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―診療所付近―
[集会所からの脱出に成功し、村の中を歩いている。
と、誰かを探しているかのような人物と擦れ違った]
あれ、万代さん。どうかしたの?
[同僚ともいうべき娘に声を掛けた]
久しぶりに生ワカバ先生と話してしまった。相変わらずちまこくてかわいい生き物だ。
さーて、それにしてもうちのばーさまはどこまで行ったんかな。
……お腹減ったー。
森…は、だるいなぁ。
[診察に戻れば、そこまで専門的な知識はなくともなんとか診察をこなしていく。]
『先生、これうちで作った奴だから
双葉ちゃんと一緒に食うてくれ。』
わ。
いいんですか?
[陶器の入れ物には、この村ならではの伝統料理が入れられていた。それを受け取れば、笑みを向けながら感謝を伝えた。**]
[名を呼ばれて振り返る]
ん?
あ、せーじくん。
…ん、んん?
[くんくんと匂いを嗅ぐ]
もしかして、さっきまで集会所に居た?
え? うん、そうだけど……
[少し驚いたように目を見開く。
それは、少し前の居場所を当てられたからというよりは]
匂いでわかるの?
[思わず自分も袖の匂いを嗅いだ]
[適当に言ってみただけとは言わず、にやりと笑う]
うん、わかるの。
…あ、ってことは、今日はもうごはん食べた?
[……裏切り者だな…と、聞こえるか聞こえないかわからないくらいの声で呟くと]
また家にも食べにおいでよ。
明日なら、いちじくがあるかも。
じゃ、またね。
[手を振って*自宅へ*]
―診療所付近―
[診療所へと向かって歩いていくと、清治たちの姿を見つけて]
おや、清治君。万代ちゃん。こんにちは。
[二人に声を掛けた。]
そ、そうなんだ。
[万代の不敵な笑みに、気圧されたように頷く]
うん。集会所でおにぎりが配られたからね。
……まだ残ってるかどうかわからないけど。
[呟かれた内容まではわからなかったが、なんとなく非難されたような気がした]
うん。じゃあ、また明日。
いちじく楽しみにしているよ。
[万代に手を振った所で、ダンケが現れる]
あ、ダンケさんこんにちは。
畑仕事はもう終わり?
[桶に詰められた野菜に目をやった]
――民家→――
またね。
[髪を結ってあげた少女が照れくさそうに玄関から手を振り見送ってくれていた。
商売道具が詰まった鞄を抱えて、下り坂を進んで行く]
おっと、邪魔しちゃったかな?
[その場を去る万代を見送りながら、ふざけた調子で清治に声を掛ける]
うん、ちょっと早いけどワカバさんに野菜を届けにね。今日晩御飯をご馳走になる予定だから。
[清治の言葉に頷くと、木桶を掲げて見せる]
[母が待つ自宅へ戻る途中、道端に人影が見えた。
セイジと話し込むダンケの後ろから近づく]
お二人さん、こんなところでどうしたの?
おや、ほずみさん。こんにちは。
僕はちょっと診療所まで野菜を届けに行く所。
[ほずみに声をかけられると、挨拶を返して、木桶に入った野菜を掲げて見せる]
……どういう意味だよ。
[ダンケの言葉に、思わず唇を尖らせる]
ああ、若葉さんの所か。いいなあ。
僕はどうしよう。ポルテさんがお休みとなると……。
[思案している所に掛けられる声]
あ、ホズミさんこんにちは。
いや、ちょっと雑談してただけだよ。
[大した事ではない、と両手を振る]
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