[ぴくり]
[背後に気配を感じ、身を強張らせる]
[ここは絵画のブース]
[さっき見た限りでは自分以外誰も居なかったはずだ]
………。
[ゆるり]
[恐る恐る、背後を確認すべく振り向こうと身体を動かす]
[何か居るのか、それとも気のせいか]
[恐怖もあったが好奇心も頭を擡げていて]
[意を決して後ろを振り向いた]
[じっ]
[暗闇に目を凝らす]
[物陰から見えるのは白い何か]
………?
[ぱたり]
[一歩足を踏み出す]
[見えているあれが一体何なのか]
[恐怖よりも興味が勝った]
[ぱちくり]
[白熊が現れたと思ったら]
[今度は鼠が現れて]
[呆気に取られるように目を瞬かせた]
熊の、警備員?
私は…気付いたらここに居たの。
[ぽつり]
[鼠からの問いかけに答えて]
[少しだけ、顔を伏せた]
[こてり]
[首を傾げる]
通じる?
そうだ…動物なのに、言葉が通じるんだね。
ちょっと、面白い。
[クスリ]
[僅かに笑みが漏れた]
[きょとん]
[白熊の言葉に目を瞬かせ]
スノウ。
白いから?
不安…なのかな。
でも、前からここに居たような気もしてるの。
[こてり]
[首を傾げながら]
[よく分からないと言った様相で]
[ぱちくり]
[鼠も名乗るのを聞いて]
[瞳を瞬かせる]
マキ。
私は、ニーナ。
[ぽつり]
[自分だけ名乗らないのもと思い口に出す]
怖がる必要は、無いの?
[こてり]
[マキの言葉に不思議そうに首を傾げた]
[ゆるり]
[首を巡らし示された絵に視線をやる]
全ての生き物の?
そうなんだぁ…。
[ぽつり]
[感心したような声を漏らす]
[絵に違和感を感じたが、それが何なのかまでは分からず]
[少し考えたが、後はあまり気にしないで]
[こてり]
[悲しげなスノウに首を傾げて]
慣れてるのかな?
よく分からない。
うん、よろしくね警備員さん。
[にこり]
[小さく笑みを浮かべた]
[きょとり]
[マキの言葉に目を瞬かせ]
何故?
…分からない。
でも。
外に行こうとも思わない。
だから、ここに居る。
マキは。
外が怖いの?
[こてり]
[楽しげなマキの声に首を傾げて返した]
[ぱちくり]
[返って来た答えに目を瞬かせ]
見知らぬ土地は、怖い。
怖くない場所は、知ってる場所?
[ぽつり]
[自問するように呟いて]
うん、ばいばい。
[ひらり]
[立ち去るマキに手を振った]
[ゆるり]
[辺りを見回す]
[ここは絵画のブース]
ここは、怖くない。
私の知っている場所?
[こてり]
[首を傾げる]
[他はどうなんだろう]
[興味がまた頭を擡げて]
…行ってみよう、かな?
[ふらり]
[どこか別の場所へと*歩いて行った*]
[ぱたぱた]
[色んなところを駆け巡る]
[絵画のブースも何度か横切り]
[色んなところに足を運んだ]
[ぱたぱたぱた]
[好奇心に任せて駆け巡る]
[絵画のブースのとある絵が]
[蛻の殻になっているのにも*気付かずに*]