[先客は、揺れる船体をおさえるように船縁につかまり。
盛大に音を立てて落っこちた二人を見て]
ぼっちゃーん。
…大丈夫?
[揺れのひいた船の上から手を差し伸べた]
ズイハラは金で、ギンスイはギン…そうだったんだ。
こういうの、見たこと、ある。
本当のこと言わないと、二人とも、戻ってこない…?
落としてないけど、二人とも、落っこちた。
だから、落としてない…?
[腕を掴まれたまま、引き上げることも忘れて真剣な表情で悩んでいる。]
[ふと、上空を見上げ]
…きっと、また会える?
うん、また。お茶、ありがとう。
[輝く星の方へと告げる。勿論、引き上げるのも忘れて]