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>>12
そう?
[返されたりんご飴を、再びかぷっと齧ると、イマリの顔を覗き込む]
イマリちゃんは、消えないと良いなあ。
[無邪気に呟いて、彼女の腕をぎゅっと握った]
[昨夜は遅くに寝たので、目が覚めるともう大分陽が昇っていた。月光とは違う圧倒的な陽の光が、窓から差し込んでくる]
……眩しい。
[一体どうしてこんな事になっているのだろう?と考える]
私はただ、お母さんに会いたかっただけなのだけど。
[不意に頭の中に声が響く。
”どうだ楽しいか?”
”望みをかなえてやったろう?”
”あちらとこちらを繋いでやったろう?”
声は、くっくっと、愉快そうに笑っている]
ちっとも、楽しくなんかないよ。
[月に魅入られた時から続いていた、生きている振りをしているような?あるいは、生きているのに、死んでいるかのような?そんな感覚は、火祭りが始まってどんどん加速していった]
何でみんな消えていくの?そんな事はお願いしてないよ。
何で……。
私は、ちっとも悲しくないの。何も感じないの?
[エビコの声に、振り向いた。優しく声をかけて頭を撫でてくれるその人を、不思議そうに眺める。自分が泣いている事にも気づいてない風で]
怖くなんか、ないよ?
だって。
何も感じないんだよ。
[そう口にすると、ようやく表情が歪んで。ぎゅうと、エビコにしがみつく]
[『何か思い出したの?』と問われて、考えてみるけれど。つなげ合わせる事を拒否するかのように、記憶は断片的で]
お母さんとね、手を繋いでたんだよ。
ちゃんと繋いでいたんだよ……。
……なのに、どうして。
あれは……。ねぇ。
危ないよ!行かないで。
……あぁ。
[ぼんやりと、とりとめのない言葉を紡いでいるばかり]
>>112
お母さんにね、会わせて下さいね。って。
一生懸命お願いしたんだよ。
そしたらね、お月様が。
笑ったんだ。
願いをかなえてくれると思ったのに。
[エビコが額にあててくれた手は冷たくて]
気持ち良いな……。
[うっとり目を閉じた]
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