
お野菜さんたちがお水待ってるよ。
それじゃあ、仕事行くね。
[戸棚から鉛筆と紙を取りだし鞄へ詰め込んで出勤の支度。
診療所の方には
『本日は学校と回診日です。
戻りは夕方ころです。』
と、張り紙をしてから家の外へ向かう。]
ひみつー、ですか。
[誤魔化された事に釈然としない顔をしたが、ノコギリと紐を手渡されて]
はいはい。
氷は少し余分に食べさせてくださいね。男なんで。
[お駄賃を要求しつつ、氷を探しに洞窟の中へ]
ほわー。
今日も暑くなりそうだぁ…
[蝉の鳴き声を聞きながら
陽が昇り始める村の青空を見上げた。
学校へ向かう前にその足で小料理屋へと向かった。**]
おはよう。若葉さん。
うん。美味しそうな匂いだ。
[居間に入ると若葉に挨拶をして、いただきます。と手を合わせて、朝食を食べ始める]
ポルテさんを?分かった。じゃあ、畑に行く前にでも行ってみる。
そいつは助かる。それじゃあ、今日もお願いしようかな。
[ポルテの事を頼まれれば頷きつつも、続く言葉には嬉しそうに答え、頷き合う親子を楽しげに見つめる。食事を終えると、片づけを手伝いつつ、学校へ向かう双葉を見送って]
うん。そろそろ決まる時期だねぇ。
へぇ、そうだったんだ。
[生贄がなんとなく分かるという若葉の言葉に驚いた表情を見せて、人差し指を立てる仕草に黙って頷く。]
ちなみに、若葉さんは誰だと思ってるの?
[声を潜めて聞く]
それなら取っておいて、後で冷たい水として飲みますよ。
[見付けた氷をぎこぎことノコギリで切り取っていく]
昔? どうなんだろう。
砂糖も貴重だったんだろうしね。
[今も贅沢に使える訳ではないが]
他の飲み物を冷やして固めたりはしてたのだろうか。
……よいしょっと、こんなもの?
[切り出した氷を指差す。
小振りだが二人で食べる分くらいはあるだろう]
はい、お疲れ様。
[ノコギリだけ受け取る]
触ってるだけでも贅沢だったかもしれないね。
[と、氷で冷えた手のひらをセイジのうなじにぺとり。
そして脱兎]
おっと、そうだね。そろそろ畑に行かないと。それじゃあ、また後で。
[若葉に急かされると、若葉と分かれてまずは滝に水を汲みに向かう。]
…………。
[放置された氷に紐を巻いて手提げ状にする]
こんな洞窟がいくつもあるとは思えませんしね。
[ホズミに同意していると、うなじに冷たい感触]
うわ!?
[思わずびくっとする]
こら、ホズミさん!
[された事を理解して声を上げるが、相手は既に逃げ出した後]
もう……からかわないでください。
[ぶつぶつ言いながら、氷を持ち上げた]
[ノコギリの刃先をスカートの裾で拭って元あった場所へ仕舞うと、洞窟の方へ声を張った]
セイジ君、知ってるー?
氷ってね、溶けるんだよ。
[はしゃぎ声を上げて、木陰を早足で進む。
時折、振り返って姿を確認しながら]
わかってますよ、そんなこと……!
[氷を提げて、ホズミの後を追う。
荷物の重さが邪魔をして、なかなか追い付けない]
まったく、いい年してはしゃがないでくださいよ……。
[時折こちらを振り返る様子が、からかわれているようで余計に癪だ。
それでも折角の氷が小さくなるのも嫌なので、歩調を上げる]
[そのうちに自宅を出て歩き始めた。時にゆっくり、時に慌しく行き交う人々とすれ違う。未だに心に引っ掛かっているアンの姿は、辺りには見付けられなかった。
村人達の会話には、一日一日と、儀式の単語が増えていっているようだった]
いい年って言ったから、カキ氷は1杯しかあげない。
[ずかずか歩いていくが、その歩みは日差しが強い道に差し掛かると緩む]
暑い。暑いよ。
……あれ、ンガムラさんかな。
[道の先を指差し、振り返ってセイジにそう尋ね]
アンちゃん居たけど居なかったですよー。
[先ほどと同じように、扇子を持ったままの手を振る]
や、だからそういう所が子供っぽいって――
あ、栂村さん。
[ホズミとの言い合いは栂村の姿を見付けた所で中断した。
彼女に訊ねられて頷く]
そっか、元々栂村さんがアンさんを探してたんだっけ。
[そう呟いて一人で納得した]
嗚呼。今日は、ホズミさん。
セイジさん。
[見えてきた二つの姿。声をかけられると、小さく頷くようにして挨拶を返した]
居たけど、……
やはり、逃げられてしまったのですか?
[ホズミの言葉にそう確認する。返事を貰えば、そうですか、と頷いただろう。藹々として見える二人の様子には、微笑ましげに]
氷ですか。毎日暑いですからね。
おや。私まで……良いのですか?
折角取ってきたものを。
[ホズミに言われれば、大きくはないだろう氷塊を見て、首を傾けるようにして]
―滝―
[滝に向かう前、一度自宅に帰り、木桶をもう一つ持つと、滝で水を汲み]
よいしょっと、家から出れないと水も汲めないだろうし、持って行ってあげようかな。
[両手に木桶を下げ、まずは水を届けに小料理屋へ向かう。**]
……もはや何も言う気はありません。
[ホズミの『ふーんだ』に諦め顔をする]
逃げられた……。
やっぱり、いつもと様子が違うんですか? アンさん。
[先程ちらりと見ただけではよくわからず、栂村に訊ねる]
ああ、氷は良かったらどうぞ。
[栂村の返事があれば、溶けないうちにとかき氷の準備を始める*だろう*]
そうですね、はっきり何処がどうとは言えませんし、気にするべき事ではないのかもしれませんけれど……
普段のアンさんとは違っていたように感じます。
[先日垣間見た姿を思い出しつつ、セイジに答えた]
有難う御座います。
では、宜しければ。
[重ねて勧められれば、そう言って*頷き*]
[座って、紙に何か書き付けている]
『 ばーちゃんへ
帰りが遅いのでその辺を探してきます。ばーちゃんはごはんでも作って待っててください。絶対外に出ないで待ってて。
あと、ほかほかの梅おにぎりがいいです。
万代 』
[ため息を一つ。そして何かを振り払うように頭を振ると、殊更ふざけた調子で]
…まったく、年を考えてよね…。
どこまで遊びに行ってるんだか…。
―木陰―
[村に一台しかない氷削機を借りて来ると、適当な木陰に入って氷を削り出す。
器の上に、氷片がはらはらと積もって行く]
はい、じゃあまず、ホズミさん。
[器に小さな山が出来た所で、ホズミに手渡した。
ついで栂村の分を作り、最後に残りを全て自分の器に削り落とす。
他の二人よりやや大きな山に、満足げに笑んだ]
ポルテさーん。
お邪魔しますね。
[ダンケが水を汲んで持ってくるより前に朝の回診で彼女の元へ向かった。
問診の後、体温を計り―――常より高めの体温に思い悩む顔。]
あの、ポルテさん…
もしかして ――――
[幾つか質問を繰り返してから]
…暫く無理はしない方がいいと思います。
体調が良くなるまで時間がかかるかもしれません。
また明日来ます。
[数日ぶりに学校に来ても職員間では儀式の言葉が飛び交うようだった。
同時に、アンの様子がいつもと違うことも自然と耳に入った。狭い村は少し広い家と似ていた。
保健室へと向かえば白い布に囲まれた世界。
椅子に腰かけて机に頬杖をつく癖。]
そういえばマシロちゃんのお婆ちゃん
見つかったのかな。
[窓の外の天気は相変わらず良かった。]
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