情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[立ち上がれば、高いヒールにより背筋はぴんと伸びる。艶かしく光る甲を晒して、女はバーを横切った。
手に持ったポーチには口紅が数色、入っていた]
……貴女
[隅の席、奥へと続く扉の前に座る女は、声をかけても顔をあげない。
前に置かれたグラスは汗すらかかず、口をつけた後もなかった]
私を知っているでしょう?
[問いかけに、視線が一瞬此方を向いた。
揺れる花飾りは、暗い中でも赤く、紅く、手を伸ばして手折ってしまいたい。嗚呼それより落ちるに任せたほうがいいだろうか]
[そのまま女は化粧室へ消える。
帽子をとって、髪をなおして、夜にあわせて目元の色を整えて
そして最後に、真っ赤な紅を唇に*置いた*]
/*
あと誰が殺したかわからないほうが
(せめてPCにはわからないほうが)
楽しいよね
早い者勝ちで見つけりゃいいよなー
うん、うん
そういう方針でいこう、頭において
[化粧室の扉を開けた途端、一陣の風が店内を通り抜けた。
重いはずの扉が外へと開け放たれ、キィイ…と軋みながら大きく揺れた。
女は帽子を押さえ、ゆっくりと店内を見渡し――]
[女と目が合った]
……貴女
[風に揺れた灯りは、斜めになって止まっている。この世界は、女達をおいて暫し息をするのを忘れたよう]
[次の瞬間帽子がゆっくりと床へと落ちていった。
風にのり、それは席に着いていたはずの女の足元へ。
薄桃は、薄暗いテーブルの下、湿った何かを吸い込み色を濃くした]
[大人しく息を潜めて座っていたはずの、少女のような女。
隅に座っていた彼女は、今は床に横たわり。
首筋に見える割れ目は無理やりに開かれた秘部のよう。奥に見える白い骨が今にも零れてきそうなほど艶めいて]
……あら
[娼婦はゆっくりと足を進め、帽子を拾い上げようと身を屈める。
華奢な爪先がかつん、と何か――ナイフ、だろうか。この女を傷つけただろうものを蹴り飛ばした]
本当に、死んでいるわ
誰かの女だったの?
……誰が、これ、を
[赤に染まった帽子を手に、男たちを見渡した。
いまだゆっくりと、扉はゆらゆらと揺れている。
誘うように、手招くように、揺れている]
[刃傷沙汰は夜の世界に珍しくない。
きゃあ、なんて可愛い悲鳴をあげることはない。
それでも足から力が抜け、一歩二歩と後ずさると、その場に崩れ落ちるようにして座りこんだ。
帽子は掴んだまま。
俯いて、小さく息を吐く]
だい
ええ、大丈夫
[少しだけ顔をあげて手を差し出した。
誰へ、というわけでもないが、それを取られるのはさも当然だという素振りである]
飲みすぎたの
貴方も、そうでしょう?
[人が一人消えて、死体が一つ増えた。
ただ、それだけだ]
[差し出された手を柔らかく掴んだ。
ほとんど自分の力で立ち上がり]
ありがとう
[指をなぞる様子は夜の誘いに似て、もはや習慣のように染み付いた仕草]
あの人ね
首がぱっくりと割れていたわ
[こんな風に、と口を大きくあけてみせた**]
血の匂いを嗅ぐと凶暴になる…とか
[そういう男は多い。
ただ単に興奮する者。
怯えを隠そうとする者。
この場にいるのはどちらだろう]
動物みたいね
[ころころと少女のように笑ってみせた]
[マスターの姿はない。
飲み干した窓際のグラスは、いつの間にか倒れてよく見ると皹が入っていた]
……失礼するわ
[警察に連絡を、なんて。そんなことを言う者はいないようだ。勿論、女自身も。
一足先に店を出て行った、喧嘩早い男を追うようにして、外へと通じる扉を開く]
店を出て
こんな、街だったかしら
[一番血の気の多い男に話しかけるはずだった。そのつもりで店を出た]
静か …すぎる
[よく知っている店を出て、よく知っている道に出たはずだった。
表通りから一本入った場所。喧騒が漏れ聞こえる裏通り。道端に女がぼうっと立っているような、そんな通り。
けれど此処は静かで、人影なんて、見えやしない]
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了