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村瀬が聞く者で、見る者のもう一人が長澤か…。
[ボイスレコーダーを再生しつつ]
考えないといけない事が多いな…だが、一旦休ませてもらうよ。
少し、疲れた。
[血なまぐさい車内であってもお構いなく、シートに身体を横たえると深い眠りに落ちた。**]
−回想−
ん…、椎名君…。
小鳥遊先生、気を付けてね。
[と、見送ると長澤に声をかけられる。]
ん
[ちょっとごめんと、額に掌を当てられて身を固くする。]
…う、な、長澤君も見る人だったのね。
ん?
[何かおかしいなと思った。]
[そう思う間もなく、人が床に倒れる音がし、そちらに振り向く。
倒れたのは近藤。
三枝が必死に起こしている光景を目にする。]
なっ…。
[またなのか。
ただ、どうしていいか分からず、彼女のを、見ていることしかできずなかった。
須藤の声に、何も言えない。
やがて、ただいまとの小鳥遊の声がして振り向いて彼女の姿を見て、固まる]
せ、んせ。
な、にが、あった、んですか…?
[それだけようやく、言えた。
須藤の声に]
…須藤君も…?
[彼は隣の車両へ行くときに死にたくないと言っていた。
何が起こるのか分かっていたのだろう。]
[ボイスレコーダーを再生してみると]
村瀬が聞く者なのね。
…三枝さん。
[この状態で大丈夫とは言えないだろう。
しかし、このまま放っておけない。
彼女の隣に向かい、彼女が良いのであれば、背をさすっただろうか**]
ん…。少し寝てたのねぇ。
おはよう。
[ボイスレコーダーの再生スイッチを押す。]
聞く耳?とかは村瀬さんだけかしら?
その力はあまりよくわからないけれど、他にはそう名乗る人はいないのねぇ?
…椎名君が鬼じゃないと言われても、そうなの?としか言えないけど。気には留めておくわぁ。
もしそうだと仮定した場合の、票の流れは聞き直しておきたいわねぇ。
何にせよ、村瀬さん以外に耳がどうとか言う人がいないのは考えやすくて先生は好きだわぁ。
それから近藤さんが襲われたのは。
場を纏める力があると思われたり、あまり疑う人がいなかったからかしら、と思ったわぁ。
あとは、力を持つ何かしらの候補なら幸運、くらい…?
[その後、櫻木の疑問を孕んだ声がボイスレコーダー上で再生されるのも聞いた。]
櫻木さん、長澤君に何かひっかかることがあったの?
教えてくれたら、先生も考えてみたいわぁ。
[と、櫻木に話を聞くことにした。**]
[暫く思考の海に沈んでいたが、ふと身体が軽くなったような気がして目をあげる。
――ずいぶん遠くに、膝をついたコハルの背中が見えた。と同時に、今までに聞いたこともないような取り乱した声で近藤の名を呼ぶコハルの慟哭が、車両いっぱいに響く。
何を言ってる? 俺はここだ。
そう言ってコハルに近づこうとして、ふと視点のおかしさに気づく。
何故、コハルの背中も、驚愕の色を浮かべた他の生徒たちの顔も、小鳥遊に追われるバクの姿さえも、自分は同時に見えているのだろう]
――さ、っ――
[動揺しコハルの名を呼んだつもりが、声にならない。
肩を震わせ嗚咽を繰り返す彼女の背中ごしに覗き込むと、
彼女が泣きながらかき抱いているのは、
――全く色彩を喪い目を閉じたままの、
己の頭部。]
――ッ、?!
[漸くにして近藤は、悟る。
自分がどうなってしまったか。
全てが見えているのに、全てに置き去りにされている、この矛盾した現状が何なのか。]
……死んだのか、俺は。
[やっと声が出せた、気がした。きっと、生きている誰にも、届きはしない声だが。]
[何かが倒れる音にピクリともしなかったが、それから三枝の声が聞こえてゆっくりと顔を上げる。
近藤を胸に抱き叫ぶ姿に休息に血の気が引くのを感じた]
オジさん……?
[何が起きたのか、理解することを拒んでいる。その為ただ驚いた表情で見守ることしか出来なかった。しかし三枝の辛そうな様子が悲しくて、傍に寄るとしゃがんで三枝が泣き止むのを待った**]
-回想-
[櫻木からの問いが自分に向けられたのかそうでないのか少し不思議に首をかしげながら、彼女は口を開く。
どちらにしても言っていて悪いことはないだろう]
櫻木先輩、りぅに聞いてる?
りぅはクルミちゃんはみんなが言ってる受け身って印象があるかなら、あてはまるかもしれないとは思うよ。
櫻木先輩に向こうに行ってほしいって言ったのは櫻木先輩を受け身だからって理由ではないよー。
[理由は言ったよね?と確認をする。櫻木が受け身と言ったことに対して過剰な反応に聞こえたがそれだけみんなと隔絶される隣の車両は怖いところなのかもしれないと不安が過る。
そして、椎名の様子がおかしい。椎名はここに対して近藤と同じ理解のようなものを示していたように感じていたのに。近藤の椎名をつけ放すような言葉はさらに彼女を混乱させた。彼らは何かわかり合っているのでなかったのだろうか]
[自らの死を悟りつつ、不思議と近藤には何の感情も湧かなかった。
ただ、目の前で自分の死を悼み続けるコハルへの申し訳なさだけが募る。]
俺は……、死にたかったのかもしれない。
[須藤とロッカ、ナオがコハルに寄り添ってくれたことに安堵し、ほぅとため息をつく。]
死ぬことでしか、あのひとの中に入れない。そう、思っていたのかもしれない……。
[小山内の母の、時折見せる寂しげな表情。その原因たる夫と息子には、どうやっても勝てない。
彼らが死んでしまった後も、
――いや、死んでしまったからこそ。]
[そこまで思い巡らして、ふと声に出す。]
……ハル?
[あのひとに近づきたい思いから、近藤は特に小山内ハルヒと親しくなろうとしていた。
いや、下心を抜きにしても、彼は近藤にとって気になる存在だった。内気で大人しく、友人も多くはない彼の姿は、他ならぬかつての近藤自身にそっくりだったから。
最初こそ避けられたものの、近藤は熱心に彼のことを知ろうと話しかけ続けた。その結果、あの事件の前にはこの呼び方を許すまでに、彼は近藤に心を開いてくれていた。]
……、居ないのか。
この列車は、死んだ後の俺たちも捕らえているみたいだしな。
[せっかく霊になったのに会えないのか、と思ってから、「せっかく」の意味のおかしさに苦笑を漏らす。
しかし、事実、霊体の近藤もこの列車から脱出することは叶わなかった。そもそも物質としての列車ではない、ということだろう。]
会えたら、話を聞きたかったな……。
[小鳥遊の声にそちらへと目を向けて血を見ないようにした]
ん。…先生、その。
いえ、長澤君がひっかかったんじゃなくて、弓槻君も私なんだなと。
長澤君が言う私が気になってた見たいでしたし、見て欲しいと希望してましたが、弓槻君は見たい人は近藤さん?先生?、と見たいと言ってたけれど変えたのは何だろう…と。
[と答えた**]
/*
小山内くんへの縁故について、事前設定事項はだいたいロール終了です。後は状況に応じて追加しようと思ってた。追加どころか、演じきる前に死んだけど!
あと、中の人は完全にコハルちゃんにころっといってますCO。
家庭的でふんわりしてて、でも実は論理的なしっかりものとか可愛すぎるだろう常識的に考えて……!(*ノ∀`*)
―回想―
[「様子を見てくる」そう言って、椎名を追う小鳥遊の姿。どこか鬼気迫る様相に、声をかける事は躊躇われた。
それと時を同じくして、長澤が櫻木の元へと向かうのが目に入る。
先に名乗っていた弓槻と同じく、鬼かどうかを見分けられるらしい。そして、長澤が出す結果を聞いた。
弓槻の結果も聞こうと、そちらにも目を移す。]
[異常な事態で、自分が正しい判断が出来ているのかさえ分からないまま。
寺崎は小さく溜息をつくと、ここに閉じ込められてどのくらいの時間が経ったのだろうかと腕時計を見るが、デジタル表示された数字はデタラメに時を刻んでいて使い物になりそうにない。]
疑われたら、ここから離れた車両に移動するだけ…それだけ、だよな。
[椎名が去って行った方を見ながら、ぽつりと声を落とす。
そう口にする事で、大丈夫だと自分に言い聞かせようとしているのかもしれない。
だが、近くにいた村瀬が話した事は―――]
…村瀬さんは、死者の声が聞こえるのか?
信じがたいけど、それが本当だとしたら……椎名の中に鬼が居ないって、それって…
[考えてしまうのは嫌な想像ばかり。
その先を口にして問い詰めるには、うずくまる村瀬の様子を見てしまったら出来なかった。]
[そして、ふと顔を上げた途端に目に入ってきたのは――
唐突にその身をぐらりと傾かせ、床に斃れる近藤の姿と、その横で鳴き叫ぶ同級生の姿。]
近藤先生…っ!?
うそだろ…。これ…って、二宮さんの時と同じじゃないか…
[三枝が近藤の事を慕っていると言う事は、同じ塾に通っていたから何となく分かっていた。
縋りつき、嗚咽をあげる三枝を見ていることが居た堪れなくて、須藤が対処してくれているのに任せ、目を逸らすしか出来なかった。
何も出来ない事に、悔しさが込み上げる。]
…どうして、こんな…。
[―――と、奥の扉が開き、小鳥遊が戻って来る。しかし、その服や手には血糊が付いている。
あの奥の車両で何があったのかは分からないが、小鳥遊の様子から本人の血ではないという事は察する事が出来た。
椎名の事は気がかりだが、いや、これを聞くと、保とうとしている精神力が失われてしまいそうだ。
何かを察したらしい須藤が、死と言う単語を口にするのを聞いて目を伏せた*]
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