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[モミジと共にしばらく庭で過ごした後、夕飯の前に再び客間へと戻る。
――その夜に何が起こるのか、知ってか知らずか。
店へとは戻らず、空き部屋を借りて夜を過ごすのだった**]
―次の日の朝―
ふぁー―――…ぁあ? …、
[寝起きの顔で、別館の部屋から本館へ移動した。
応接室の前を通りがかった時。
隙間を開けていた扉の先、椅子の上の動かぬ姿が目に映る。近より、息をのんだ。]
しんで、る…?
――ひ、ひゃぁあああああーーーっ?!?!!
[情けなく悲鳴を高く上げ、腰を抜かしてへたりこむ。
ややあって死体を見詰めたまま、「…誰?」と呆然と呟いた。**]
昨日は食べ過ぎてしまったわ。
貝の酒蒸し、大好きなの。
朝食も作って下さるのかしら。
[和室『桔梗の間』で身支度を終えると、手伝いは要るだろうかと台所へ向かった]
ガモンさん?あら、居ないのかしら。
[うろうろと館内を歩いてゆけば誰かの叫び声を聴く]
[急いで…とは言っても老婆の脚。転ばないように気をつけながら、応接室にたどり着く]
……なにか叫び声が。あら、ギンスイさん、どうしたの座り込………ッ
[ギンスイを助け起こそうと手を伸ばしたが、目の前の光景に驚きヒュウと息を吸い込んだまま暫く言葉が出て来なかった。]
け、警察、と、とりあえず警察を呼びましょう。
[ 別館の『蘭』部屋にも、庭越しでギンスイの素っ頓狂な声が聞こえた。
急ぎ、応接室へと駆けつければ、そこへは無残な姿になった人が…]
は、はい。
今すぐ。
[ いそいそと電話をかけ]
そういえば、ネギヤ先生はどこに…?
[ ぽつりとこぼす疑問。
ほどなくして県警のパトカーが屋敷へ赴き、衝撃的な事実を面々に告げるのだった――]
[その日は、ネギヤの家へ行くその前に、スパモンへ立ち寄った。
チャレンジメニューの様子を遠巻きに見ただけであったのだが、後に「まるで格闘技のようだった」と感想を述べる]
遅くなっちゃってすみません。
12時になると、水戸黄門のテーマがラップ調で流れる古時計ってどこかしら?
え、何どうしたの皆さん。
[ガモンの姿がいない、そんな声が聞こえてくる。
すぐさま応接室を離れて、足を止めたのは台所の片隅]
キッチンタイマーみたいね。
[誰の仕業か、昨晩預けた妖怪時計が冷蔵庫の扉にくっついている。
手を伸べてボタンを押すと流れ出したモスキート音に、時計屋は小首を*傾げた*]
[朝、ウミが目覚めたときにソラの姿はなかった。
ウミは首を傾げながら猫を探しに部屋を出た。]
おおーい、ソラやーい。
[忽然と姿を消した筈のガモンをじっと見ていたソラは、
飼い主の呼び声にぴくりと耳を揺らした。
そのまま、音もなく身を翻して主の下へと去る。*]
ば、ばあちゃん、ひとが死んでるんだ。
どどどうなってんだよ、これ……。
[ボタンへは混乱の顔を向け。そして警察による調べが始まった。
が、その警察の話には唖然とする他なく、]
は?! 死んでたのはネギさん?!
いやまさか。全然、別のひとっすよ。あれ。
一体、どうなってるっすか。
板前さんも居なくなってるそうだし……、
幾人かが集められ、不可解な事件が起きる。
まるで、ネギさん著のあのミステリー小説っす。
[霧中にふらふらしていた足が、庭園が見える位置で止まる。]
警察が嘘をついてる?
もしくは事実あの死体がネギヤだとしたら、…オレらが知ってるネギさんは何なんだ。
あたしに分かる訳ないじゃないですか。
[家に入ると警察に誘導され、昨日あった人たちの顔を不安そうに見ながら、引き気味の足取りで応接間に入った。
意を決して一瞬だけ死体を見て、すぐに顔を逸らす]
寝てるんじゃないんですよ、ね? 病気?
ええと、ネギヤさんの、ような……気がします。
[もう一度、と言われ、押し問答の挙句の結論は『よく分かりません』であった]
だから、違うって言ってるでしょう。
おネギはもっと色白でもち肌でふっくらしてて、手だってなんかグローブみたいだしあんなスリムなズボンをはけるような体型じゃないのよ。
[廊下で警官に質問される。
何度聞かれても、自分の中のネギヤは一人しかいない。最初は震えていた声も、だんだんと落ち着いて抑揚が無くなっていく]
だって。それに……
[爽やかな朝の気配に目を覚ます。
障子越しに差し込む日差しは柔らかく――
寝床でしばしの微睡みを楽しむ。
そういえば昨夜は、ネギヤの屋敷に泊めてもらったのだったか。
夕飯に振る舞われたガモンの料理も格別で――]
[ゆるりと首を振る]
昨日だってガモンさんが作ってくれた懐中時計……あ、貝料理よ? 食べ続けてておなかぽっこりだったし。すごくおいしかったの酒蒸し。あなたも一度彼のお店に行くといいわ。
ねえ、家を捜索したなら、ガモンさんはいなかった? 左目のところに傷がある……
[尋ねてみても、芳しい返事はない。
唇をとがらせて、ため息*]
ちょっとまってくださいよ、あの人がネギヤ先生じゃない?
作家デビューされたころから別人が入れ替わったって、そんなミステリーではあるまいし…
第一、幼稚園の園長先生や幼馴染の方までいらっしゃる人が入れ替わることなんて可能なんですか…?
[ 困惑しつつも、男は取り調べに応じていた]
……………
……あの、この方、どちら様です?
[ネギヤとは似ても似つかぬ、にもかかわらず警察がネギヤ本人であると主張する、その人物の遺体を]
ネギヤさんですって? まさか。
ネギヤさんはもっとこう、大福のように白くて丸い方ですよ。でもこの方は色黒て硬そうで、まるでカリントウじゃないですか。
[ばかばかしい、とでもいうように首を振った。
そういえば、ガモンの姿が見えないがどこにいるのだろう。昨日の料理のことを話したいと思っていたのだけれど]
板前さん?
……いえ、分かりません。
[ガモンについても尋ねられるが、首を横に振る]
あの……さっきお願いした通り、あたし、ネギヤくんに預かってもらっているものがあるんです。
書斎、見せてもらえますか?
[白い顔のまま依頼をし、書斎に向かう]
いったいどういうことでしょうか……
[警察の聴き込みに答えながら思案顔]
ええ、確かに幼稚園以来会っていません。
でも、昨日大福を食べながら話していたのがネギちゃんだと……
そんな、一晩であんなに様子が変わるとは思えませんわ。
[窓際で金木犀を眺めるうち、はらりと足に絡む何か。
拾いあげればそれは昨日、ソラにじゃれつかせたチケット程のサイズの紙。]
あれ、スパモンのクーポンかと思ってたけど…?
[しかし、黄ばんだ紙は相当古いもののよう。
耳に入ったカリントウの発音に思わず見やれば、馴染みの菓子屋の若旦那の姿>>23。]
ちわ、ゼンジさん。
…懐かしいもののお披露目どころじゃなくなっちゃいましたね。
[向こう、誰かの移動の気配>>25もあったか。]
ガモンさんも居ないなんて……どういうことかしら。
[気分を落ち着かせようと、庭の金木犀の木の元へ]
ネギちゃんの姿が変わった…?
魔法でもあるまいし、それとも、そうなりたいと願って天に召されたとか……
いやいや、そんなお伽噺みたいなことあるはずないわよねえ。
[金木犀は変わらず芳香を放っていたけれど、もやもやした気分は晴れなかった]
え…?ネギちゃん?このお人が?
いややわぁ、何の調査です?
仏さん前にして冗談とかお人柄疑ってまいます。
ネギちゃん言うたら、真っ白ぷっくりの餅肌がトレードマークやのに…。
…こんなん、ネギちゃんちゃう。
何でか知らん、亡くなってはるんはお気の毒にぃ思いますけども、
ウチ、このお人は見たこともないん……
[昨日、夕陽の綺麗な庭をゼンジと散歩して。
自分の知らぬネギヤの一面についてなど他愛ない会話を交わし、
ガモンの”懐中時計”に舌鼓を打ち、「椿」の間で眠りに就いたのだったが。]
[そう、集まったのはネギヤの知人ばかり。
誰かが嘘をついている様子もなく、昨日も特に違和感を感じなかった。
皆、昨日過ごした彼がネギヤだと言っているのだ。]
集まってるんは、あの人の小さい頃のお知り合いとか、
普段のご近所付き合いある方とか、
学生時代の友人とか、色々ですけど…
そうだ、ガモンさん、どこにいらはります?
今日まだ、お姿を見てない方が……
[職人の朝は早い。
早朝に帰宅した可能性も少し考えたが…残された鞄に首を傾げる。]
[突然、ソラが台所から移動する。
捜査の邪魔になっては行けないと後を追うと
数年前に切り倒した樅の切り株にいた。]
おや?
[ソラはそこでボロボロになったカードを拾って口に銜えている]
これは…。
昔、子供たちの間で流行っていたカードだったかの。
[辛うじて読める「呪狼」の文字。
これが何を意味するかは分らない。]
[何となく見つけたカードをポケットに仕舞う。
結局ネギヤもガモンも見つからずに夜が来た]
へえ、重要参考人ですか。
[事件が解決するまで、帰れないらしかった。]
重要参考人ですか…。
[ 担当している小説でもよくある話である。
売れっ子作家の失踪と、売れっ子作家として発見された遺体。フィクションでないのが非常に残念である]
もしもし…。
[ 重い口調で、○×出版へと電話をかけた]
ネギさん、何処いっちゃたんでしょうね。
板前さんを攫って、屋敷の秘密の場所に隠れていたりして。
[へらり、力なくゼンジに笑いかけ、
だが直に、情けない表情へ改めた。]
……いやすんません。タチ悪い冗談っした……。
あのぷっくり大福みたいなネギさんじゃ、人攫いの怪人役なんて似あいませんし。**
[ 電話が終われば再び取り調べや雑談に交じる]
確かに、この屋敷ですと…
秘密の場所なんていろいろありそうですね。
たまに業者の方が出入りしていましたし。
ゼンジさん、だったかしら。
やっと修理終わったの。お待たせ。
[応接間には続々と人が集まっていて、かつてない密度だった。
その中からひとりの男に近づいて、海のものではない古びた懐中時計を差し出す]
これ、あなたに渡して欲しいってふくよかな方のネギヤさんが言っていたの。
大事なものだって言ってたから……
[警察には聞こえないように、低い声で囁いた]
―― →書斎 ――
[ゼンジに微笑を残して応接間を去る。
そして通りかかりに目に入る、書斎の女性たち]
だぁれがおネギさん殺したの?
[細く呟くのはどこか軽快なメロディ。
やがて警察は順に屋敷内の人々に話を聞いていく。
ガモンに預けていた時計のことは、自分からは警察に話はしない*]
[人のごった返す応接間。
その中でふと、ゼンジに声をかけるヂグを見かけて。>>41]
何してはるんやろ…?
[よくは見えないが、何かを手渡す様子。
そう言えば彼は、昨日もガモンに何か渡していたのではなかったか。
――人攫いの怪人。>>39
彼がそうだとは思わないが、なんだか妙なことを考えてしまって。
小さく首を振りつつ、けれどゼンジのことを注意深く見守ることにした。]
警察なんて当てにでけへん。
書類上のナンタラとかよぅわからへんけど、
とにかくアレは、ネギちゃんちゃうもん。
…人攫いの怪人>>39なんておったら、ウチが許さへんよ?
[そう呟いて一人、腕をぶんぶか振り回した。]
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