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[目が醒めるとホズミさんが丁度わたしの額に手を当てているところだった。あ、そう言えばわたし、昨日熱を出していたんだっけ。]
「だいぶ落ち着いたみたいね」
[そう言われると確かに身体が楽になったような気がする。布団の中でもぞもぞと寝返りを打つ。関節が軋むような痛みはもう治まっていた。
ホズミさんからわたしは薬を受け取り飲み干す。苦い味が口の中に広がって、わたしは一瞬だけ顔を顰める。
そんな様子を見て、ホズミさんは笑っただろうか?]
[タオルを交換して居間に戻る姿に小さくお礼を告げて。わたしは再び布団の中に潜った。
吹雪の音が聞こえる。誰かのすすり泣く声のように聞こえて、わたしは恐怖に*怯えた*]
[わたしは頭から布団を被って再びうつらうつだとしていたようで。ひやりと部屋に入り込む外気で再び目が醒めた。]
…ぅん?ロッカ…さん?
[布団から這い出た視線だけで窓際を見る。辺りは結露と吹雪で真っ白だった。代わり映えの無い景色。そう思ったのは一瞬。]
「はなびら…?」
[ロッカさんの声が聞こえてわたしは首を捻る。そんな何処にこの吹雪の中はなびらが…。
と、思った次の瞬間。わたしの予想はロッカさんの言葉によってあっさりと裏切られる。]
「エビコさん…起きて!
桜が…」
[聞こえて来た声は、とても嘘を吐く様には思えなくて。わたしはその声に慌てて飛び起きる。布団の上にかけておいたカーディガンを羽織り窓の近くへ駆け寄る。]
え…そんな…、そんなことって…ある…の?
[濡れた窓越しに見える風景。それは季節を考えれば全く有り得ないもので。
わたしは暫くその光景から目が離せなくて。ただその場に*立ち尽くすだけだった*]
[どれ位見とれていたんだろう。さくらに。
急に寒さを覚えて、わたしは着込んだカーディガンとパジャマ姿で居間へ向かう。]
[怖かった。ただ純粋に怖かった。
思い出される村の伝承。風が吹くと同時に人の命を奪う。人狼の話。全てはイコールで繋がらないと思ったけど…でもわたしは――]
やだ…怖いよ…っ!何で?何でこんな吹雪の中に…さくらが?
[部屋を一人出かけだし、わたしは居間の囲炉裏に当たりながら一冊の本を貪るように読み続けていた。
その本は【――村の記録 伝統と伝承】]
何か…さくらが狂い咲いた手掛かりが…無いの?
[ページを捲る手がもどかしい。それは震えている所為。寒さではなく、熱の所為でもなく――]
[騒がしさに出て行くヨシアキくんに、わたしも遅れながら後を付いていく。
と、そこで見かけたもの。それは薬屋さんに担がれるように運ばれる白い肢体。
そして聞こえて来たフユキさんの声に、わたしは思わずヨシアキくんの制服の裾を握ったかも知れない。]
――うそ…でしょ…。
[その一言を唇は紡いで]
[無防備に外に出た身体。吹雪によって冷えていく。
それは外気だけではなく、人の死を見たから。
人の死は身体を冷やす。まるで魂を奪い取るかのように――]
[ふと手に温かな感触を感じた。
思わず隣に居たヨシアキくんを見上げる。]
あたたかい…
[わたしはその温かさに安堵して、長い溜息を吐く。そしてその手をきゅっと握り締めた。]
[ヨシアキクンの手を握り締めながら、わたしは周りの人の話に耳を傾ける。
そして聞こえた薬屋さんの声に首を傾げる]
ひとつめの…たましい…って?
[しかしわたしの問いに答えられる人は果して居ただろうか?]
[そして用があるというヨシアキくんを見送り。
わたしは頭が痛いというホズミさんに視線を送る。
そこにフユキさんの声が聞こえて――]
鎮痛剤なら…わたしの鞄の中に入っていたかも…
[飲むかどうかは別として。わたしはそう告げて荷物のある部屋へと向かった。]
[わたしは寝床へ行き、鞄の中から鎮痛剤を見つける。
いつも持ち歩いている市販の薬。それを手に持ち――]
お待たせしました。これ、薬です。良かったらどうぞ?
[居間に戻りホズミさんに手渡した。]
[お風呂に入る為に立ち去ったホズミさんを見送り。
人攫いさんに声を掛けられると、ふと視線を上げ、不安に思っていることを聞いてみることにした。]
あのっ――アンさん…は、誰かに…殺されたんですか?
じゃぁ…犯人はこの中に居るってことでしょうか?
[入り口付近のコルクボードに張られていたメモに目を向けながら、わたしは人攫いさんに訊ねた。
そこには外部と遮断されている事実が記載されている。犯人だってきっと人…。逃げれるわけがない。こんな吹雪に――]
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